ブロックチェーンを活用した、新しい人道支援のカタチ

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ビットコインの基幹技術として発明され、世界中で話題を呼んでいるブロックチェーン。金融業界を揺るがす革命的技術として知られているが、それを困っている人の救援活動に応用できたらどうだろう?そう考えたのが、世界5大陸のNGOや基金など42の人道支援団体が参加するネットワーク「Start Network」だ。

彼らは、ブロックチェーン技術を用いた国際送金システムを開発するDisberse社とタッグを組み、「新たな人道支援の仕組み」の創出を目指すという。

従来の人道支援の仕組みは「非効率性」や「不透明性」といった問題を抱えていた。たとえば寄付なら金融機関という仲介者を通す必要があるため、高い手数料を引かれることや、不利な通貨レートにて取引を行わざるを得ないときが多い。着金までに膨大な時間を要することもあるが、その過程を追跡することもできず、必要な人のもとに資金がきちんと届いているのか不透明なのだ。

そこでStart NetworkとDisberseが共同開発したのが、ブロックチェーン技術を用いた人道資金援助のプラットフォームである。

ブロックチェーン技術を利用すれば即時送金が可能であるばかりか、すべての取引履歴を閲覧・追跡できるため、透明性は高い。手数料も低く、ベストな通貨レートを確保できるため、送金コストも最小限に抑えられる。システム上、データ改ざんが極めて難しい仕組みになっているので、高い信頼性が守られる。

さらに、資金がきちんと受け取り手に届いているか、どこかで不正やエラーはないかなど、人の手によって何重ものチェック作業が行われる。まさに安全で人道的なプラットフォームなのだ。

人道支援プラットフォーム

Image via Shutterstock

先月にはオランダからアルバニアへの送金テストを行い、成功を収めた。国際送金が一瞬で実行されただけでなく、着金に至るまでの過程もすべて確認できたという。

今後両者は正式提携に向け、提携団体や対象国などの規模を拡大しながら、さらに大きなプロジェクトに取り組んでいく予定だ。

Start Networkのディレクター、ショーン・ロウリー氏は次のように語る。「今回のテストの成功を通して私たちが世界に証明したのは、人道支援のシステムを変えていく必要があることだけではなく、実際に変えられるということです。このソリューションによって、人道支援に関わるすべての団体の有効性と効率が高まるでしょう。迅速で、透明性が高く、誰に対しても説明責任を果たす。そんな団体のあり方が、今後求められてくるのだと思います。」

ブロックチェーンという、世界を瞬時につなげる最新技術を介して、世界中の人々に援助の手を差し伸べる。そんな未来は、たったいま始まったばかりだ。今後の両者のさらなる関係強化と、それがもたらす社会的価値に期待したい。

【参照サイト】Start Network
【参照サイト】Disberse
【参照サイト】FIRST SUCCESSFUL TEST OF BLOCKCHAIN FOR INTERNATIONAL DISTRIBUTION OF AID FUNDING
(画像:Shutterstockより引用)