脱ペットボトルへ。デンマークのビール醸造大手カールスバーグ、紙製飲料ボトルを発表

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いまやどこでも手に入るペットボトル飲料はとても便利だ。ゴミを減らすためにペットボトルの使用を減らそうということが叫ばれても、この便利さからなかなか逃れられない現状がある。しかし、ペットボトルはいったん投棄されると、海の中で自然分解されるのに450年かかるという試算もある(NOAA Marine Debris Program参照)。そのため、気軽に購入されたペットボトルは、海洋プラスチックごみとして大きな問題を引き起こしてしまう。

そんなペットボトルの問題を解決するかもしれない、100%バイオベースの飲料ボトルの開発が進められている。推進するのは、デンマークのビール醸造会社カールスバーグだ。このたびカールスバーグは、環境に配慮した紙製ボトル「グリーンファイバーボトル」の新しい試作品を発表した。木材繊維で作られており、完全にリサイクル可能だ。たとえ投棄されたとしても自然の中で生分解される。さらに、原料である木材を、植林と収穫した分と同じだけ植林する林業業者からのみ調達しているという点でも、その持続可能性が注目されている。

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カールスバーグが発表した、グリーンファイバーボトルの新しい試作品。木材繊維でできている。

今回は、内部にリサイクルPETポリマーを使用したものと、100%バイオベースのPEFポリマーを使用したものを試作した。カールスバーグの究極の目標は、ポリマーを使用しない100%バイオベースのボトルを作ることであり、これらの試作品でバリア技術をテストする。

カールスバーグとともに、グリーンファイバーボトルの開発を進めてきた包装会社とボトル製造会社は、パボコ®という合弁会社を立ち上げた。今回の発表では、パボコ®が紙製ボトル・コミュニティをローンチしたこと、さらに、カールスバーグとともに飲料大手コカ・コーラ、酒類大手アブソルート、化粧品大手ロレアルがコミュニティのメンバーとなることが発表された。様々な企業や専門家が共働し、持続可能なパッケージングの推進、環境負担の軽減と高品質製品の提供の両立を進めていくことになる。

グリーンファイバーボトルはまだ試作段階であるが、実用化に至れば、そのインパクトは先進国から開発途上国まで、世界中で莫大なものとなるだろう。皆がマイボトルを持ち歩き、使い捨て飲料を買わないというのが理想かもしれない。しかし、飲みたいときに飲みたいものを飲むために、手軽に買える飲料は必要とされているのが現実である。飲料ボトルが引き起こす問題を根本的に改善していく可能性を秘めるグリーンファイバーボトルには期待がふくらむ。そう遠くない将来、コンビニに紙製ボトルの飲料が並ぶ日が来るかもしれない。

【参照サイト】Carlsberg issues latest Green Fibre Bottle update
【参照サイト】NOAA