IDEAS FOR GOOD がメディアパートナーを務める「Ecological Memes Forum 2019 ~“あいだ”の回復~」が、12月22日(日)、北鎌倉・建長寺にて開催されます。主催するのは、エコロジーや生態系をテーマに、これからの時代の人間観やビジネスの在り方を探っていく領域横断型サロン Ecological Memes(エコロジカル ミーム)。
ヒトと自然。
知性と感性。
意識と無意識。
因果性と偶然性。
頭と身体。
そして、わたしと世界。
明治時代の博物学者・粘菌学者であり、南方曼荼羅の生みの親・南方熊楠は、自然のエコロジーの危機だけでなく、それに伴って本来ヒトが根っことして持っていたはずの様々なつながりが切り離され、社会や精神のエコロジーの危機が進行していくことに警鐘を鳴らしていました。
また、風土論や生命哲学など専門とする哲学者・木岡伸夫先生は、
「どんなに自然を含めた倫理的共同体における振る舞いを考えようとしても、人間と自然の<あいだ>を認めない論理(ロゴス)を拠り所としている限り、近現代社会が直面する危機は乗り越えられないのではないか」
「地球規模の生態学的危機の根底にあるのは、人間による自然支配という単純な問題ではない。それと同時か、それに先立って、人は自然を支配するように他人を支配し、他人を支配するように自然を支配するという、幾十にも錯綜した支配ー非支配の構図が、問題を深刻化させてきた」
といったことを著書「あいだを開く – レンマの地平」で書かれています。
海と川、山と里、水と陸のあいだで多様な生命や生態系が育まれてきたように、本当は大切だったはずの”あいだ”の領域。
ヒトの世界に閉じた短い時間軸と規模・効率の追求によって、様々なものが余白や中間のない白か黒かの世界で線引きされ、切り離されててきた結果が、生態学的な危機として、あるいは、一人一人の精神のエコロジーの危機として、様々なところで表出しているのが今の時代なのではないでしょうか。
そして、木岡先生の言葉のように、それは人間による自然支配という問題だけではなく、幾十にも重なり合った他者との支配ー被支配の構造の中で、おそらく今の時代を生きる私たちの誰もがその危機を内に抱いているテーマなのではないでしょうか。
“あいだ”を回復すること。身の回りの世界や自分自身にとっての”あいだ”と向き合ってみること。
そこに、ヒトが生命として持つ本来的なつながりや根っこを取り戻し、エコロジカルな在り方や人間観と向き合うヒントがあるかもしれない。
社会や自然環境という壮大で複雑な生態系の一部として、より良く関係し、共に繁栄していくヒントがあるかもしれない。
今回のEcological Memes Forum2019では、“あいだ”の回復をテーマに、第一線を切り拓き実践する様々なゲストの方々をお迎えして、エコロジーや東洋思想、イノベーション、生態系、自己変容などをつなぎ直す探究していきます。
豊かな自然に囲まれた北鎌倉・建長寺を舞台に、心身を整え、これからの時代の人間観やビジネスの在り方を共に探索してみませんか。
惑星規模での持続可能性が問われていく中で、生態系やエコロジーを志向する個人・組織・社会の在り方を探究し学びたい方。何かしらのキーワードやテーマに興味・関心のある方。よくわからないけどピンときてしまった方。どなたでもお待ちしています。
イベント概要
■日時:12/22(日)9:30 – 18:00
■場所:建長寺(北鎌倉)
■ゲスト・登壇者 ※敬称略 ※随時更新予定
・紺野 登(こんの のぼる)
組織・社会の知識生態学 (ナレッジ・エコロジー)の観点から、デザイン資源を基にした知識創造・「場」の創出と活用の方法論・イノベーション経営・「目的工学」の研究と実践をしています。多摩大学大学院教授、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)特別招聘教授。 博士(学術)。一般社団法人FCAJ代表理事、Japan Innovation Network(JIN)代表理事。新パリクラブ理事。主著に『知力経営』(1995ベストグローバルビジネスブック賞)『知識経営のすすめ』『知識創造の方法論』『知識創造経営のプリンシプル』『構想力の方法論』(以上野中郁次郎との共著)、『ビジネスのためのデザイン思考』『利益や売上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか(目的工学)』など。
・大室 悦賀(おおむろ のぶよし)
京都市ソーシャルイノベーション研究所 所長 / 長野県立大学 グローバルマネジメント学部教授 ソーシャル・イノベーション創出センター長。1961年 東京都府中市生まれ。一橋大学大学院商学研究科博士後期課程満期退学。一般企業、行政を経て現職。専門分野はソーシャル・イノベーション、当該分野における理論研究とそれに基づいたアクションリサーチを京都市や長野県で行っている。著 書:『サステイナブル・カンパニー入門』、 『ソーシャル・イノベーションの創出と普及』、 『ソーシャル・ビジネス:地域の課題をビジネスで解決する』、 『ケースに学ぶソーシャル・マネジメント』、『ソーシャル・エンタープライズ』『NPOと事業』など。社会的課題をビジネスの手法で解決するソーシャル・ビジネスをベースにNPOなどのサードセクター、企業セクター、行政セクターの3つのセクターを研究対象として、全国各地を飛び回り、アドバイスや講演を行っている。
ほか(随時更新予定)
タイムスケジュール(仮)※敬称略 ※随時更新予定
9:30- オープニング/座禅セッション「エコロジーと“あいだ”の世界」
村田 靖哲(臨済宗建長寺派・大本山建長寺 総務兼内務部長)
小林泰紘(Ecological Memes 発起人)
10:00- 「自己と世界の“あいだ”:自己変容とイノベーションと東洋思想(仮)」
講演:大室 悦賀(京都市ソーシャルイノベーション研究所 所長 / 長野県立大学 グローバルマネジメント学部教授)
ダイアローグ:大室 悦賀 / 小林泰紘 ほか
12:00- 昼食/ネットワークセッション(お弁当を頂きます)
13:00- 「経済と社会の“あいだ”:知を育む生態系づくり(仮)」
講演:紺野 登 氏 (多摩大学大学院教授 / 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)特別招聘教授)
ダイアローグ:紺野 登 / 佐宗邦威(株式会社BIOTOPE)ほか
14:30- 「“あいだ”を取り戻す」 ※体験型セッションを複数予定
・エコロジーの視点から個人の在り方やビジネスの未来を考える(仮)
・それぞれにとっての“あいだ”をリ・デザインする(仮)
ほか
(随時更新予定)
17:00- クロージングトーク/ネットワーキングセッション
18:00- 終了
参加費(昼食・ドリンク付き)
通常チケット 12,000円
Early Bird チケット 10,000円[~2019.12.1 ] ※なくなり次第締切
Super Early Bird チケット 8,000円 [~2019.11.12] ※なくなり次第締切 【11.4 完売しました】
メディア・取材チケット
スポンサーチケット ※本企画趣旨にご賛同いただき、物販/飲食などの協働スポンサーを募集しています
※イベント企画運営ボランティアも募集中です。ご希望の方はご連絡ください。
申込方法
Peatixよりお申込下さい。
Ecological Memesについて
Ecological Memes(エコロジカル ミーム)はエコロジーや生態系をテーマにこれからの時代の人間観を探っていく領域横断型サロンです。
自然との共生や身体感覚への回帰、あるいは循環型の暮らし、より生命的な世界観や組織の在り方などが広がっている時代に、生態学や複雑系科学、あるいは東洋思想や身体知性など様々な分野の知見を掛け合わせながら、エコロジー(あるいは、そうしたことを志向する個人の在り方や社会の移行)というものと向き合い、これからの時代の生き方・暮らし方・群れ方についての学び合っていくための探索型コミュニティです。
<Ecological Memes過去のイベントレポート>
・vol.1 生態系とポストヒューマンセンタードデザイン / 稲村徳州氏(九州大学芸術工学研究院 助教 )
・vol.2 自然と技術を融合させるバイオミミクリー / 亀井 潤氏(バイオミミクリデザイナー /AMPHIBIO LTD.)
・vol.3 複雑系科学と群れ方 / 佐山 弘樹 氏 (ニューヨーク州立大学ビンガムトン校 システム科学・産業工学科教授 / 複雑系集団動態学研究センター長)
・vol.4 身体知性:身体を通じてシステムを理解する / 井上有紀 氏(一般社団法人イノラボ・インターナショナル共同代表)※順次公開予定
・vol.5 東洋思想~因果から縁起へ~ / 川島俊之氏(高野山真言宗高福院 副住職) ※順次公開予定
・vol.6 生命と日本文化 ~花を通じて考える自然との共生~ / 山本 郁也 氏(花人/株式会社デラシネ)※順次公開予定
・vol.7 循環型の暮らしと都市デザイン~人間・環境・テクノロジーの関係性から考える~ / 小林乙哉氏(東急株式会社 都市経営戦略室)※順次公開予定
<発起人/キュレーター> 小林 泰紘(こばやし やすひろ)
世界26ヶ国を旅した後、HUB Tokyoにて社会的事業を仕掛ける起業家支援に従事。その後、人間中心デザインを専門に、金融、人材、製造など幅広い業界での事業開発やデジタルマーケティング支援、顧客体験(UX)デザインを手掛けた。現在は共創型戦略デザインファームBIOTOPEにて、企業のミッション・ビジョンづくりやその実装、創造型組織へ変革などを支援。自律性・創造性を引き出した変革支援・事業創造・組織づくりを得意とし、個人の思いや生きる感覚を起点に、次の未来を生み出すための変革を仕掛けていくカタリスト/共創ファシリテーターとして活動。座右の銘は行雲流水。趣味が高じて通訳案内士や漢方・薬膳の資格を持つ。
<参考URL>
https://daily-notice.com/ecological-memes/
https://www.slideshare.net/YasuhiroKobayashi1/ss-156450397
<Twitterアカウント>
https://twitter.com/MemesEcological
今後のイベント情報や各回の実況中継、テーマに関する最新情報のキュレーションなど行なっています。是非フォローください。
ハッシュタグ #エコミーム
メディアパートナー
・UNLEASH:UNLEASHは、「Always be full of curiosity」をコンセプトとするメディアプロジェクトです。ソーシャル、エコノミー、テクノロジー、エコロジー、ウェルビーイングなどのテーマに焦点をあてて情報を発信することで、人々の好奇心を刺激し、視野を広げ、思考を深める機会を創出します。
・IDEAS FOR GOOD:IDEAS FOR GOODは、社会を「もっと」よくするアイデアを集めたウェブサイトです。世界を大きく変える可能性を秘めた最先端のテクノロジーから、人々の心を動かす広告やデザインにいたるまで、世界中に散らばる素敵なアイデアをあなたに届けます。