【8/5開催】「公共」は、もっと面白くできる。ベルリン発・行政×創造性の祭典「Creative Bureaucracy Festival 2025」報告会

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公共とは、誰のものなのでしょうか。

気候危機、経済格差、社会の分断──こうした複雑かつ多層的な課題を前に、私たちは今、個々の努力や企業の取り組みだけでは乗り越えられない壁に直面しています。本当に持続可能な未来をつくるには、社会の“しくみ”そのものを見直し、再設計していく視点が欠かせません。

持続可能性をめぐる議論は、エネルギーや交通、教育、福祉といった「インフラ」の在り方を問い直すところから始まるかもしれません。それは単に効率的な再構築を意味するのではなく、誰ひとり取り残されない形で、社会の基盤を再編していくプロセスでもあります。すなわち、公正な移行(Just Transition)をどう実現するかという問いが、いま各地で突きつけられているのです。

そのカギを握るのが、「公共」という土台。

けれど、「公共」と聞くと、どうしても国や自治体といった“遠くの存在”を思い浮かべてしまいがちではないでしょうか。しかし本来、公共は“誰かのもの”ではなく、私たち一人ひとりが関わり、育てていくべきもの。変化の激しいこの時代においては、固定化された制度や権限を超え、「公共とは何か」「誰と、どのように創っていくのか」が、改めて私たち自身に投げかけられています。

そんな公共の可能性を探る場として、ドイツ・ベルリンで毎年開催されるイベント「Creative Bureaucracy Festival(クリエイティブ・ビューロクラシー・フェスティバル)」があります。2025年も、現地とオンラインで大きな盛り上がりを見せた本イベント。公務員や政策立案者、市民、NPO、デザイナー、研究者など多様な人々が集まり、「行政」と「創造性」という、一見かけ離れて見えるものを掛け合わせながら、公共のあり方を再考する実践と対話が各所で繰り広げられました。

「官僚主義」に創造性を。新しい公共を描く、ドイツのCreative Bureaucracy Festivalとは?

現地で実際にイベントに参加したIDEAS FOR GOOD編集部は、この学びを皆さまと共有するため、オンライン報告イベントを開催します。ゲストには、2025年の本フェスティバルに登壇・審査員も務め、デジタルガバメントを推進する最前線で「サービスデザイン」の導入をリードする増田睦子さんをお迎えします。ベルリンで感じた世界の潮流、日本と欧州の「公共」の捉え方の違い、そして「ひらかれた行政」について深掘りします。

「市民が主役になる公共とは?」「官と民のコラボレーションはどう進める?」「想像力のある官僚はどう育つのか?」といった問いに関心のある方々におすすめのイベントです。ぜひご参加ください。

イベントの概要

  • 日程:2025年8月5日(火)
  • 時間:19:00〜20:15(Zoomオープン:18:50)
  • 会場:Zoomにて
  • 参加費:2,000円
  • 申し込み:Peatixよりお申し込みください
  • 主催:IDEAS FOR GOOD

スピーカーのご紹介

増田睦子さん(Creative Bureaucracy International Jury/一般社団法人行政情報システム研究所 首席研究員/デジタル庁Head of Intelligence Research)

大学卒業後、外資系出版社で編集者として英米のカルチャー誌に携わる。その後、大手外資コングロマリットで広報職、国内最大規模の医学系学術学会広報職を経て現職。特許庁「デザイン経営」、経済産業省「Japan+D」のリサーチや教育機関や行政機関でのデザインワークショップを担当。オードリー・タン氏をはじめとする世界のデジタルリーダーとの共同イベントの企画、運営、各国におけるデジタルガバメントやデザイン政策動向を調査し発信している。Creative Bureaucracy Festival 国際審査員。英国に本拠地をおく行政官コミュニティApoliticalが選ぶ「Government AI 100」2025年版 、デジタルガバメントを中心にしたメディアGovInsiderが選ぶ「Women in GovTech 2025」に日本人として初めて選ばれる。

富山恵梨香(IDEAS FOR GOOD編集部)

2018年ハーチ株式会社に入社、IDEAS FOR GOODで国内外の社会的企業への取材や記事の企画などを行う。IDEAS FOR GOOD Business Design Labでは、展示や国内向け記事広告を担当。ハーチ欧州では、国際会議への参加やリサーチやイベント、教育事業などに取り組む。関心テーマは、ウェルビーイングを実現する新しい経済のあり方。

伊藤恵(ハーチ欧州 責任者)

ハーチ欧州英国支部。ロンドン在住。一橋大学社会学研究科修了。学生時代は東京・シンガポール・香港などアジアのグローバルシティの公共空間・緑化空間について研究し、その後オフィスのインテリアデザインを手掛ける企業にてプロジェクトマネジメントに携わる。現在はIDEAS FOR GOODでのライティング・編集ほか、欧州現地でのリサーチ・プロダクト制作に取り組む。

当日の流れ

19:00 オープニング
19:05 Creative Bureaucracy Festivalとは?編集部からの報告(10分)
19:15 なぜ「創造性」が官僚に求められるのか?どうすれば「ひらかれた行政」は作れるのか?世界・日本のサービスデザイン最前線(15分)
19:30 パネルディスカッション・質疑応答(30分)
20:00 クロージング・お知らせ・終了

こんな方におすすめ

  • まちづくりや地域ビジネスに携わっている方
  • 人間中心設計やサービスデザインを公共領域で活かしたい方
  • 欧州の行政・政策デザインの先進事例を知りたい方
  • デジタル技術と公共の関係に興味がある方

当日のトピック・キーワード

  • 日本と世界の「公共」の違いとは?
  • 欧州(特にドイツ・北欧)における行政のオープン性や参加のデザイン
  • 日本における「公共」観との比較
  • そこから見えてくる「今、日本で育てるべき公共」とは?
  • 共創・市民参加・公民連携といったアプローチの可能性
  • 市民の創造性は、どうすれば社会を動かす力になるか?

関連キーワード

  • Human-Centered Design(人間中心設計)
  • Policy Design(政策デザイン)
  • Public Innovation(公共イノベーション)
  • Service Design for Government
  • 公共×デザイン
  • コモンズ
  • 公民連携 / 市民参加型ガバナンス
  • ケアと公共性

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