もっと効率よく。もっと早く解決策を──そんな言葉に急かされる毎日の中で、ふと「自分は本当はどう生きたいのか?」と立ち止まることはないだろうか。
世の中が決めた「正解らしき生き方」に自分を合わせようとするほど、内側の小さな違和感や、割り切れない感情は置き去りになっていく。
そんな現代の生きづらさの根っこを見つめ続けてきたのが、岐阜県郡上市の集落・石徹白(いとしろ)に拠点を置く「あわ居」。彼らは、2026年4月から、半年間かけてじっくりと、自分の人生のハンドルを自分に取り戻すための学びの場「生(せい)のスコーレ」を開始する。

「スコーレ(skole)」とは、デンマーク語で学校を意味する言葉だ。しかしここは、単なるスキル習得の場ではない。「早く正解を」という日常のプレッシャーから一旦離れ、内側に生じる「揺らぎ」をじっくりと味わう。一人ひとりが「どう生き、他者とどう関わるか」という答えのない問いに腰を据えて向き合い、自分なりの実践(アクション)を紡ぎ出すための場所だ。
「効率」から離れ、自分の「ゆらぎ」を味わう
プログラムの大きな特徴は、多岐にわたる分野の視点から「生」を捉え直すことにある。ケア・アート・マイノリティ・人類学・ジェンダー・障害などの分野の最前線で活動する講師陣が、私たちが無意識に縛られている「こうあるべき」という固定観念を、心地よく解きほぐしてくれる。知識を増やすことではなく、世界を見る「レンズ」を増やす──そんな体験となるだろう。

牧野篤氏(東京大学名誉教授・大正大学教授)、村上靖彦氏(大阪大学教授)、山内裕氏(京都大学大学院教授)をはじめとする多様な講師陣が講義を行う
オンデマンド講義(録画講義でいつでも視聴可能)で自分のペースで学ぶプログラムの中でも、大切にされるのが講義後の「対話」や「省察」の時間だ。毎回の振り返りのワークシートや仲間とのダイアログ、パーソナルセッション、レポートの執筆などを通して、各講義をきっかけに生じた個々の問いや興味の広がりに深くアクセスし、より深い学びにつなげていく。一人の学びの時間だけでなく、仲間と出会い、協働的に問いを深めていく時間となるだろう。
さらに、希望者が参加できる岐阜県郡上市・あわ居での2泊3日のフィールドワークでは、人類学者の松嶋健氏、地域再生に取り組む平野彰秀氏らと共に、石徹白という土地の風土に触れ、そこで暮らす人々の営みと交わる。スマホの画面越しでは得られない、身体を通した「生きる場」の体験は、頭でっかちになりがちな思考をほぐし、明日からの日常を変える確かな手応えを与えてくれるはずだ。

推定樹齢1800年の石徹白(いとしろ)の大杉。フィールドワーク3日目の朝に訪れる予定。
既存のルールや効率では測れない「いい意味での違和感」を大切に扱うことで、埋没していた自分本来の感覚が生き生きと蘇り始める。社会をより良くしたいと願うとき、まず向き合うべきは、自分自身の「生の在り方」そのものかもしれない。2026年の春、一度立ち止まって、自分だけの「生きることの旅」を始めてみてはどうだろうか。
主催者からのメッセージ

あわ居の岩瀬崇さん・美佳子さん/ ©yoshito hori
「生のスコーレ」では、各領域の第一線で活躍する講師陣から「生」について多角的に学ぶことを起点にしながら、これまでの価値観を良い意味で一旦中断し、ご自身の生き方や実践について真摯に向き合い、問い直す、そんな時間や空間をつくることに主眼を置いています。
万人にとってまったく同様の「生」の有り様というものはおそらくなく、個々それぞれの「生」に対する単純明瞭な解答や道筋が、どこかに用意されているということもまたありえません。あくまでも「生」は、自己の身体と向き合うことや、他者や環境との関わり合うことをいつでも継続/刷新しながら、主体的に、あるいは集合的に築き上げていく必要がある。そのように私たちは考えています。
そんな「生」の探究の過程において、本プログラムがなんらか寄与することがあれば何よりです。皆さまと学びの場をご一緒できることを、心より楽しみにしております。
こんな方におすすめ
- 自分の生き方を問い直したい人
- オルタナティヴな生き方や働き方に関心がある人
- 自身を活かした働き方を深めていきたい人
- 人生の過渡期にあり、他者や社会との関わり方を再構築したい人
- 他者とのかかわりについて深く考えたい人
- 多様な視点から“生”を探究したい人
- 自らの表現や実践をより深めていきたい人
- 自身で表現や活動をはじめていきたいと思っている人
プログラム概要
- 開催期間:2026年4月〜10月(全16回・約半年間)
- 費用:88,000円
- 定員:20名
- 形式:オンデマンド講義(メイン)、ダイアローグ、パーソナルセッション等
- オプション:フィールドワーク「生きる場としての地域を考える2泊3日」(9月4~6日@あわ居)
- 締め切り:2026年3月8日(日)22時
- 詳細・申し込み:ウェブサイトにて
- 主催:あわ居

各講義はオンデマンド配信(録画講義でいつでも視聴可能)。自身のライフスタイルに合わせた受講が可能だ。
【参照サイト】生のスコーレ特設ページ
【参照サイト】あわ居






