環境対策でコロナ対策。タイの僧侶が作る、ペットボトルを再生利用したマスク

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「新型コロナウィルスは、世界の関心及びリソースを気候変動への対応から引き離し、問題を棚上げにする。」そう分析するのが、政治リスクの調査会社であるユーラシア・グループだ。同社は毎年1月に世界の10大リスクを発表しているが、2020年は新型コロナ感染拡大の影響を加味し、3月に10大リスクの改訂版を発表した。

同社による1月の発表では、気候変動が経済成長の重石となり始め、世界的な政治の舞台でかつてないほどの問題になるという理由から「政治 vs.気候変動の経済学」が10大リスクのうち第7位にランクイン。しかし改訂版では、同項目のリスクが大幅に減少すると発表された。なぜなら世界の関心が新型コロナに集中するなか、気候変動をめぐって政治と経済が衝突する可能性は大きく下がると考えられるからだ。

とはいえ同社も指摘するように、気候変動という脅威は厳として立ちはだかっている。この問題がなおざりにされないためにも、環境対策と新型コロナ対策を結びつけるソリューションに光をあてたい。

タイのチャークデーン寺院では、新型コロナの世界的な流行が続くなか、ペットボトルを再生利用してマスクを製造する取り組みを始めている。同寺院は以前から、回収したペットボトルで僧侶が着る袈裟を作るという取り組みを行っていたが、今回は「人々を守りたい」という思いから一部をマスクの製造に転換した。できあがったマスクは、東南アジアの僧侶がよく着る袈裟と同じオレンジ色だ。

マスク

Image via shutterstock

袈裟の生地は、プラスチックから抽出した合成繊維と綿を織って作られているが、マスクの場合はこの裏地にフィルターが縫いつけられる。これにはマスクを着用する人が、飛沫のリスクから身を守れるようにとの意図が込められている。

さらに、人々が心の安らぎを得るようにと、マスクには同寺院の僧侶が仏教の念仏を書き添えることもしている。その言葉は「苦しみを終わらせる道を見つける方法は、問題を知ることである」というもの。何が問題なのか、どこに問題があるのかもわからないほど大量の情報が飛び交い混乱する昨今、この言葉はやけに腑に落ちる。

今、日本でマスクの品薄状態が続いている。サージカルマスクは医療機関に届けるために、医療従事者でない私たちは洗える布マスクを使うでも、スカーフで口と鼻を覆うでもして、工夫をしながらこの状況を乗り切りたい。機転を利かせたチャークデーン寺院に、学べるものは多いのではないだろうか。


【参照記事】仏教国タイのアップサイクル。廃棄プラスチックから作る僧侶の袈裟
【参照サイト】 Thai monks make virus masks from recycled plastic

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