“学費が存在しない”タイの学校「ミーチャイ・バンブー・スクール」

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社会人の学び直しや、生涯学習も注目される昨今。これからの学校教育は、どうあるべきだろうか。タイ・ブリーラム県にある中学・高校の取り組みから、ヒントを得られるかもしれない。

全寮制の学校である「Mechai Bamboo School(ミーチャイ・バンブー・スクール)」には、何と学費が存在しないという。生徒と保護者は、学費を納めるのではなく、協力して毎年800時間の社会活動を行うことと、800本の木を植えることが求められる。

社会活動の例としては、小さい子どもたちに向けて授業を行ったり、農作業をしたり、高齢者の家を訪問して掃除を手伝ったりすることが挙げられる。生徒は、教室の中で英語や数学などを学び、教室の外では、こうして異なる種類の学びを得ている。

さらにユニークなのは、Mechai Bamboo Schoolで学べるのが若い人だけではない点だ。年齢を問わず、地元の人がやって来て、料理、執筆、法律、安全な性行為など、好きなことを学べるという。高齢者の人が来て、若い人と一緒に、運動や健康について学ぶこともある。同校は、学校を型にはめて考えず、とても柔らかく捉えているように感じる。

こうした仕組みを取り入れている背景には、「学校で読み書きや計算に加えて、生活スキルや職業スキルも学べるよう、教育のあり方を変えたい」「学校を、若い人だけに向けた場所から、あらゆる年齢の人に向けた生涯学習センターに変えたい」という想いがあるそうだ。

同校の目標は、誠実で、分かち合う心を持ち、男女平等を実践する、良き市民を育てること。ここで学んだ生徒が、ゆくゆくはコミュニティのリーダーや社会起業家になることを視野に入れ、生徒が学校の運営やビジネスに携わる機会も設けているという。

Mechai Bamboo Schoolの取り組みは、教育を受けることと働くこと、学生と社会人という境界を曖昧にしていくようにも見える。そもそも明確な境界が必要なのか、考えてみても良いかもしれない。

【参照サイト】โรงเรียน มีชัยพัฒนา
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