廃工場が低炭素のカルチャーセンターに変わる、中国の再開発プロジェクト

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かつて世界の工場と言われた中国。近年は飛躍的な経済発展を遂げ、世界の一大消費地へと変貌しているこの国では、役目を終えた廃工場の再開発が行われている。

中でもセンスの良さがひときわ目立つ事例が、中国の珠海市、金湾区にある製糖工場の再開発プロジェクトだ。珠海市は中国南部の広東省に位置し、「中国のリビエラ」と呼ばれる主要な観光地である。

そんな珠海市に、国際的なデザイン会社Woods Bagotが手掛けた文化施設がオープン。設計には砂糖産業博物館やチョコレート工場が盛り込まれ、施設のカーボンフットプリントをソーラーパネル、雨水採取、地熱加熱冷却システムで相殺することを目指す。歴史的な工場のつくりをできる限りそのまま残し、新旧が融合した場所となっている。

Image via Woods Bagot

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再開発プロジェクトでは、78,877平方メートルの広さの観光スポットを提供する。文化施設を含んだ大きな公園がプロジェクトの中心で、花庭園の遊歩道、彫刻庭園、農業体験など、かつての工業施設から改築された美しい水域と湿地の景観を特徴とする。他にも賑やかなショッピングストリート、静かな湖沼、湿地の遊歩道まで、さまざまなテーマゾーンに分かれている。

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Woods Bagotのスタジオ・リーダーであるチャーリー・チェン氏は、「コミュニティ全体が誇れる産業史を捉え、祝う場所づくりができたのは名誉なことです。私たちの戦略の大事なことは、地元住民や元工場労働者、観光客、子供たちに至るまで、この場所を訪れる多様な人々に、インスピレーションを与えることです。」と述べる。今後はブティックホテルや、結婚式場、スタートアップ向けのオフィスの併設も計画しているようだ。

この開発の主な目標の1つは、既存の製糖工場の構造を可能な限り残して「再利用」することだった。新たに建造される施設は、工場にマッチするように設計されており、歴史的建造物の景観を乱さぬように建物の高さを2階から3階にとどめ、壁画や芸術的なインスタレーションが歴史に花を添える。

珠海市はもともと中国内外から行楽客が訪れる観光スポットであるが、今回の開発は、環境負荷や今ある建造物の再利用などの価値にも重きを置いた、先進的で味わい深いプロジェクトだ。

【参照サイト】Plans Approved to Repurpose a Retired Sugar Factory in China Into a Cultural Park
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(※画像:Woods Bagotより引用)