本当にエシカルな鶏肉を選べる、フランス大手スーパーのブロックチェーン活用法

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フェアトレードやエシカルファッションなど、生産者の持続可能性を意識した取り組みは多い。商品の価値は、モノそのものだけではなく、その背景にあるストーリーを含むようになってきた。しかしそれを利用し、作り話や誇張表現によってブランドを高めようとする輩も後を絶たない。粉飾を打破するキーワードは、透明性だ。

フランスの大手スーパーマーケットであるカルフール(Carrefour)は、最新テクノロジーを使って、食品の透明性確保に邁進している。同社は、鶏肉のラベルに価格だけではなく、消費者向けのQRコードを印刷し始めた。携帯でコードを読み取れば、その鶏肉の生産工程に関するすべての情報にアクセスすることができるという。

この情報は分散型台帳の一つであるブロックチェーンで管理されており、広く平等に共有されているため特定の情報を隠したり、書き換えたりすることができない仕組みだ。

カルフールのブロックチェーンプロジェクト

Image via Carrefour news release

100%の透明性を持った商品は、消費者のニーズに応えるためにある。鳥がどこで生まれ、何を食べて育ったのか、その餌には抗生物質が含まれているかどうかなど、消費者が知りたいあらゆる情報は、今や追跡可能なのだ。

他にも畜産農家から食肉加工場、精肉卸店などの工程における情報も含まれており、同社の強い信念を裏付けるように、不透明な部分は見当たらない。もちろんカルフールは鶏肉だけにこういった透明性を持たせるつもりはなく、今年中には鶏肉以外の8種類の食品に対して同様の取り組みを行うことを決定している。

ブランディングのための表面的な取り組みではなく、ここまで真摯に食品の透明性に向き合うスーパーマーケットは数少ない。それだけ自社の取り扱う商品に自信があるという表れでもあり、必要であれば生産段階から改善しようとする姿勢を示しているのだ。また、消費者がエシカル商品や食の安全に対する高いニーズを持っていることも重要なポイントだろう。

単に消費者に物を売るということに留まらない同社の姿勢、そして最新テクノロジーを使った生産から販売までの一気通貫したシステムの構築が、今後業界に広がっていくことに期待したい。

【参照サイト】Carrefour launches Europe’s first food blockchain and plans to extend the technology to eight more product lines before the end of 2018
(※画像:Carrefour news releaseより引用)

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