ロードアイランド州で法制化された、全米初「更年期」への職場配慮とは

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なんだか疲れっぽい、イライラする、動悸やめまいがある、のぼせたり顔がほてったりする……こうした症状は、更年期(閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間)を迎えた女性の多くに現れるものだ。これは、女性ホルモンが大きく減少することで起こるもので、症状の程度には個人差があるが、重い場合は日常生活に支障を及ぼすこともある。

特に職場においては、こうした更年期症状が大きな障害となる場合も多い。更年期は「個人的な問題」として扱われがちであり、それを理由に休んだりペースダウンしたりするのは、自己管理ができていないせいだとみなされることもあるからだ。

そうした背景があるなか、アメリカのロードアイランド州は、全米で初めて、更年期を経験する従業員への配慮を雇用主に義務付ける法律を制定した。

この新しい法律は、既存の「公正雇用慣行法」を改正するもので、2025年6月24日から施行されている。これまで同法は妊娠や出産に関連する状態への配慮を雇用主に求めてきたが、今回新たに「更年期」がその対象に追加された。これにより雇用主は、ホットフラッシュ(突然のほてり・のぼせ・発汗症状)といった代表的な症状を含む、更年期に関連する症状を経験する従業員に対して「合理的配慮」を提供することが法的に義務付けられる。

ただ、問題も残されている。一般的に「女性の問題」と捉えられがちな更年期だが、実際にはトランスジェンダー、ノンバイナリーなど、卵巣を持つすべての人に関わるものだ。セクシュアルマイノリティの人々への対応については明言されていないため、今後の動きが注目される。

更年期は、人が生きる中で通過する自然なライフステージの一つであるはずだ。ロードアイランド州のこの取り組みは、これまで見過ごされてきたこの事実に光を当てた。すべての人が人生のあらゆる段階で自分らしく生きられるように、こうして「隠れた痛み」が一つ一つ紐解かれていくのだろう。

【参照サイト】The Menopause Law That Could Change Your Workplace Forever
【参照サイト】Why Is No One Talking About Rhode Island’s New Menopause Law?

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