スウェーデン流、自然の楽しみ方「ヨークオッタ」とは?

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※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Livhub」からの転載記事となります。

透明感のある風が流れ木々を揺らし、柔らかく砕けるような音色を奏でながら、首元に触れる。

緑の中に佇み、自然と目を閉じて深呼吸をしていると、胸の鼓動が一定のリズムでゆっくりと身体全体に響くのを感じる。

コロナ禍では、感染が拡大しにくい登山やグランピングなど自然レジャーが脚光を浴びた。パンデミックという有事でいや応なくソーシャルディスタンス(社会的距離)が普及し、「巣籠もり」のはずが知らず知らずの間に「引きこもり」になっていたなんていう人もいるだろう。そんなメンタルヘルス危機の時、自然は人の心を癒やしてくれるかけがえのない存在だということを再認識させられた。

豊かな自然の中で幸福度の高い先進的な市民生活が営まれていることで有名なスウェーデンには「ヨークオッタ(Gökotta)」という概念がある。この一語には「屋外で夜明けの静寂と自然美を感じて鳥のさえずりを聴く」という意味が含まれている。

ヨークオッタ

地域によっては、キリスト教の昇天祭に野に出て、カッコウなどの野鳥が春、最初に鳴く声を聴くという風習が今も残っている。

「ヨークオッタ」を日本で身近なものに例えるなら「禅寺での瞑想」のようなものだろう。仏教は、人と自然の調和を説いている。

また、日本には「森林浴」という言葉も存在する。最近ではこの言葉は、「forest-bathing/shinrin-yoku」として海外にも輸出され、親しむ国も増えてきた。

研究の結果、自然環境に身を置くことでストレスレベルが下がり、心理的ウェルビーイングを改善する効果もあるということもわかっている(※1)。遡ること1859年には、医療衛生改革に多大な貢献をしたフローレンス・ナイチンゲールが自然の治癒力に注目した。

自然の木々

人類の歴史において都市化が急速に進んだのはこの2世紀ほどで、それ以前の長い長い時間、大多数の人々は自然に囲まれて暮らしてきた。自然に癒されるというのは、人間の根本にある万国共通の特徴なのだろう。

太陽が昇る中、自然のなかに繰り出して、静寂と鳥たちのさえずりを聴く。スウェーデン流の自然のたしなみ方「ヨークオッタ」。 明日の朝にでも試してみては?

※1 Bio Sience/Doses of Neighborhood Nature: The Benefits for Mental Health of Living with Nature

【参照サイト】Gökotta: How to experience nature the Swedish way
【参照サイト】The Swedish concept of gökotta – listen to the morning birdsong
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