「あと20歳若ければ、可能性が広がる」69歳のオランダ人が、法律上で年齢変更を訴える

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日本には、性同一性障害による法律上の性別変更を可能とする特例法がある。決して安易にできることではないが、自分の認識に従って性別を変更することが認められているのに対し、法律上の年齢を変えることはできない。「気持ちは若いのに!」そうやって自分の老いを恨めしく思っている人に為す術はないのだろうか。

69歳のオランダ人男性Emile Ratelband氏は、法律上の年齢変更ができない状況に大きな不満を抱いている。自分はまだまだデートアプリでモテたい。顔もイケてるはずだ。医者にも、私の肉体は実年齢より若いと言われている。「もしも49歳になれたら、人生の可能性が広がるのに。」そう考えたRatelband氏は、20歳若返るために、自分の生年月日を1949年3月11日から1969年3月11日に変更するよう、裁判所に訴えを起こしている。

「私は自分を40歳から45歳ぐらいだと認識しているので、そのように年齢を変えられるべきだ。」これが彼の主張である。彼は性別変更と年齢変更の要求を同じようにとらえており、こうして引き合いに出すとトランスジェンダーの人々に不快感を与えかねないという指摘も気に留めていない。性別にせよ、名前にせよ、年齢にせよ、これは自由意志の問題だと彼は語る。

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「69歳だとできることが限られる。49歳なら新しい家を買ったり、違う車に乗ったりでき、人生が豊かになる。」と彼は若返ることのメリットを説明する。すでに7人の子どもを持つRatelband氏はまだまだ恋愛に意欲的で、さらに子どもを持つことも考えているという。若返ったぶん、年金の受給が遅れることについても納得している。話を聞いていると、確かに彼は70歳間近の老人とは思えない。自分流の暦を持つ、ユニークなおじさんだ。

Ratelband氏自身は若返りたいと意気込んでいるが、彼が振りまく雰囲気は、彼が生きてきた69年間の歴史のうえに成り立っているように思う。年甲斐もない、そんな視線は意にも介さず、ガールフレンドをつくり、今の世の中に対して自分の意見を発信している。長年かけて作った独自の世界を生きているからこそ、多くのメディアから注目されている。風変わりだが憎めない。

この訴えを受け、裁判所は数週間以内に判決を言い渡す見通しだ。前代未聞の訴えだけに、この後の展開に注目が集まりそうだ。年齢を変える自由は認められるべきなのか?年齢を、性別や名前の変更と同じようにとらえていいのだろうか?さて、これを読むあなたならどう思うだろうか。

【参照サイト】69-Year-Old Dutch Man Seeks To Change His Legal Age To 49

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