1995年には食品廃棄物のリサイクル率が2%だったが、2019年には95%もリサイクルされるようになった韓国(※1)。そんな同国のリサイクル対策から、私たちは何を学べるだろうか。
Did you know in #SouthKorea every piece of #foodwaste has to be recycled?
🎥Watch to find out more how the country is tackling this global issue👇 pic.twitter.com/eQyuAdhqGF
— Food and Agriculture Organization (@FAO) September 13, 2019
韓国は2005年に、食品廃棄物を埋め立てることを禁止した。さらに2013年には、食品廃棄物に含まれる水分を海に流すことを禁止。また、堆肥化の推進計画のもと、人々は専用の黄色い袋に食品廃棄物を入れて、ごみに出すことが義務付けられた。
黄色い袋は有料で、3リットルの袋は1枚300ウォン(約30円)かかる。袋の販売で得られた収益は、食品廃棄物の運搬費に充てるという。水分を多く含む食品廃棄物は重く、運搬費がかさみがちだ。袋を有料にすることで、人々がその費用の一部を負担できるようにしている。
集合住宅などには、食品廃棄物の重量に応じて課金する機械が設置されている。その場合は黄色い袋を使わず、機械でカードを読み取って手数料を支払う。人々は、食品廃棄物の重量を減らすために、水分を絞ってからごみに出している。
こうして回収した食品廃棄物から、堆肥や飼料を製造。リサイクル率の向上につながっているが、リサイクルをめぐる課題は残っているという。
たとえば、鳥インフルエンザやアフリカ豚熱といった、家畜の病気が発生したことにより、食品廃棄物から飼料を作る動きが弱まった。また、政府が堆肥を無償提供しているが、それでも堆肥の受け取り手が少ないという課題がある。
このような状況の中、「公園で堆肥を使うなど、公共調達を推進するべき」「人々が自分で堆肥を作り、都市農業で活用するべき」といった意見が出ている。リサイクルするより先に、食品廃棄物を削減するために何ができるか、考えることも大切だ。
食品廃棄物のリサイクルで大きな成果を出し、循環型社会の実現に向けて試行錯誤を続ける韓国。日本で人気の韓国料理を食べるとき、そんな隣国の取り組みを思い出してみてはどうだろうか。
※1 South Korea once recycled 2% of its food waste. Now it recycles 95% | World Economic Forum
【参照サイト】South Korea has almost zero food waste. Here’s what the US can learn | Environment | The Guardian
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