5月13日は、母の日だ。毎年この時期になると、母親の喜ぶ顔を思い浮かべながらギフト選びを楽しんでいる方も多いだろう。
しかし、なかには毎年似たようなギフトを贈ることに味気なさを感じているという方もいるかもしれない。そんな人にぜひチャレンジしてみてほしいのが、「エシカルギフト」という選択肢だ。
エシカルギフトとは、環境や社会に配慮された形で作られた商品を贈ることを指す。フェアトレードで作られた食品やオーガニックなコスメ、地域の雇用を生み出している伝統工芸品などもその一例だ。
社会貢献や環境問題に興味がないという人にとっても、エシカルギフトは魅力的だ。たとえば、コスメや洋服のように体に触れたり、食品のように体内に取り込んだりする商品の場合、いかに体によい自然な素材だけで作られているかが重要になる。環境を思いやることは、人を思いやることにもつながるのだ。
また、最近ではエシカルかどうか以前に製品自体のデザインや性能が際立っている商品も増えており、背景にあるストーリーを抜きにしても十分に魅力的なブランドは数多い。
そんなエシカルな製品の中でも、とくにデザインや品質の面で優れているブランドだけを選りすぐり、取り扱っているセレクトショップが東京、代官山にある。
お洒落なブティックや飲食店が立ち並び、洗練されたファッションの発信地として知られる代官山。その中心にある駅から3分ほど歩いたところにある「Social Square Daikanyama(ソーシャルスクエア代官山)」は、日本を含む世界中のソーシャルグッドな製品だけをセレクトし、展示・販売している。
昨年の9月にオープンしたSocial Square Daikanyamaの運営母体となっているのは、人や地球にやさしい暮らしのための商品だけを集めたショッピングモール「SoooooS.」を運営している、SoooooS.カンパニーだ。
SoooooS.は6年前からオンライン販売をスタートしていたが、サイトを利用するユーザーからは「実際の商品を見たことがないものも多いので、どこかで実物を見られると良い」という声が寄せられていた。
また、SoooooS.に出店している企業のなかにはあまり規模の大きくない会社や地方を拠点としている会社も多く、実際に消費者に自分たちの商品を手に取ってもらい、よさを感じてもらえる場所がないことに課題を感じていた。世の中にはよりよい社会や環境づくりにつながるすぐれた製品が多いのだが、それらの多くは消費者に知られることなく埋もれてしまっているのだ。
そんな両者をつなぐ場所として、この「Social Square Daikanyama」は誕生した。現在では世界中から集められた30~40程度のブランドの製品を展示・販売している。
Social Square Daikanyamaはショールームであり、ショップでもある。その場で購入できる商品も多く、仮にその場で現物は買えなくても店舗に置かれたタブレットや自身のスマートフォンを使って簡単にオンライン注文することができるようになっている。
ショップのマネジャーを務める大串さんによると、訪れる顧客は30から50代ぐらいまでの女性が多く、最近では外国人も増えているという。代官山でショッピングを楽しんでいる最中にたまたまショップを見つけて立ち寄る人もいれば、「代官山 フェアトレード」などで検索し、目的を持って来店する人もいるそうだ。
Social Square Daikanyamaが大事にしているのは、アイテム一つ一つにストーリーがあるということだけではなく、あくまでデザインや機能といった製品そのものの品質が高いかどうかという点だ。したがって、取り扱うものは、商品性と社会性を兼ね備えたものに限られる。
「エシカルだから買う」という人を対象にするだけでは、裾野はなかなか広がっていかない。「いいと思って手に取ってみたら、たまたまそれがエシカルだった。」それがエシカルな製品をより多くの人に広めるためのポイントなのだ。
「こうした社会や環境に優しい製品をもっと多くの人が毎日の生活に取り入れていくうえで大事なことは何だと思いますか?」そう尋ねると、大串さんは「無理をせず、今より少しだけでもより良い社会につながればと考え、実践することです。全部をオーガニックやフェアトレードに変える必要はありません。そうした認証をとっているものだけで生活しようと思う必要もありません。そのように縛ってしまうと息苦しくなってしまうので、まずは自分の生活の一部から、変えられるところから変えていくことが大事だと思います。」と返してくれた。
大串さん自身も子どもが生まれてからは考えが変わり、子どもにはよいものを使って欲しい、よい未来を残したいと思い、合成洗剤を環境に優しい自然由来のものに変えたり、冬の肌荒れにフェアトレードのクリームを使ったりするようになったのだという。
環境にも優しいものは、人にも優しい。エシカルな製品を使うことは自分への思いやりであり、それをプレゼントすることは、その人への思いやりでもあるのだ。
そう考えると、母の日にエシカルギフトをプレゼントするというのは、とても素敵なアイデアに聴こえてくる。母親への思いやりの印でもあり、ギフトを通じて母親以外の誰かも幸せにできる。
大串さんに、母の日ギフトにおすすめの製品を訊いてみた。
KAPUWA
KAPUWAは、インドの伝統技法である「ブロックプリント」を用いてハンカチやエプロンなどのアイテムを作っているブランドだ。木版のデザインから日本人デザイナーが関わっているため、エスニックになりすぎず、普段使いしやすいデザインが特徴だ。手作業プリントならではの温かい風合いが楽しめる。KAPUWAの製品づくりを通じて、貧困が社会問題となっているインドで雇用の創出にも貢献している。
+RING
+RINGは、未使用の傘用デッドストック生地だけを使用して作られているデザイン傘だ。裁ち落としの端切れをセンスよく組み合わせることで、オリジナリティとデザイン性を兼ね備えた一点ものの傘となっている。「ビニール傘を使い捨てるのではなく、一点ものの傘を長く大事に使う。」そんな提案を通じて消費者の生活習慣までもエシカルに変える可能性を秘めた、素敵なアップサイクル製品だ。
他にも、母の日ギフトにおすすめの製品はたくさんあるが、興味を持った方はぜひ実際にショップに足を運んでみて欲しい。
母の日に、母なる地球にも感謝する。そんな気持ちで、代官山でのショッピングを楽しもう。
Social Square Daikanyamaの詳細
ショップ名 | Social Square Daikanyama |
住所 | 〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町24−1 ROOB2 2F-C |
行き方 |
東急東横線「代官山」駅 徒歩3分 山手線「恵比寿」駅 徒歩12分 |
営業時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 月曜日(月曜が祝日の場合、翌日の火曜日休み) |
連絡先 | 03-6416-3666 |