成長なき豊かさに「憧れる」ことはできるのか?
サステナビリティを「システム移行」へアップデートする
〜欧州サステナビリティ最前線。パリ・ChangeNOW報告会〜
2026年4月。世界最大級のポジティブ・インパクト・サミット「ChangeNOW」の会場であるパリは、熱狂に包まれていました。
私たちがこれまで信じてきた、環境負荷と経済成長を切り離すデカップリングを意味する「グリーン成長」という言葉を、経済学者ティモシー・パリック氏はこう断言しました。
「それは不具合(バグ)ではない。詐欺(Scam)だ」と。
現在、多くの企業が「成長を止めずにサステナブルであること」を目指しています。しかし、効率化や技術革新だけで地球の限界を突破しようとする試みは、もはや限界を迎えています。私たちが追い求めてきた「無限の成長」という前提そのものが、実は環境破壊を加速させ、社会の歪みを生んでいるのではないか? という本質的な問いが、今、ヨーロッパのビジネスの最前線で突きつけられています。
ヨーロッパだけでなく、今世界が直面しているウクライナ戦争やイラン攻撃による資源の制約、そしてエネルギー安全保障への強い危機感。それらが問いかけているのは、「他国の資源を吸い上げ続けることで成り立つ成長」が、いかに脆く、そして紛争と気候危機の火種になっているかという現実でもあります。
今求められているのは、ビジネスの、そして社会の構造そのものを入れ替える「システム移行」──欧州条約の中に「充足(Sufficiency)」を義務づけ、資源輸入への依存を断ち切ることで戦略的自律を目指す法的な動き。自然を重要インフラへと価格是正する投資モデル。そして、危機感ではなく、未来への憧れで社会を動かすイマジネーションの力。
「成長を前提としない社会で、私たちはどう豊かに生きるのか?」
今回の報告会では、現地パリで時代の風向きが変わりつつあることを肌で感じたハーチ欧州・IDEAS FOR GOOD編集部チームが、最新のサステナビリティ動向をレポートするとともに、私たちがこれから描くべき「新しい豊かさの定義」について、皆さんと共に探求します。「成長を前提としない」ことが、欧州のビジネスリーダーたちにとってどのように現実的な経営課題として捉えられているのか、そのリアルを共有します。

Image via ChangeNOW | Photo by francois_durand
イベントの概要
- 日程:2026年5月21日(木)
- 時間:18:00〜19:00(Zoomオープン:17:50)
- 会場:Zoomにて
- 参加費:1,000円
- 申し込み:Peatixよりお申し込みください
- 主催:IDEAS FOR GOOD
※イベント終了後、アーカイブ動画もお届けします。
当日の流れ(60分)
18:00〜18:05:オープニング・IDEAS FOR GOOD/ハーチ欧州の紹介
18:05〜18:40:ChangeNOW 2026の全体像と、2025年からの変化。注目キーワードと、最先端事例の紹介
18:40〜18:55:【クロストーク】日本で「新しい豊かさ」をどう実装するか?
18:55〜20:00:クロージング
当日のディスカッションテーマ
- サーキュラーエコノミー 2.0:改善の先にある、資源を循環させ続ける「システム移行」としてのビジネスモデル
- 脱成長の経営戦略: 「成長し続けなければならない」という呪縛を解き、プラネタリー・バウンダリー内で付加価値を生み出す方法
- AIは誰のためにあるのか?:AIと気候変動、AI倫理
- 充足(Sufficiency)の美学:消費を減らすことが「豊かさ」に直結する仕組み
- リミタリアニズム(限界主義): 富の上限と下限を設定し、公共の富(コモンズ)を再構築
- ポストワーク(労働の解放): 誰かをお金持ちにするための時間から、ケアと自律のための時間へ
- 複合的危機への「適応」と「政治」:戦争、エネルギー危機、異常気象が重なるポリクライシス(複合危機)下での、都市や国家の生存戦略
こんな方におすすめ
- SDGsの「その先」にある、持続可能なビジネスモデルを模索している事業会社のサステナビリティ担当者・経営企画
- 成長に頼らない地域経済の循環や「充足(Sufficiency)」の概念を施策に活かしたい自治体・まちづくり関係者
- 欧州の最新の経済思想やソーシャルイノベーションに興味がある方
- 「サステナビリティ」の価値観をアップデートしたい方
スピーカーの紹介
伊藤恵(IDEAS FOR GOOD編集部、イギリス在住)
ハーチ欧州英国支部。ロンドン在住。一橋大学社会学研究科修了。学生時代は東京・シンガポール・香港などアジアのグローバルシティの公共空間・緑化空間について研究し、その後オフィスのインテリアデザインを手掛ける企業にてプロジェクトマネジメントに携わる。現在はIDEAS FOR GOODでのライティング・編集ほか、欧州現地でのリサーチ・プロダクト制作に取り組む。
富山 恵梨香(IDEAS FOR GOOD編集部、フランス在住)
2018年ハーチ株式会社に入社、IDEAS FOR GOODで国内外の社会的企業への取材や記事の企画などを行う。IDEAS FOR GOOD Business Design Labでは、展示や国内向け記事広告を担当。ハーチ欧州では、国際会議への参加やリサーチやイベント、教育事業などに取り組む。関心テーマは、ウェルビーイングを実現する新しい経済のあり方。
木原 優佳/ファシリテーター(IDEAS FOR GOOD編集部)
大学ではメディア文化を専攻。政治、広告からおもちゃ、ファッションまで幅広い題材を通して意味の形成過程やモノの見方について学ぶ。考え方を変えられることは人間の最強の武器だと思っており、新しいアイディアや発想の仕方に触れるのが好き。
主催:ハーチ株式会社
Publishing a better futureをミッションに、社会をもっとよくするアイデアを集めたマガジン「IDEAS FOR GOOD」、企業のサステナビリティ・サーキュラーエコノミーシフトを支援する「IDEAS FOR GOOD Business Design Lab」、サーキュラーエコノミー専門メディア「Circular Economy Hub」等を展開。
URL:https://harch.jp/
URL:https://ideasforgood.jp/











