おうち時間が長くなるにつれて自炊が増えたが、生ごみも増えた気がする──東京23区内で5月11日~17日に出された可燃ゴミは3万6475トンで、前年同月に比べ12.8%増加(※1)。平常時でも家庭ごみの中で生ごみが占める割合は約4割(重量ベース)と、かなりの量を占める(※2)。ごみを減らす手段として思いつくのは堆肥化だが、経験がなくどうすればいいのかわからない。そんな方に朗報だ。
環境負荷の少ない野菜の宅配・販売を行う株式会社坂ノ途中、農家や漁師と消費者をつなぐアプリを運営する株式会社ポケットマルシェ、そしてLFCコンポストと呼ばれる画期的な堆肥化バッグを販売するローカルフードサイクリング株式会社の3社が、「野菜の配達×コンポスト」や「種の販売×コンポスト」をセットにした画期的なサービスを開始した。自宅で料理や野菜の栽培を楽しみつつ、最終的に出たごみを堆肥化して土に還し、また野菜を育てることができるものだ。
本サービスの肝は、コンポストのセットだ。堆肥の元となる基材は、過去20年以上にわたってNPOで堆肥化活動を行ってきたローカルフードサイクリングの平由以子さんが生み出した、臭いの発生のしにくいオリジナル配合。基材を入れる紙袋は特殊な油紙で、水やシャベルによって破れにくく、かつ最終的には土に戻る素材でできている。これに、紙袋を入れておくバッグがセットになっている。
畑や庭の少ない都市部でも実践できるよう、機能的でスタイリッシュなデザインになっており、キッチンやベランダ等でも使えそうだ。さて、3社の連携でできたサービスは下記の2つである。
01. 野菜がめぐるコンポスト[定期宅配]
坂ノ途中がお届けするのは「野菜がめぐるコンポスト[定期宅配]」。虫が寄らないようファスナーが付いているLFCコンポストセットのバッグと、農薬や化学肥料に頼らず、環境負荷の小さい方法で育てられた農産物「坂ノ途中のおすそ分け」の宅配がセットになっている。セットは希望に応じて4週、8週、12週ごとに届けてくれるという。
おすそ分けには、季節の野菜の他にも、自社農場「やまのあいだファーム」で育てた藁のストローや提携生産者が自家採種した野菜の種、食べられる玉ねぎの苗などワクワクするような農産物が含まれている。将来的には、堆肥化されたものを回収する仕組みも検討しているそうだ。
野菜がめぐるコンポスト[定期宅配]
初回(専用バッグ付き)・・・3,680円(税別)
2回目以降・・・1回のお届けにつき¥2,480(税別) 専用バッグはなし
▶ 株式会社坂ノ途中オンラインショップ
02. 農家さんと一緒に育てる体験コース
ポケットマルシェが提供するのは、「農家さんと一緒に育てる体験コース」。ローカルフードサイクルリングのLFCガーデニングセットを購入し、種から野菜を育てるサービスだ。
ガーデニングセットには、基本の堆肥化セットに加えて用土とファスナー無しの専用バッグが付いている。生ごみを投入して堆肥ができたら、バッグの上部を折り返すことでバッグがプランターに変身するのだ。そこに、ポケットマルシェから購入した種を撒く(※3)。種は「ピクルス用唐辛子ビキーニョ」「野菜種ミックス」「枝豆」「畦豆」の3種類。
堆肥化のことなどで困ったことや質問があれば、LINEを通じてローカルフードサイクリングにいつでも相談できる。また、他にも専門の農家さんが随時栽培のアドバイスをしてくれるので初心者でもきっと楽しめるだろう。堆肥化で生ごみを減らしつつ、今から夏野菜を育てるのもよさそうだ。
「農家さんと一緒に育てる体験コース」
「LFCガーデニングセット」は3,480円(税別)で購入
▶ LFCコンポスト
種は「ピクルス用唐辛子ビキーニョ」(999円)「野菜種ミックス」(2,860円)「枝豆」(2,160円)「畦豆」(1,080円) 価格はいずれも税込
▶ ポケットマルシェ
育てて、食べて、堆肥にして、また育てて、食べて……。そんな資源循環のループができる日もそう遠くないのかもしれない。まずは家のキッチンで、小さく堆肥化を始めてみてはいかがだろうか。
※1 2020年6月2日(火)朝日新聞「数字は語る」より
※2 京都市生ごみデータ
※3「LFCガーデニングセット」にも季節の種がついている
【参照サイト】外出自粛で自炊が増えている今から始める、循環型社会への一歩。食材宅配2社が生ごみコンポスト企業と協業
【参照サイト】LFCコンポスト