多くの家庭が購読しているであろう、新聞。この新聞を読み終わった後、みなさんはどうしているだろうか?折ってゴミ箱として使ったり、汚れた荷物の下に敷いたりと、新聞紙の使い道はいろいろあるものだ。また、きちんと古紙回収に出せば大抵の場合製紙工場に運ばれ、再生紙にリサイクルされる。
しかし、従来の新聞紙リサイクル方法と全く違う新聞のアップサイクルのソリューションを持つユニークな会社がオランダにある。
誰もが知っている通り、紙の原材料は木だ。しかし、NewspaperWood BVという会社はその逆のことをしている。つまり、紙からまるで本物の木のような素材を作っているのだ。
この素材は、オランダのアイントホーフェンデザインアカデミーを卒業したMieke Meijer氏が2003年に開発したものだ。糊でリサイクル新聞を接着して特別な機械を使って丸太のように丸め、断面をカットすると、紙の層によって木の年輪のようなデザインを実現できるのだ。素材の95%が紙で、使用する新聞は地元で調達しているそうだ。
NewspaperWood BVは2007年にオランダのデザインファームVij5と提携し、2011年にこの素材を発表。同社はこれまでに様々な企業と協働し、彼らの素材をプロダクトづくりに生かしている。強度もしっかりしていて、時計の文字盤や証明のシェードから、家具や車の内装まで、本物の木と同じような使い方ができるのがこの素材の画期的なところだ。紙から紙へリサイクルするよりも長い期間使用できるプロダクトになっている。
世界には従来の方法を超えるたくさんのユニークなアップサイクルの方法がある。ごみだと考えられていたものがごみではなく、新しいプロダクトに生まれ変わっていく、そんなサーキュラーな仕組みが世界中に広がることを期待したい。
【参照サイト】NewspaperWood