エコアルフとミシュラン、廃棄ゴムとプラスチックボトルからローファーを開発

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世界で最も深い海底と言われる、マリアナ海溝。人の手のほとんど及ばないこの海底にすら、人間が出したプラスチックごみが流れ着いていると報告されたのは、1998年のことだ。それから約20年間、海洋のプラスチックごみの問題は日に日に深刻化し、このままいくと2050年には魚よりもごみの量の方が多くなると言われている。

海の環境とそこに住む海洋生物。それらを守るための方法はいくらだってあるのかもしれない。そう思わせてくれたのは、海洋の環境保全に取り組むスペイン発のファッションブランド・ECOALF(エコアルフ)と、タイヤ製造大手・ミシュランだ。エコアルフとミシュランは異業種ながらタッグを組み、海洋に漂う廃棄プラスチックボトルとタイヤ製造の過程で出る廃棄予定のゴムで出来たローファーを開発した。

ミシュラン×エコアルフ

image via Ecoalf Japan

このローファーの靴底を除くニット生地で出来た部分は、ポリエステル30%と”海の糸”70%で構成されている。この”海の糸”は、エコアルフが環境活動の一環で海底から集めたプラスチックボトルから出来た素材で、一足のローファーにはペットボトル5本が使用されている。この方法で製造することで、従来の方法で同じ数を製造する場合よりも、14,773トン相当のCO2排出量を削減できるうえに、384,188リットルの水を節約できる。海洋プラスチックごみだけでなく、気候変動と水資源の問題解決にも貢献できるのだ。

ローファーの色は全4色で、性別を問わず履けるデザイン。サイズ展開も23~27cmと幅広い人たちに履いてもらえるのも魅力だ。さらに動物性の素材を使わないヴィーガンシューズで、梱包材も100%リサイクルされた素材でつくられている。

エコアルフ×ミシュラン

image via Ecoalf Japan

私たちが取り組むべき環境問題は多岐に渡る。プラスチックごみだけでも陸の上から海底まで幅広く、そんなことを考えると頭を抱えたくなってしまうかもしれない。しかし、エコアルフとミシュランのように、異業種同士が手を取り合うことで、取り組みの幅、そしてその可能性はもっと広がるのかもしれない。お洒落をエコに楽しみながら、ポジティブに問題解決に取り組む。そんなアイデアに今後も注目していきたい。

【参照サイト】Ecoalf×Michelin
【参照サイト】Human footprint in the abyss: 30 year records of deep-sea plastic debris
【参照サイト】水資源問題の原因
【参照サイト】【増え続ける海洋ごみ】今さら聞けない海洋ごみ問題。私たちに何ができる?(特集第1回)
【参照サイト】Ecoalf

(画像提供:エコアルフ・ジャパン

Edited by Tomoko Ito

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