動く欧州のB Corp。ウクライナの人々に寄り添うアクション続々

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2022年2月24日にロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が始まって12日、現在も各地で激しい攻撃が続けられている。ウクライナ国外へ避難する市民の数は10日近くですでに150万人を超えており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今回の事態を第二次世界大戦後最も速く拡大する難民危機であるとした。

この危機の中で、企業にできることは何だろうか。ヨーロッパのBコーポレーション(以下、Bcorp)が加盟する企業コミュニティ「B Lab Eurupe」は、コミュニティのサイト内にウクライナから避難する人々を助けるために「We are all Interdependent」というページを作り、彼らのアクションをまとめている。

ウェブサイトト画面

#StandWithUkraine ウェブサイト

これによると、ウクライナの隣国ポーランドのローカルチームは、ポーランドに上陸したウクライナ市民を支援するプロジェクトの展開や、法律事務所を通じた専門的な法的支援を行なっている。後者については、移住先で地位や人権問題などに関する法的支援を求める人のために電話番号が記載されているので、ウクライナで危機の只中にある知人や友人を持つ人は、ぜひ彼らにこの情報を伝えて欲しい。

また、「B Lab Eurupe」に加盟する各Bcorp企業のアクションも掲載されている。

たとえば、ホームケア用品を販売するSkandinaviskは、2月の利益の半分近くを、さらにいくつかの商品に関しては売り上げの100%をウクライナに寄付している。フェアトレードコーヒーの会社moyeeも、同じように特定の250gコーヒーの売り上げを全額ウクライナに寄付するキャンペーンを行っている。

検索エンジンのecosiaも加盟する複数の企業によるイニシアチブ「#UNTERKUNFT UKRAINE」では、ウクライナから脱出した人に個人宅の宿泊場所を提供するプロジェクトを行っており、これまでに11万人以上のサポーターが、25万以上のベッドを提供したとしている。

また、「#TechForUkraine」は、ウクライナの非営利組織やウクライナを支援する団体が使用できる、テクノロジーのソリューションを探せるプラットフォームだ。ここでは、ウクライナを支援するために動いている団体が必要とするウェブやモバイルのアプリ、ソフトウェアサービスなどの開発に、申請すれば無料で協力するとしている。ウクライナのために活動する団体とコネクションがある人は、少しでも迅速で効果的な支援が促進されるように、この情報を伝えて欲しい。

さらに、ページにはウクライナの支援を行う非営利団体などが掲載されており、そこから個人が寄付を行うことも可能となっている。(第三者の調査により集められたもので、団体によっては軍への物資供給などを目的とするものもあるため、寄付をする際は個人で慎重に判断して欲しい。)

サイトには今後もコミュニティ加盟企業が起こしたアクションを掲載できるようになっており、ページのトップではBcorp企業へ向けてアクションを促す以下のメッセージが載せられている。

「We call on our B Corp community, partners, and business leaders at large to find ways to care for and support those affected in Ukraine, Russia, and neighboring countries.」
(私たちは、Bcorpのコミュニティ、パートナー、そしてビジネスリーダーたちに対して、ウクライナ、ロシア、そして近隣諸国で被害を受けた人々を気遣い、支援する方法を見出すよう呼びかけます。)

具体的には、ウクライナとロシアの同僚、サプライヤー、パートナーの状況を確認すること、ウクライナ支援に必要な情報を提供し、支援するためのサービスを提供すること、現地で活動する団体に寄付をすること、政府に対して行動を要求すること、国や地域のコミュニティレベルで草の根運動を支援し、市民社会を守ること、信頼できるニュースソースから情報を集めることを勧めている。これらはBcorp企業に限らず、全ての企業や個人にとっても、今求められていることなのではないだろうか。

ウクライナから遠く離れた日本では、彼らに寄り添うアクションの方法は限られると感じるかもしれない。しかし、自分たちにできることは何もないと諦めてしまう前に、自分たちの持つソリューションの価値を改めて評価し、危機の中にある人々を助けるために用いて欲しい。一社では難しくても、上記のBcorp企業のように、数社で協力すればできることもあるだろう。

「#StandWithUkraine」──忙しい日常の中でも、同じ世界に生き、苦しい状況にある人々に寄り添う気持ちを忘れないで生活を送っていきたい。

【参照サイト】We are all Interdependent

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