【2023年4月】「人間は、人助けが好き」ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース5選

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、ロンドンで自転車利用者の数が車を上回ったことや、スペインでますます政治・経済分野のジェンダーの公平性が重視されるようになってきたことなどをご紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 手付かずの深海のサンゴ礁には、生命が満ちていた

ガーディアン紙は4月18日、科学者たちがガラパゴス諸島周辺の深海(水深600 メートル)で、未開の生物が豊富なサンゴ礁を発見したことを報道した。このサンゴ礁は、これまで人間の手が及んでいない極めて貴重な生態系を持っているという。

この発見は、記録的な海面水温と海洋酸性化にもかかわらずサンゴ礁が繁栄できるという発見でもあり、海洋保護区の重要性を再認識させるものであった。今後は、このような貴重な生態系を保護するための取り組みがますます求められることだろう。

【参照サイト】Scientists discover pristine deep-sea Galápagos reef ‘teeming with life’

02. セーヌ川、2024年のパリオリンピックに向けて浄化へ

2024年に開催されるパリオリンピックまであと1年余り。市内でも、水泳競技が行われるセーヌ川に注目が集まっている。現在、高レベルのバクテリアや大腸菌、汚染のため、セーヌ川での遊泳は禁止されているが、そんなセーヌ川が綺麗になろうとしているのだ。

パリ市は14億ユーロの投資を行った上で、川に浄化ステーションを設置し、そこに水が流れ込むようにするポンプのシステムを設計するという。2025年には遊泳も許可する方向で進んでいるなか、パリジャンたちが、ついに澄んだセーヌ川を見られるようになるかもしれない。

【参照サイト】Swim the Seine: Paris plans river cleanup ahead of 2024 Olympics

03. 男性用避妊ピルが現実のものになるか

女性用ではなく、男性用のピルがいよいよ現実化か。ワシントン州立大学の研究者たちが、哺乳類のDNAおよびタンパク質の配列に関する研究をするなかで、人間を含む哺乳類の一時的な避妊に有効な遺伝子を発見した。

これは、ホルモンの減少などの副作用がない男性用避妊薬の開発の突破口となるかもしれないとしている。これにより、避妊において女性の体に負担をかける方法ではない選択肢が増えていくことが予測される。今後の研究と試験によって、この革新的な避妊薬が市場に投入されることが待ち望まれている。

【参照サイト】Contraceptive Pill for Men Nears Reality After Major Breakthrough

04. 「人間は、人助けが好き」シドニー大学が発表

私たちは、人を嫌うこともあれど、なんだかんだ他の人を助けるのが好き。そんな研究結果を、シドニー大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授らが共同で発表した。

研究範囲は、イギリスからイタリア、ポーランド、ロシアの小さな町、エクアドル、ガーナ、ラオス、そしてオーストラリア全土の先住民の村まで。ここでは、平均して2分17秒に1回、人は他の人に対して「助けようとする(皿を手渡したりなど)」ことがわかった。このささやかなサポート行為は、断られるよりも7倍多く応じられるという結果が出た。

どこの場所で実験をしても、文化が違っても、人々は必要に応じて他人を助けているのだ。

【参照サイト】Study shows humans around the world like to help

05. シンガポール男性、8か月の旅の末に第二次大戦の遺物を元の所有者に返還

シンガポールの映画監督である39歳のウェズリー・アルーゾ氏が、ヴィンテージアイテムを集めている最中に、第二次世界大戦の遺物を発見したことから旅は始まった。当時の切手やポストカード、記事の端切れを入手したのである。

リサーチの結果、それがナチスドイツの支配の前に使用されていたものであると確認。当時使っていた人に返したいと思い、インド洋を横断することを決意した。そして長い旅の末に、元の所有者であるヴォルフガング・ヴォルダマー兄弟の子孫に返還できたのだ。

アルーゾ氏がなぜそこまでして返還したいと思ったのか。ひとえに「こだわりだった」と彼は語っているが、なんだかロマンに溢れた実話である。

【参照サイト】S’porean man, 39, travels 6,517 km to return WWII artefacts to original owners after 8-month search

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