「環境問題を勉強したい」と思ったとき、あなたは手始めに何から取り掛かるだろうか。パッと思いつくのは、本を読むこと。もしくは講演会やウェビナーで現場の声を聞くのもいい。
いくつもの選択肢がある中で一番身近な方法といえば、パソコンやスマートフォンで見られる動画視聴だ。最新の動画が集まるストリーミングサービスなら、名作はもちろん、知っておくべき問題や新しいアイデアに簡単にアプローチできる。
オランダ・アムステルダムで2020年12月に設立された「WaterBear」は、環境問題に特化した動画だけを配信する今までなかったストリーミングサービスを提供している。現在、194か国でアプリのダウンロードが可能だという。さらに視聴は無料で、広告もない。気候変動対策、生物多様性、持続可能性など80以上の環境団体によるドキュメンタリーが1,000本以上そろう。
WaterBearが配信するのは、厳選された長編ドキュメンタリー、ショートフィルム、現地で語られるストーリーなど。動画の時間は5分程度から1時間を超えるものまでさまざまだ。さらにWaterBearオリジナルも50作品以上あり、毎週新しいコンテンツが追加されるため飽きがこない。
ビデオコンテンツのオンラインストリーミングは多くの場合、配信に非常に多くのエネルギーを必要とする。しかし、WaterBearでは、温室効果ガスの排出量削減などに取り組むエッジプラットフォーム「アカマイ」を採用。サステナビリティを企業理念に掲げるWaterBearだけあって、環境への配慮も忘れてはいない。
また、WaterBearはただ配信するだけでなく、利用者が深く学び行動を起こすプロセスも重視している。動画の視聴を通して気になった団体や活動があれば、寄付、ボランティア、請願書への署名などを行えるようプラットフォームを完備する。
CEOで映画監督でもあるエレン・ウィンデマスはRealscreenの取材に「WaterBearは、私たちの未来に関心を持つ人々に、視聴率などのテレビ向けコンテンツ制作に伴う課題を排除したストーリーを伝えることができるプラットフォームです」
と、WaterBearの意義を語っている。
「地球の未来」「環境問題」と聞くと、なかなか身近に感じられないことがある。だが、肩肘をはらなくても、まずは家のベッドからWaterBearにアクセスしてみよう。WaterBearを探索するだけで、知りたかった情報はもちろん、今まで考えたことがなかった問題や視点に気がつくことができるはずだ。
【参照サイト】WaterBear
Edited by Kimika