「あなたは〇〇になりなさい」
親から、この職業に就きなさいと言われたら、あなたはどう感じるだろう。もしそれが苦手な分野や好きではない領域の職業だったらどうだろうか。
子どもの進む道を親が決めてしまう──そんな問題を抱えているのがインドだ。The Economic Timesによると、インドでは82%の親が子どものキャリア決定に関わっているという(※)。
そんなインドで、子どもたちにあらかじめ決められた職業を強制するのではなく、彼ら自身に眠る本来の可能性に気づいてもらおうとキャンペーンが行われた。菓子・飲料メーカーのキャドバリーが展開する粉末チョコレート飲料ブランド「Bournvita」と、クリエイティブ・エージェンシー「Ogilvy Mumbai」が共同で行った「#FaithNotForce」キャンペーンだ。
こちらのキャンペーンでは、粉末チョコレートの容器を、卵パックやティッシュボックス、ガラスクリーナーのボトル、ケチャップボトル、石鹸箱、クッキングオイルのボトルなどに変更。容器のたどる道を、子どもが本来のポテンシャルに関係なく強制的に将来の職業を決められてしまっている状況になぞらえた。ボトルを手に取る親に、子どもの将来を勝手に決めてしまっていないか考えさせ、本来の可能性について考えさせるのが狙いだ。
キャンペーン動画内では、普段と違うパッケージを戸惑いながらも手に取り、裏面に書かれたキャンペーンメッセージを真剣に見つめる親たちの姿が映し出されている。
チョコレート粉末がガラスクリーナーのボトルや卵パックに詰められている様子は、やはりどこかちぐはぐに思える。同じように、自分に合わない道を歩くことは、どこかぎこちなく感じられる。チョコレート粉末にはチョコレート粉末に合った容器があるように、人間にも自分に合った道がある。全ての人が自分らしい道を選択できる世の中になることを願ってやまない。
※ ‘82% Indian parents involved in deciding child’s career’(The Economic Times)
【参照サイト】Bournvita sends a message to parents with ‘forced packs’ this Children’s Day(e4m)