数多くの日本企業が進出しており、ヨーロッパ最大の日本人街としても知られる都市、ドイツのデュッセルドルフ。日本人駐在員も多く生活するこの街で、11月にユニークなアプリが登場した。それが「Welect Go」だ。
Welect Goは、広告視聴と引き換えに公共交通機関の乗車券を無料で入手できるというアプリだ。ユーザーは同アプリをスマートフォンからダウンロードし、広告主が配信する20秒間の動画広告を視聴するだけで、デュッセルドルフ市内のバスや電車で利用可能な2.60ユーロ分のQRコードチケットを無料で得られる仕組みとなっている。視聴する広告はユーザーが選択可能で、入手した無料チケットはその後90分間有効となる。Welect Goはユーザーの個人情報を取得し、それらを匿名データとして広告主へと提供する。
Welect Goによりデュッセルドルフ市民は公共交通機関を利用するインセンティブが生まれ、環境面にも好影響を生むことが期待される。
このアプリ、開発者らの予想とは裏腹に大きな人気を集めており、Derwestenによると、当初は年内に1,000チケット程度が出ればよいと予想していたものの、いざリリースしてみると一週間で既に20,800チケットが出ているという。
現状はエネルギー関連会社が3社に地元の香水ショップを加えた4社のみがスポンサーとなっており、チケットには限りがあるため毎日数時間で売り切れてしまう状態とのことだ。
今後、Welectは広告主の数も増やしながら、ドイツやオランダの他都市へと展開を拡大予定だ。
広告視聴と引き換えに無料でサービスを提供するというモデルは以前から存在していたが、公共交通機関の利用を促すという点はとてもユニークだ。ユーザーにとってはたった20秒で2.60ユーロ分ものチケットを入手できる非常にありがたいアプリだが、広告主に対してもしっかりとメリットを提供していけるかが持続的にサービスを拡大できるかの鍵となりそうだ。
【参照サイト】Welect Go
【アプリダウンロード】Google Play/iTunes
(※画像:Welect Goより引用)