怪我を予防し健康に働く。 縁の下の力持ちに向けたトレーニングアプリ

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アメリカではなんと100兆円以上が労働者災害保険に使われており、そのうち約64%が背中、肩、ひざなどの怪我だそう。

また、BLS(アメリカ合衆国労働省労働統計局)によると死亡率が最も高い職業は、力仕事が必要な消防士、看護師、倉庫労働者、運送会社員や重機操縦者など、生活には欠かせない役割を持つ縁の下の力持ち達である。彼らの怪我を事前に防ぐことで、健康に働く人を増やすだけでなく、医療費や保険料の削減にもつながる。

そこで、力仕事をする人々の健康を保ち、体を鍛えて怪我を防ぐためのトレーニング方法を提供するアプリ「Worklete」がアメリカで配信された。

Image via Worklete

”アスリートのように働く”をキャッチフレーズとするWorkleteは、動画によってわかりやすいトレーニングを提供する。アプリ上には現在、最大700の学習経路があり、現在2万人の現場作業員がこのアプリを使用している。

実際に、アメリカの運送会社Penske Logisticsや世界最大のボトルメーカーであるNestléWatersといった企業では、Workleteを活用し、フォークリフト運転時の適切な姿勢や、重いウォータージャックを持ち上げる際のテクニックを教えるなど、よりスマートかつ安全に仕事をするためのトレーニングが行われているのだ。

アプリでは、2週間のトレーニングを1クールとしている。最初の1クールでは、動作の基本を中心とした簡単なテストを行ったのちに、写真やビデオを通じてレッスンを行うという。

たとえば、荷物を持ち上げる際、両足が肩幅に離れている姿勢をベストとした上で、その動作をより楽に行うためのヒップヒンジとスクワットのトレーニングが課せられる。合計所要時間は週に5分程度なので、気軽に取り組むことができるだろう。

Image via Worklete

Workleteの扱う言語や、業種ごとのトレーニングも多様だ。例えば、ケベック州のトラック運転手はフランス語のレッスンを、テキサス南部の倉庫労働者はスペイン語のレッスンを受けることができ、さらに東南アジアでわずか50万人が使う少数言語でも対応しているそう。

また、利用者の95%以上が積極的にこのアプリを利用しており、利用企業では社員の筋骨格外傷率を約50%も削減している。各企業のアプリ管理者は従業員一人ひとりのトレーニングの進捗状況をチェックしたり、市や地域レベルでトレーニング状況を評価したりすることができる。

Image via Worklete

労働人口が減少しつつある日本では、長時間労働の改善や高齢者の就労促進などの働き方改革が行われている。しかし、そもそも貴重な労働者の健康を保つためにWorkleteが提供するようなトレーニングにも注目すべきではないだろうか。力仕事を担う人々のために、日本でもこのようなアプリが配信されることを期待したい。

【参照サイト】Worklete