港のごみを食べる。ジンベイザメ似の水上ドローンWasteShark

Browse By

ジンベイザメをじっくり見たことはあるだろうか。世界一大きい魚と呼ばれ、平たく巨大な口を持っているのが特徴だ。さほど動き回らなくても、その大口でプランクトンや小型の甲殻類を豪快に飲み込んでいく。このジンベイザメの動きを参考にして、水上に浮かぶごみを回収するドローンがある。

1日に16時間稼働して水上のごみを回収する水上ドローン「WasteShark」。開発したのは、オランダのRanMarine Technologyという会社だ。WasteSharkは縦155.6cm、横107.8cm、高さ45cmで、最大200ℓのごみを「食べる」ことができる。

WasteSharkには障害物への衝突回避システムが装備されているため、魚や船を避けて泳ぐことができる。ユーザーは、リモコンまたはiPadで操作し、その動きはGPSで追跡される。

waste shark

Image via WasteShark

また、WasteSharkはごみを回収するだけでなく、水溶液中のpHや塩分濃度など水質に関するデータを集めることもできる。

ロッテルダムやドバイで稼働させた結果、ドバイの現地パートナーからは良い反応が返ってきたそうだ。しかし、ニューヨーク大学アブダビ校の准教授を務めるJohn Burt氏はWasteSharkのサイズが懸念点だと語る。

「今の装置は比較的小さく、稼働させたとしても回収できるゴミの量が少ない。ただ、今が概念実証の段階にあるため、将来的にはより大きなサイズで展開させることもできると考える。」とBurt氏は話す。1.5億トンのプラスチックごみが海に浮いている状況を鑑みると、たしかにWasteSharkは微力な存在にも見える。

今のところ、WasteSharkを海で稼働させる予定は無いという。あくまでも港やマリーナで使用し、ごみが海に流れ出る前に回収する役割を果たす。

ジンベイザメのように効率的に、穏やかにごみを回収するWasteShark。海洋ごみの除去という大きな課題の解決にどの程度貢献できるかは未知数だが、ユニークな動き方をする水上ドローンの今後の活躍に期待したい。

【参照サイト】 RanMarine Technology
【参照サイト】 This Drone Sucks Up Trash From The Water Like A Roomba

FacebookTwitter