社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、「孫のために」気候変動アクションをする高齢者が増えていることや、ニュージーランドでは無償で薬が手に入るようになったことなどをご紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. ムール貝の糞が、海からマイクロプラスチックを取り除くカギとなる！？

海洋汚染の解決に向けて、ムール貝に注目が集まっている。科学誌Journal of Hazardous Materialsに2023年7月に掲載された論文によると、ムール貝の一種であるイガイの糞が、海に漂うマイクロプラスチックの汚染の除去に役立つかもしれないのだ。

【参照サイト】Mussel power: Scoping a nature-based solution to microplastic debris

02. 「ライフスタイルを8週間改善すれば、3歳若返る」新たな研究

アメリカ国立医学図書館のウェブサイトに掲載された新たな論文によると、8週間のライフスタイル変化が体の年齢を3歳分若返らせることを実証されたという。

研究に参加した人々は、食事改善、運動、ストレス管理などの変化を行った。その結果、彼らの体内のバイオマーカーが若返り、生物年齢が3歳ほど若くなったという驚きの結果が出た。この研究は、私たちのライフスタイルが実際に健康と寿命にどれほど影響を与えるのかを示している。これは、私たちが自分自身の健康に積極的に取り組むことで、より充実した人生を送ることができる可能性を示唆している。

【参照サイト】Potential reversal of epigenetic age using a diet and lifestyle intervention: a pilot randomized clinical trial

03. 米バイデン大統領、地方のインターネット格差解消に大きな一歩

アメリカのバイデン大統領が、国内の農村地域で高速インターネットの普及を促進するために10億ドルを投じるとの計画を発表した。

この計画は、地方部におけるインターネットアクセスの格差を解消し、デジタル格差を縮小することを目指している。地方部では、高速インターネットへのアクセスが不足しており、教育やビジネスの機会が限られていたためだ。バイデン政権は、この問題に取り組むことで、地方コミュニティの発展を促進し、公平なデジタル環境を実現する意欲を示している。

【参照サイト】Biden White House to spend nearly $1 billion on rural, high-speed internet access

04. エストニア、同性婚を合法化する国に仲間入り

バルト三国のうちの一つ、エストニアが同性婚を合法化する歴史的な決定を下した。これにより、同性で結婚するカップルは、異性婚と同じ法的な権利と保護を享受することができるようになった。

世界で同性婚ができるのは、30か国以上。エストニアを含めた欧州と、北中南米が中心的だ。この決定は、エストニアの多様性と包括性を尊重する社会を表しており、LGBTQ+コミュニティの人々の平等な権利を認める重要な一歩となるだろう。

【参照サイト】Historic decision: Estonia legalizes same-sex marriage

05. ドイツ、世界中のホロコースト生存者に10億ドル以上を支払いへ

ドイツは2024年に、過去にナチスドイツが行ったホロコーストの生存者に、10億ドル（1,416億8,000万円相当）以上を支払う予定だ。この決定は、ナチスドイツの迫害を生き延びた人々の長年の要求に応えるものであり、彼らが受けた苦難と損失の補償を意味する。

この支援により、生存者やその家族には経済的な援助が提供される予定であり、彼らの体験が認められ、心の傷が癒やされ、尊厳が回復する機会を得ることができるのだ。この支払いは、ホロコーストの過去を忘れず、その記憶を将来の世代に伝えるための重要な一歩となるだろう。

【参照サイト】Germany will pay Holocaust survivors across the world over $1 billion in 2024