オランダ政府がハッキングの危険性を伝える「不要なクリスマスカード」作戦

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「サイバー攻撃」「ハッキング」と聞くと、政府や企業が狙われるイメージがあるのではないだろうか。

だが、実はスマートフォンやスマートスピーカーなど、家庭に置いているスマートデバイスも攻撃される可能性がある。

オランダ統計局によると、同国では12歳以上の人の80%以上が、自宅にスマートデバイスを置いているという(※1)。経済・気候政策省は、こういったスマートデバイスをアップデートしてサイバー攻撃から身を守るよう伝えるため、ユニークなクリスマスキャンペーンを実施した。

2022年のクリスマス、同省と手を組んだ「エシカルハッカー」が、さまざまな家庭のネットワークへの侵入を試みた。侵入に成功したら、その家庭のプリンターでクリスマスカードが印刷されるよう遠隔操作。プリンターが突然動くのを見た人々は、驚きに包まれた。

キャンペーン名は「The Unwanted Christmas Card(望んでないクリスマスカード)」。人々は事前に、自宅のネットワークセキュリティをチェックしてもらうことは許可していたが、ハッカーからお祝いの言葉を受け取るとは、想像していなかっただろう。

その後、ハッカーが家庭を訪問して種明かし。人々はクリスマスカードを壁に飾るなどして、聖なる日に彩りを添えた。

家庭のスマートデバイスも容易に攻撃されることを実感してもらい、定期的なアップデートを促す、遊び心に富んだキャンペーンだ。

キャンペーンに関わったハッカーは、Little Black Bookの取材に対し、「全てのアップデートを完了している人もいて、その場合は、ネットワークに侵入してクリスマスカードを印刷することができませんでした。企業でも家庭でも、定期的なアップデートが大切です」と話している。

ハッカーの言葉を胸に刻み、あなたもテレビやスピーカーなど、スマートデバイスのアップデートを確認してみてはどうだろうか。

※1 Steeds meer Nederlanders gebruiken slimme apparaten
【参照サイト】Hacker Delivers ‘Unwanted Christmas Cards’ to Highlight the Importance of Updating Smart Devices
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