現在、世界がプラスチックフリーへと動き出し、個人から国単位まで、多くの取り組みがおこなわれている。
しかし、プラスチックを使わないだけでは、完全にいまの状況を改善できるとは言えない。なぜなら、人類の歴史上すでに多くのプラスチックが生み出されてきたからだ。年間で2億8千万トンもの新たなプラスチックが生産され続け、そのうちの2億2千万トンが埋立地にいく。さらに、2千万トンは海に流されている。
IDEAS FOR GOODでは、これまでにプラスチックゴミで道路舗装をするガーナの取り組みやロッテルダムに誕生したプラスチックゴミでつくる水上公園といった、プラスチックゴミを使って新しいものを作り出すというニュースを取り上げてきた。
ニュージーランドのEnviroplazという会社も、プラスチックゴミを使用して製品を開発することに成功した。その製品とは、Plazrokと呼ばれるコンクリートだ。
このPlazrokは、プラスチックを分解したり、ラベルをはがしたり、洗ってきれいにしたりする手間なく作られる。製造方法も従来のコンクリートと同様のため、新たなやり方を覚える必要はない。
しかも従来のコンクリートよりも10~40%ほど軽いにもかかわらず、同程度の強度を持ち、耐震性にも優れている。軽いので一度に運搬できる量を増やすことができ、運搬コストを削減できる。また、ニュージーランドは日本同様に地震が頻繁に発生する国であるため、耐震性が強化される点も重要だ。
Enviroplazによると、海外でもPlazrokへの需要が急増している。タイ、インドネシア、アメリカではすでにビジネスをしており、シンガポール政府からも声がかかっているという。将来的には、埋め立て地からプラスチックを掘りおこしてコンクリートを作ることも構想している。
本来は価値のないゴミとして捨てられてきたプラスチックが、このように有益なものに生まれ変わる。こうした技術が今後ますます増えていくことで、地球の環境は良くなっていくだろう。
ニュージーランド以上に地震が頻繁に起きる日本。日本でも導入されれば、従来よりも安い費用で家を補強でき、私たちの生命を守ってくれることだろう。
【参照サイト】Enviroplaz
【参照サイト】40,000 tonnes of Auckland’s plastic waste to be turned into concrete from end of 2019
(※画像:Enviroplazより引用)