大量のゴミを資源に。東大研究所、がれきと廃木材を使ったリサイクルコンクリートを開発

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私たちは、建設業が出す環境負荷についてどれだけ知っているだろうか。たとえば、建築物や道路、ダムなどに使われるコンクリート。セメント、砂、砂利、水などからつくられており、新たにコンクリートを作るためのセメント製造においては、多くのCO2が発生し、全産業の5%に達するほどだ。

毎年約3500万トンと大量に発生するコンクリートのゴミである「がれき」も、環境に負荷をかける廃棄物として問題となっている。このがれきを何か他のものに役立てようと、リサイクル技術の開発も進められているが、そのほとんどは路盤材料として、道路建設の際に舗装の下に埋められているだけというのが実状だ。また、古くから日本家屋に使われてきた廃木材も、年間約800万トンを超える量が発生しているが、その多くがリサイクルされず焼却や埋立処分されている。

一般的なコンクリートの例(右)と材料(左:セメント、砂と砂利)

一般的なコンクリート(右)と材料(左:セメント、砂と砂利) (c) 東京大学

これらの課題を解決するため、東京大学の生産技術研究所が、がれきと廃木材のより持続可能なリサイクルを促す新たなコンクリートを開発した。同研究チームは、コンクリートのがれきと廃木材を粉砕して混合し、加熱圧縮成形することで、土木や建築材料としてリサイクルすることに成功。このリサイクルコンクリートは、従来のコンクリートよりも数倍高い曲げ強度を持つ。

リサイクル過程で必要な材料は、がれきと廃木材と水だけ。多くのCO2を発生させる新たなセメントは必要なく、温室効果ガスの排出抑制効果が期待される。

このリサイクルコンクリートでは、木材成分の一つであるリグニンががれきを接着する役割を果たす。リグニンは多くの植物に含まれており、廃木材の代わりに野菜や落ち葉、製紙工程で発生する成分等でも代用が可能だ。また、リグニンは特定の菌によって生分解されるため、処分が簡単で、環境への負荷が低い。この技術により、がれきのリサイクルを促進し、がれきの価値を高め、さまざまな植物性資源を有効活用し、循環型社会の実現に貢献する効果があると研究チームはみている。

新技術で製造されたリサイクルコンクリート

新技術で製造されたリサイクルコンクリート (c) 東京大学

リサイクルコンクリートの使い道としては、内装材や外壁材や合板の代替など、さまざまな土木・建築分野が考えられる。また、チームはセメントの代わりに植物成分で砂や砂利を接着する新たなコンクリート製造への応用も可能だとの考えを示している。

当研究成果は、東京大学生産技術研究所研究速報誌「生産研究」で2020年3月1日に公開されており、今夏に福岡で開催される国際学会ConMat’20(The Sixth International Conference on Construction Materials)で発表される予定だ。

東京大学生産技術研究所が開発する、がれきと廃木材を使った循環型社会の実現に貢献するリサイクルコンクリート。今後の展開が期待される。

【参照サイト】がれきから土木/建築材料へ、植物がコンクリートを蘇らせる ~セメント不要、副産物なしの循環利用を実現~
(※画像:東京大学より引用)