【9/13-15開催】エコロジカルな時代における体験デザインの可能性を探った7ヶ月。SXD Lab最終展示&トークセッション

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一人ひとりの暮らしや行動の変容を生み出す、体験デザインの可能性探る「Sustainable Experience Design Lab(SXD Lab)」は、2025年3月から7ヶ月間にわたり行ってきた探索の展示を行います。

2025年9月13日(土)から9月15日(月・祝)で開催する展示の初日には、探索メンバー在廊のうえ、プログラム講師陣をメインスピーカーにトークセッションや、体験可能なワークショップも数点開催予定です。

「応答」 ー 複数の世界との関係性の再構築 ー

「世界と応答することは、それを記述することでも、表現することでもなく、“応えること”である」(Ingold&Gatt, 2013)

人類学者ティム・インゴルドは、「 つくること(Making)は観察とは異なる仕方で対象を知る方法であり、対象と主体が互いの自律性を保ちながら相互に運動を及ぼし合うことを“応答(Correspondence)”と呼ぶ」と述べています(※)

今回、SXD Labでは、自分の内にあるものから探索をはじめることを大切にしつつ、同時に“体験デザイン”という形を通じて、それぞれが見ている世界を外にひらくことを試みました。

思考や身体、またそれにとどまらない精神的な位相での探索。

自分とは異なる環世界を持つ他者や、多様な種、場や景色との応答。

さまざまな世界、複数のレイヤーを行き来しながら、矛盾や複雑さをあえて両手に抱えつつ、それぞれが持つ願いを結晶化していく。

一見、遠回りに見えるかもしれない。けれども、そうした動的な探索のあり方こそが、私を、あなたを、そしてこの世界を変容させることにつながるのかもしれません。

今回の展示では、そうしたクリエイティブ・カオスに満ちた探索の一端を、来場者の方々とともに分かち合う場とできればと考えています。

さらにトークセッションでは、「複数の世界との関係性の再構築 ― SXDの輪郭を探る ―」をテーマに、SXD Labの講師陣を中心にこれまでの探索を振り返り、深めるとともに、改めて、これからのエコロジカルな時代に求められる体験デザインの可能性について議論していきます。

アルトゥーロ・エスコバル(2024)『多元世界に向けたデザイン―ラディカルな相互依存性、自治と自律、そして複数の世界をつくること』ビー・エヌ・エヌ新社

展示開催概要

実施期間 9月13日(土) 12:00〜19:00  “Main Day”
9月14日(日) 11:00〜19:00
9月15日(月・祝) 11:00〜17:00
開催場所 Impact HUB Tokyo(東京都目黒区目黒2-11-3 印刷工場 1階)
参加方法 予約不要
入場 1ドリンク制(ドリンクは当日、会場内のカフェにてご購入ください)
展示予定者 能瀬 良子 / 栄前田 勝太郎 / 馬場 千春 / 坂本 悠樹 / 堤 園子 / 曽 緋蘭 / 田房 夏波 / 山本 円郁 / 藤代 健介 / 隅屋 輝佳 / 別府 拓也
展示予定タイトル
  • ちょうどいい配慮ってなんだろう?
  • あなたのチャ
  • 多元世界を体験する非同期型ワークショップ『重なりあう世界への旅』
  • KAYABUKI XWISDOM-流域動体感受性を高める茅葺きインターフェース-
  • 風のお土産
  • つながりをトマトに学ぶ

※ 一部抜粋

展示背後の問い
  • 都市のなかで「配慮」はなぜ十分に届かないのか? 制度やサインに偏った“形骸化した配慮”に対して、実感としての優しさや余白を感じられるデザインとは?
  • 産地から離れた都市で、チャとのつながりを再認識し、自然と関わりたくなる体験デザインとは?
  • 私たちは本当に同じ世界を共有しているのか、それとも一人ひとりが異なる世界を生きているのか?
  • 茅葺きの葺き替え作業を通じて、人と自然のあいだに新たな縁を結ぶデザインとは?
  • 風好きが隣人を巻き込むための、思わず風に意識が向く体験とは?
  • 子どもたちが人や大地と繋がりを取り戻すために、トマトの生き方に力を借りることは可能か?

※ 一部抜粋

参考 探索プロセス参照:SXD Lab プロトタイピングWEEK(2025年7月27日-8月3日実施)

※ 体験型ワークショップの参加方法については、追ってSXD Lab Xアカウントにて随時共有いたします

トークセッション概要

テーマ 「複数の世界との関係性の再構築 ーSXDの輪郭を探るー」
開催日時 2025年9月13日(土)15:00〜17:00
開催場所 Impact HUB Tokyo(東京都目黒区目黒2-11-3 印刷工場 1階)
定員 35名
参加費 1000円+1ドリンク制(ドリンクは当日、会場内のカフェにてご購入ください)
参加方法 Peatixページよりお申し込みください
メインスピーカー
  • 上平 崇仁(デザイン研究者/立命館大学教授)
  • 峯村 昇吾(造形構想株式会社 代表/武蔵野美術大学特任研究員)
  • 中村 寛(アトリエ・アンソロポロジー合同会社 代表/多摩美術大学教授/文化人類学者)
  • 奥田 宥聡(合同会社Poietica 代表)
  • 小林 泰紘(一般社団法人Ecological Memes 代表理事)

sxd_ex_talk※ 後半は探索メンバーや特別研究員、会場参加者も交えながらのダイアログを予定

SXD Labとは?

Sustainable Experience Design Labは、持続可能かつ再生型の社会の実現のために、市民一人ひとりの暮らしや行動の変容を生み出す、体験デザインの可能性を探るラボです。

産業システム側の対応だけでなく、暮らしや生活者側での変革が求められる中、UXや体験デザインはどのような役割を果たしていくことができるのか。「提供者ー消費者」「作り手ー使い手」といった従来の硬直的な関係だけでなく、一人ひとりの暮らしや行動の変容が促されていくような、より包括的で深いレベルでのトランジションはどのように起こせるのか。

本ラボでは、産官学民の多様な立場の探索メンバーと共に「サステナビリティやリジェネレーションを取り巻く価値観や行動変容」を生み出す体験デザインの可能性を探ります。

SXD-TOP
主催:Sustainable Experience Design Lab
運営元:ハーチ株式会社一般社団法人Ecological Memes

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