廃棄物を減らす暮らしを。袋ごと堆肥化できるコーヒーバッグ「STEEPED COFFEE」

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コーヒーを自分で淹れて飲むと、ゴミがたくさん出てしまう。ポッド式のコーヒーマシンを使うと毎回ポッドのゴミが出るし、個包装のドリップ式のコーヒーではプラスチック包装のゴミが出る。コーヒー抽出後の粉自体はコンポスト(堆肥化)可能だが、コーヒー粉に付随して出てしまうゴミはなかなか減らすことが難しかった。

そうした中、ティーバッグの仕組みでコーヒーを淹れ、袋ごと堆肥化できるという商品が登場した。カリフォルニア州サンタクルーズのスタートアップSteeped, Inc.が発明したコーヒーバック“STEEPED COFFEE”である。淹れ方は簡単で、紅茶のようにコーヒーバックを入れたカップにお湯を注ぎ、5分ほど待つだけである。

Steeped Coffee - Office 4

Image via STEEPED COFFEE

注目すべき点は、コーヒーバッグのバッグ自体が植物由来の素材でできており、堆肥化可能ということだ。外側のパッケージも堆肥化可能で、有毒なVOCを含まない水性インクで印刷されている。そのため、飲み終わったらコーヒーバッグも外側のパッケージもまとめてコンポストできるのだ。

Steeped Coffee Dark Roast 2

Image via STEEPED COFFEE

それだけではない。“STEEPED COFFEE”では、コーヒーの美味しさを保証するために、バック内を窒素で充填させて酸化を防ぎ、挽きたての新鮮な味を保っている。コーヒー豆は農家から倫理的に直接調達されるもので、その味は非常に高い評価を得ている。革新的な抽出方法とサステナブルな包装が評価され、同社は2019年、北米最大のコーヒーのトレード・ショーであるスペシャルティ・コーヒー・エキスポで、新製品ベスト賞を獲得した。

Steeped, Inc.によると、リサイクルできないコーヒーポッドは、毎年100億個ずつ埋め立て地に蓄積されており、2009年以降に販売されたコーヒーポッドを並べて置くと地球を130回包み込むのに十分な量になるという。

個包装のコーヒーを使わず、コーヒーマシンも使わず、手持ちのドリッパーとサーバーと堆肥化できるペーパーフィルターを使ってコーヒーをドリップするのが、廃棄物削減のためにはベストなのかもしれない。しかし、忙しい日常の中でサッとコーヒーを飲みたいとき、いちいち道具を準備してコーヒーをドリップするのは、非現実的と感じる人も多いのではないだろうか。“STEEPED COFFEE”なら、道具や機械を必要とせずに、簡単で質の高いコーヒーを数分で淹れることができる。必要なのはお湯とカップとコーヒーバッグだけ。

環境を思って生活するために、必ずしも日常のありとあらゆるものを変える必要はない。ガラッと生活を変えようとしてすぐに諦めてしまうくらいなら、まずは無理をせずに日常の小さな選択を変えてみるといい。環境と私たちの日常に寄り添う“STEEPED COFFEE”は、その一歩の助けになりそうだ。

【参照サイト】STEEPED COFFEE

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