ウクライナの危機を前に、いまわたしたちができること

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【追記:2022/4/11】一部情報を加筆いたしました。

昨年度からいつ侵攻が起こってもおかしくないような状況が続いていた、ロシアとウクライナ。2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻がついに始まった。首都キエフの郊外にある軍事施設が巡航ミサイルの攻撃を受け、ウクライナ軍の拠点であるクラマトルスクや、首都キエフの郊外にあるボリスピル、そして南部にある軍事施設などで攻撃が行われ、今も多くの人々が不安な日々を送っている。

ウクライナとロシアの状況は今、刻一刻と変化しており、不明瞭なことも多い状況だ。しかし、ウクライナにいる人々が今、援助を必要としているということは確かである。日本にいる私たち個人、そして企業にできることは一体なにか、本記事でまとめていきたい。

個人でできることは?

1. 適切な情報を入手する

テレビやインターネットを見れば、毎日のようにウクライナやロシアの情勢について情報が流れている。しかし、なかにはフェイク画像や動画、ロシアを非難する過激な発言も多く出回っているのが現状だ。視覚的な情報は特に、インパクトがあり信じやすいが、「本当に真実か」という視点を常に持ったうえで情報収集することが大切ではないだろうか。

以下は、今回のウクライナ情勢に関して比較的信頼できる情報を発信していると考えるサイトだ。ほとんどが英語によるものであるが、英語が苦手だという方も、Google翻訳機能などを使って情報収集してみてほしい。

独立性を守ったためにKyiv Postを解雇されたジャーナリストたちによって作られた、ウクライナの独立系英語メディア。現場の最前線の声を時系列で取り上げ、攻撃によって最も影響を受けた人々にスポットライトを当てて報道している。メディアのパトロンになったり、GoFundMeの資金調達に寄付したりすることで、メディアの支援もすることができる。

2014年の”Revolution of Dignity.(尊厳の革命)”の際に国際ジャーナリストを支援するボランティア活動から生まれた独立系の英語マルチメディア・プロジェクト。特にソーシャルメディアで独立系ジャーナリストが直接取材した映像や最新情報を、活発に配信している。メディアのパトロンになることによってサポートすることも可能。

英語、ウクライナ語、ロシア語の3つの言語でニュースをカバーするThe New Voice of Ukraine。速報を扱うだけでなく、状況がここまで至った経緯を詳細に分析し、ウクライナの学者や専門家の論説を継続的に報道している。

国費で運営されているため非独立メディアではあるが、省庁の高官や軍の幹部などの声明を発表するなど、政府や国の機関から直接速報を伝えている。

Stand With Ukraineは、紛争の情報やまとめをInstagramの投稿やストーリーでアップロードしている。日頃からInstagramアプリを開くことが多ければ、こちらのアカウントをフォローすることで最新情報をチェックできる。

紛争に関する最新情報をInstagramアプリから入手可能。

ウクライナ市民を支援するための情報をダイジェストで掲載し、市民へのメッセージをアップロードしているInstagramアカウント。以前は、Black Lives Matter運動と連帯するために使用されていた。

経済・ビジネス、政治・社会の独自企画やライブ配信などのニュースを配信しているテレ東BIZのYoutube。インスタントな情報だけではなく、戦争の背景やロシア側の視点なども丁寧に解説されている。

2. 背景を知る

正しい情報を集めることと同様に、ウクライナとロシアがなぜこのような事態になってしまったのか、その背景をきちんと理解することも大切だ。もちろん今起きている戦争は許されるべきことではない。しかし、背景を知らずに一方的に「ロシア=悪」という見方をしてしまうことには危うさがある。ロシアという国が今日までたどってきた歴史的変遷を知ることで、インターネット上の過激な発言は減り、より平和的な解決にもつながるだろう。

上述の「適切な情報を知る」の6つ目、テレ東BIZの動画では、様々な参考文献をもとに、あえて完全にロシア側の視点に立って今回の情勢を捉えた動画もある。欧米よりの偏った意見だけでなく、多様な視点から一つの物事をとらえることが大切だ。

3. 寄付で支援する

すでに数多くの団体が寄付を募っている。しかし、場合によっては自分の寄付が軍の支援などにつながり、間接的に戦争に加担してしまう可能性もある。そのため、寄付を検討している団体のウェブサイトなどをチェックし、使用用途などを確認したうえで、納得できる団体に寄付することをおすすめする。

在日ウクライナ大使館は2月25日から、公式ツイッターを通じて寄付金を呼びかけている。徹底抗戦を表明したウクライナ政府(大使館)への寄付については、それが戦争加担につながるのではないかといった声もあるが、ウクライナ大使館は、集まった寄付金は「全額人道支援のために活用させてもらう」と述べている。

また、在日ウクライナ大使館は、3月31日にウクライナへの人道支援窓口を設置。支援物資を直接送ることも可能だ。

ユニセフ・ウクライナは、紛争の爆撃で被害を受けた学校を修復し、影響を受けた子どもたちに緊急対応を提供している。

すでに子どもや民間人を含めた多くの犠牲者が出ており、2月24日以降、すでに15万以上(2022年2月26日現在)が安全を求めて国境を越え、避難をしている。寄付は、ウクライナ及びヨーロッパ地域での救援活動に、使われる。

ウクライナ赤十字社は、難民の支援から医師の訓練まで、多くの人道的活動を行っている。

市民の救急医療サービス、メンタルヘルスおよび心理社会的支援を行う。

食糧や衛生キット、心理社会的支援サービス、水や現金へのアクセスなどを、必要としているウクライナ人に提供することで、危機に対応している。

国境なき医師団は、紛争で身体的・精神的に傷を負った人々を救うために現地での基礎的な医療と心理社会面の支援を行う。紛争の直接被害だけでなく、現地の医療を強化することで人々の健康に貢献している。

戦争を目撃して心に傷を追った子どたちに心理的支援を提供する、ウクライナを拠点とする支援組織。アートセラピーとストーリーテリングを使用して子どもの幸福をサポートしている。

ドイツとスイスのNGOであるLibericoと提携し、非難を試みるウクライナ人に即時の避難支援を提供。さらに、困窮しているウクライナ人のためのホットラインを維持し、紛争犠牲者にトラウマのサポートを提供。

マルタを拠点とする非営利団体。家を追い出されたウクライナ人のために、薬やベビーベッド、毛布、食糧などを提供。

世界中で活動する、チェコの非営利団体。食糧パッケージや緊急避難所、飲料水への安全なアクセス、衛生用品、そして暖房用の石炭などを提供している。

クロスボーダーな寄付型クラウドファンディングサービス「Airfunding」を運営している株式会社奇兵隊は、ロシアの軍事侵攻によって甚大な被害を受けているウクライナに対して、公式プロジェクトとして2つのクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げている。

2022年3月中に、ウクライナのNGO団体「Vostok-SOS(ヴォストック・エスオーエス)」と、ウクライナ東部からの難民を支援するロシア発のNGO団体「WOMEN FOR LIFE(ウーマン・フォア・ライフ)」によるプロジェクト「Women’s Window(ウーマンズ・ウィンドウ)」を通じて、現地の人々へ支援を届ける予定。支援先の選定にあたっては、寄付金が武器・戦争資金等に使われることがなく人道支援のみに使用され、かつ早急な支援が直接ウクライナの現地住民の手に届くNGOやプロジェクトに限定している。

4. 寄付付きの商品購入を通して支援する

今、ウクライナへの寄付付きの商品を販売している会社が増えている。商品にも様々なバリエーションがあるが、下記では、大切な誰かと一緒に楽しみながら、戦争について話したり、苦しんでいる人に想いを馳せたりするきっかけになる商品をご紹介する。

  • 奥羽自慢の「HOCCAシードル」

    楯の川酒造のグループ会社であり姉妹蔵の奥羽自慢株式会社が、「HOCCAシードル ウクライナ支援特別ver」を4月12日より1000本限定で販売。商品の売上のうち送料・酒税分を除いた全額が、UNICEFウクライナ緊急募金に寄付される。

  • 北条ワイン醸造所のウクライナ義援金ワイン

    鳥取県の北条ワイン醸造所は、ウクライナ義援金ワイン赤1本3,000円で販売。うち1,000円がウクライナ大使館に寄付される。

  • 世嬉の一恩送りプロジェクト

    「世の人々が嬉しくなる一番の酒造り」を目指す岩手県の世嬉の一酒造は、クラフトビール・クラフトコーラ・日本酒・あまざけの4つの商品代金の35%を、難民支援を行うARR Japanへ寄付している。東日本大震災の際に多くの支援を受けた経験から、今度はウクライナの人たちを支援したいという想いで始めた「恩送りプロジェクト」だという。

    5. 署名で支援する

    様々な署名活動も展開されている。いずれも簡単にできるので、すぐにできるアクションとして、やってみてはいかがだろうか。

    全世界がウクライナの人々と共にあることを伝える署名活動。メールアドレスと氏名を入力するだけで簡単に署名することができる。

    「日本からウクライナを想う市民の会」は、ウクライナからの難民のために、すでにある既存の枠組みを通して日本が取れる、7つの拡充アクションを提案している。

    6. SNSやデモ、イベントの参加などで意思表明をする

    世界各国でロシアの軍事侵攻に反対するデモが行われ、日本でも2月26日午後、日本に住むウクライナやロシアの人々が都内でデモを行った。そのほか、コンサートや映画上映会、写真展などのイベント、追悼式なども各地で行われている。

    こうした集まりに参加するのも一つの手だが、参加が難しい人もインターネットで声を上げることならできるかもしれない。SNSを見渡すと、「#あらゆる戦争に反対します」「#NoWar」などのハッシュタグを使って発言する人々も多く見られたほか、ひまわりの花の絵を描き投稿することで、ウクライナの人々に寄り添う「#SunflowerFromJapanプロジェクト」などもある。たとえ金銭的な支援ができなくても、自分の考えや想いをシェアすることで応援する気持ちを伝えることは、大切なことではないだろうか。

    また、ウクライナの国旗のカラーである青や黄のものを身に着けることも平和を訴える一つの手段。この二色の花を買ってきて家に飾ってみるのもいいかもしれない。

    7. 平和、紛争、難民をテーマにした作品に触れる

    必ずしも、今回のウクライナ危機に関連していなくても、「平和」「紛争」「難民」などをテーマにした映画や書籍などを通して、自分なりに感じたり考えたりすることは、平和な世界へとつながるだろう。動画配信サービスなどを利用して、検索してみてはいかがだろうか。

    8. 自分や目の前にいる人を大事しながら大切に時間を過ごす

    声を上げたり、意思表明をしたりすることで想いを発信することは大事なことだ。しかし同時に、声を上げることは勇気や労力を要することでもある。傷ついた心を犠牲にしながら無理に情報収集したり声を上げようとしたりすることで、もっと辛くなってしまう人もいるだろう。

    まずは自分自身に優しくなろう。そして、今日という1日や平和、命のありがたさを実感し、家族や友人、同僚など目の前にいる大切な人を大事にしながら時間を過ごす。身の回りから平和な世界を広げていくことも、戦争によって苦しんでいる人を守ることにつながるのではないだろうか。

    企業にできることは?海外企業による支援の動き

    ここまで、個人でできることを紹介してきたが、企業として動くことで、より大きなインパクトをもたらすことができる可能性がある。今、世界の企業は紛争に対してどのように動いているのだろうか。

    米Verizon、AT&T、T-Mobile、ウクライナへの通話料金を免除

    アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く、大手電気通信事業者であるVerizon Communications(ベライゾン・コミュニケーションズ)は、2022年2月25日から3月10日まで、ウクライナへの通話料金を免除することを発表。困難な時期に、顧客はウクライナにいる愛する人々とのつながりを維持する必要があるという想いが込められている。

    また、米大手モバイルサービスAT&Tも2月26日から3月7日まで、T Mobileも2月24日から3月3日まで同様に、顧客に米国からウクライナへの無料・無制限の長距離電話を提供している。

    SpaceX、インターネットサービスの提供開始

    テスラ創業者であるイーロン・マスク氏が創業した、世界中に高速で低遅延のブロードバンドインターネットを提供するSpaceXも、衛星インターネットサービスStarlinkの提供を開始したことを発表した(※1)

    VistaCreate、ウクライナの写真素材を無料公開

    ウクライナのキエフを拠点とするコンテンツプラットフォーム会社VistaCreateは、同社の運営するフォトライブラリDepositphotosで、フェイクニュースとロシア政府によるプロパガンダを防ぐために“The truth about Russia’s war in Ukraine(ロシアによるウクライナ戦争の真実)”というページを公開した。

    ここにはウクライナの現在の情報がわかる写真がリアルタイムで追加されていき、世界中の人が誰でも無料で閲覧できる。また、メディアや個人のSNSで、画像をダウンロードして使用できる。同社は世界中、とりわけロシアのユーザーに、ウクライナで起きている真実を写真を通して伝えるように促している。

    「戦争の真実を広めて」ウクライナの会社が350点を超える写真素材を無料公開

    ブロックチェーンで事実を記録

    「歴史は勝者によって作られる」という言葉があるが、ベルリンを拠点とするブロックチェーンスタートアップArweaveは、重要なニュース記事やドキュメント、ビデオ、ソーシャルメディアの投稿など、あらゆるデジタル形式のメディアの情報が改ざんされ、歴史が捻じ曲げられないよう、ブロックチェーンで事実を記録している。

    1週間前のアップロード数は10万件のみだったにもかかわらず、世界中のネットワークにより、この数週間だけですでに650万件以上の情報がソフトウェアにアップロードされ、今では50テラバイトを超えるデータを保護しているという(※2)

    ウクライナDAO(分散型自立組織)」を立ち上げ

    2月25日、NFTを使用し、ウクライナを支援するための資金調達を行う新しいイニシアチブが発足。同組織は、2011年に設立されたロシアのフェミニスト・ロックグループPussy Riot、NFTのキュレーションを行うTrippy Labs、DeFiやNFT関係者の組織PleasrDAOにより設立された。

    “私たちの目標は、プーチンがウクライナで始めた戦争に苦しむ人々を助けるウクライナの市民団体に寄付するための資金を集めることです。(Pussy Riot氏のtwitterより)”

    AirbnbとAirbnb.org、ウクライナからの難民10万人の滞在先提供を表明

    Airbnb.orgは、ウクライナからの避難民10万人の受け入れを表明。Airbnbのホストに無償、もしくは割引価格で宿泊先を提供することを求めている。その場合、滞在する側もホスト側もサービス料が免除される予定。また、寄付のみの支援も受け付けている。

    Bcorpコミュニティによる支援のアクション

    ヨーロッパのBコーポレーション(以下、Bcorp)が加盟する企業コミュニティ「B Lab Eurupe」は、コミュニティのサイト内にウクライナから避難する人々を助けるために「We are all Interdependent」というページを作り、寄付先一覧や法的支援のための連絡先、ヨーロッパのBcorp加盟企業の個別のアクションなどをまとめている。

    たとえば、ホームケア用品を販売するSkandinaviskは、2月の利益の半分近くを、さらにいくつかの商品に関しては売り上げの100%をウクライナに寄付しており、フェアトレードコーヒーの会社moyeeも、同様に特定の250gコーヒーの売り上げを全額ウクライナに寄付するキャンペーンを行っている。

    検索エンジンのecosiaも加盟する複数の企業によるイニシアチブ「#UNTERKUNFT UKRAINE」では、ウクライナから脱出した人に個人宅の宿泊場所を提供するプロジェクトを行っている。

    また、「#TechForUkraine」というプラットフォームでは、ウクライナの非営利組織やウクライナを支援する団体がテクノロジーのソリューションを探し、申請すれば無料で製作を請け負う仕組みが出来上がっている。

    動く欧州のB Corp。ウクライナの人々に寄り添うアクション続々

    日本企業・政府・自治体による支援の動き

    経済産業省の中小企業・小規模事業者対策

    中小企業庁は、ウクライナ情勢や原油価格高騰などにより影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援するため、相談窓口を設置。さらに、厳しい状況に直面する事業者に対する資金繰り支援を実施している。

    横浜市『特別経営相談窓口』を設置

    横浜市でも、ウクライナ情勢の影響を受ける、またはその恐れがある市内中小企業を対象として、経済局金融課、公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)及び横浜市信用保証協会に、「特別経営相談窓口」を設置。資金繰りや経営に関する相談を受け付けている。

    楽天株式会社「Viber」のウクライナ支援策

    楽天はウクライナ支援策として、「Viber」で固定電話や携帯電話への音声通話を無料で提供し、人々がウクライナの家族とコミュニケーションが取れるように動いている(※3)。なお、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は2月27日、自身のTwitter上でウクライナに10億円を寄付することも表明した。

    熊本の箸メーカー「ヤマチク」が売り上げを全額寄付する「平和への架け箸」

    「暮らしに寄り添う」道具を作り続けてきたヤマチクが、売り上げの全額をウクライナの平和のために寄付する箸を販売「私たちの暮らしは、平和の上に成り立っている。だから、平和を願い、その実現に尽力することは、企業人として最も基本的な使命です。」そんな想いから販売を開始した。売上金は、「在日ウクライナ大使館」を介して寄付される。

    ※ 販売開始から2時間で150膳が売り切れ。3月4日に115万円が寄付された。次回販売は4月中旬の予定で、同販売分からは全額ではなく、一膳につき1000円が寄付されるという。

    クックパッド、紛争下のウクライナで作れる料理のレシピを募集

    ウクライナ国内で食料不足が懸念されるなか、日本最大級の料理レシピサービスを展開するクックパッド株式会社は、「Power of cooking」という特設サイトで、ウクライナの現在の環境下でも作ることができる料理のレシピを募集している。期間は、3月7日から3月13日まで。特に、食料や水が不足していることもあり、限られた食材と調理環境でおいしく作れるレシピが求められているほか、現地の食や料理の状況を知っている人からの情報提供も歓迎している。

    クックパッド、紛争下のウクライナで作れる料理のレシピを募集

    ウクライナ避難民のための相談窓口

    日本でもウクライナからの避難民の受け入れが始まった。避難してきた人々の来日後の生活支援が大切になってくるなか、人々がウクライナ語やロシア語などで困りごとを相談できる相談窓口が各地に設置されている。NHKが全国の相談窓口をリスト化してまとめている。

    ウクライナ避難民の日本語学習支援

    NGOと連携し、日本に避難したウクライナの避難民に対して、日本語教育の無料提供を行う日本語学校のグループJSUS(Japanese Supports for Ukrainian Students)が立ち上がった。日本での生活や就労に必要不可欠な生活環境の確保、日本語能力や日本社会への適応能力をサポートしようと始まったプロジェクトだ。 日本語の話せるメンターを100名程度育成し、後続支援につなげることを考えている。

    また、海外子女教育振興財団は、避難民の子どもたちのために、ウクライナ語版『ようこそ、にほんへ』(はじめて日本の学校に通う子どもたちのために、日常よく使うことばを読み方含め、ウクライナ語で説明するとともに、日本の学校についてウクライナ語で分かりやすく紹介するページ)を作成している。

    一人ひとりができることを

    テレビやインターネットには、破壊された街や戦闘の様子、隣国へ逃げるウクライナの人々などの映像が毎日映し出されている。その惨状を見て「自分には何ができるだろうか」と考えている人は少なくないだろう。しかし同時に、心を病んでしまっている人も少なくないと感じる。かつて凄惨な戦争を経験し、福島第一原子力発電所の事故も経験した日本。核兵器の恐ろしさを身をもって知っている人にとっては、特に耐え難い現状だと想像する。

    本記事で述べてきたように、個人や企業でできることは色々とあるだろう。しかし、必ずしもそういったアクションがとれなくてもいい。辛い気持ちになった時は、家族や友人、SNSでつながっている人など、自分の想いを安心して打ち明けられる誰かと話したり、情報から一歩距離をとったりすることで、自分自身の健康を守ることも大切だ。

    不安な日々はまだ続くだろう。だが、まずは自分や周りの人を大切に、出来ることから少しずつ一緒に始めてみよう。春の訪れとともに日本に広がる青空のように、美しい空が一刻も早くウクライナに戻ってくることを願って。

    ▼記事の解説動画はこちら

    IDEAS FOR GOODを運営するHarch株式会社の別メディアでもウクライナ情勢に関する記事を発信しています。ご興味があれば、以下よりご一読ください。

    ウクライナの平和な日常の景色を、今だからこそ想像しよう
    Ukraine in need: 3 things we can do for Ukrainians and ourselves
    ウクライナの危機を前に、いまわたしたちができることを考える
    在日ウクライナ大使館がTwitterで寄付先公表。「日本円で受付はありがたい」「平和のために役立てて」善意続々

    ※1 Musk Activates Starlink Satellites in Response to Ukraine Plea
    ※2 A Blockchain-Based Noah’s Ark Is Being Used To Preserve A Record Of The Ukraine Conflict
    ※3 楽天、自社の「Viber」でウクライナ支援策を展開 三木谷氏「本当に心が痛む」

    【参照サイト】9 Meaningful Ways You Can Help Ukraine
    【参照サイト】RUSSIA-UKRAINE WAR: INFO AND WAYS TO HELP
    【関連記事】「戦争の真実を広めて」ウクライナの会社が350点を超える写真素材を無料公開

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