デジタル世代と考える気候変動アクションの未来。「ポストコロナのアクティビズム」イベントレポート

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近年深刻さが増す気候変動。九州をはじめとする地域では豪雨などの被害が出ており、私たちはまさに「気候危機」の局面に立っていると言える。

今回、かねてから気候変動問題の解決に向けて活動している「Fridays For Future (FFF) Tokyo」と、森林保全・再生をテーマにアプリ開発等を行っている「weMORI」のコラボレーションイベントがオンラインで開催された。イベントでは参加者とともに「ポストコロナのアクティビズム」をテーマに、これからのアクションの形を模索した。

第一部では、参加者一人一人が感じた新型コロナによる変化について、第二部では「アクティビズムのローカル化」について、第三部ではアクティビズムのデジタル化のメリットやそれに伴う課題についてディスカッションが行われた。

登壇者プロフィール
清水さん
清水イアン氏

環境アクティビスト。環境アクション・アプリ weMORI 代表。「環境について会話しよう」をテーマとするコミュニティ・メディア Spiral Club 言い出しっぺ。金融の角度から温暖化に取り組む NPO 組織 350.org Japan 元職員。

根津さん
根津理恵子氏

1987年山梨県生まれ、山羊座のA型。数年前、お絵描き教室に通い始めたのをきっかけに自分を見つめ直し、環境や人とのつながりの大切さを知る。持続可能な文化について考えながらSpiral Clubで活動する。

酒井さん
酒井功雄氏

2001年、東京都中野区生まれ。17年に1年間米国ミシガン州に留学。留学中に気候変動の深刻さに気付き、帰国後国際環境NGO350.orgのボランティアとして活動している時に学生による気候ストライキFridays For Future Tokyoに出会う。以後オーガナイザーとしてマーチの運営や学生気候危機サミットの開催に携わっている。3月に都立国際高校を卒業し、夏から米国のリベラルアーツカレッジへ進学予定。

西村さん
西村健汰氏

同じ中高だった登壇者の黒部睦に気候危機に気づかされ、みずほ銀行アクションに参加、今年3月からFridays for Future Tokyoのメンバーになる。その勢いで、6月から国際環境NGOグリーンピース・ジャパンでインターンを始める。3月に都立南多摩中等教育学校を卒業、現在早稲田大学文学部在学中。

黒部さん
黒部睦氏

都内の音楽大学に通う大学1年生。高校生の頃にSDGsに心打たれ、様々なイベントや研修に参加。昨年、2019年度少年少女国連大使として活動する中で環境問題の深刻さを知る。現在はFridaysForFutureTokyoのメンバーとして活動中。

コロナ禍にオンラインで広がるアクティビズム

新型コロナウイルスによって様々な行動が制限される中、私生活や働き方もオンライン化し、アクティビズムもその影響を受けている。コロナ禍でのアクティビズムの形や、それぞれが考える「アクティビズム」の定義、そして実際に行動に移すというハードルをいかに乗り越えるかについて語られた。

根津さん:まず、コロナの影響で皆さんの生活はどのように変化しましたか?

黒部さん:大学の授業が全部オンラインになりました。友達もできず、孤独を感じることも。今まで周りの人たちに支えられていたということを感じる期間になりました。

西村さん:僕もまだキャンパスに一度も行ったことがないです。でも授業は進んでテストもやったりして、大学生である実感が湧かないですね。

酒井さん:僕は、コロナによって人と会わなくなった分、人とのコミュニケーションが恋しくなって、毎朝FFFのメンバー達とラジオ体操やエアロビを2か月間していました(笑)

根津さん:その中でオンラインでの気候マーチもしていましたね。

酒井さん:もともと今年の4月24日にマーチをすることが決まっていたのですが、コロナの影響でグレタさん本人からの呼びかけもあり、オンラインで開催することになりました。今でも世界中で「#ClimateStrikeOnline」のハッシュタグをつけた投稿がされています。日本では4月24日に合わせて「#気候も危機」のキャンペーンを実施しました。Twitterでは合計約6000件のツイートがあり、トレンド入りしました。

根津さん:西村さんにとっては初めてのマーチがオンラインだったのですね。

西村さん:これまでマーチに参加したことがなく、やっと自分を表現できる場が与えられたと思ったらオンラインでの「デジタル気候マーチ」だったので、少し残念な気持ちもありました。しかし、オンラインを通して全国の人たちと繋がることができたのは大きなことでした。こんなに全国に想いを同じくする仲間がいることを感じ、個人としては初めてのマーチがデジタル気候マーチで良かったです。

清水さん:デジタル気候マーチでは、具体的に何をやったのですか?

黒部さん:Instagramで写真の投稿を呼びかけました。私個人の感覚だと、マーチに参加するのはハードルが高いと考えている人たちも参加しやすかったと思いました。InstagramやFacebook、Twitterなどで「#気候も危機」の投稿を呼びかけたのですが、予想以上に多くの人が投稿してくれ、オンラインじゃないとできないことだと思いましたね。

酒井さん:著名なインフルエンサーの方も「#気候も危機」で投稿して一緒にアクションに参加してくれました。リアルな場だとスケジュールが合わず参加できないけど、コロナで家に居て写真を撮って投稿するというのは、参加しやすかったのかなと思います。


モデル・水原希子さんの投稿

清水さん:「#BlackLivesMatter」のデモは世界中で、そして日本でも行われていましたよね。コロナの影響でアクティビズムの形が変わってくると思うのですが、皆さんは「アクティビズム」をどう定義していますか?

酒井さん:「アクティビスト」のイメージとして政府や企業に対して「抗議」する人のことかなと思っていました。しかし実際に活動をしてみると、それぞれ気候変動を解決したい想いで、その実現のためにマーチをしたり、みずほ銀行前で石炭火力発電への投資をやめてほしいと訴えたりなど、実際にアクションをして「声を届けに行く」こともアクティビズムの一つだと思うようになりました。実現するための手段としてのアクティビズムなのかな、と。

西村さん:僕も酒井さんと同じ考えで、以前まではアクティビズムやアクティビストと聞くと過激なイメージがあり、参加することに対する敷居の高さを感じていたのですが、実際はそうではなく、物事に対して「思いを巡らせること」がアクティビズムへの一歩なのかと思います。

根津さん:このイベントの視聴者の皆さんや、長年活動してきた清水さんはどう思っているのかについて聞きたいです。

清水さん:僕にとっては環境活動家というのはただの肩書きでしかなくて、最終的に自分がしたいのは人と自然の共生を常に考えて模索していくことです。知らない情報を届けたり、みんなが行動をとりやすいようにしたり、こういった話をしやすい場を作ったりすることもアクションの一つだと思います。

根津さん:アクティビズムについても色々な動き方があるのですね。オンラインのマーチを通して、以前と今で動き方が変わったり、アクティビズムへの考え方が変わってきたりしましたか?

黒部さん:先ほど西村さんが言ったように、今までアクティビズムやアクティビスト自体ハードルが高かったと思ったのですが、今回オンラインで参加しやすい形になって、そういった言葉自体への壁がなくなったと感じました。

清水さん:たしかにそうですね。僕も大学生の頃一番最初に感じたのは無力感でした。問題自体が大きすぎて、どこから始めたら良いのか?と。電車に乗っていることにさえ違和感を感じることもありました。何をすれば良いかわからない状態が続いて、仲間もなかなか見つけにくいように感じたし、実際に行動に行きつかなかったですね。皆さんはどうですか?

酒井さん:僕が参加した一番初めのアクションは国会の前でのスピーチでした。その当時高校生は自分しかいませんでしたが、思いが止まらなくて、これを今伝えないと、という気持ちが勝って最初の一歩につながったと思います。
自分自身はとりあえず一歩踏み出してみようというスタンスです。踏みとどまっている人もいるかもしれませんが、SNSをチェックしたりウェブでのセミナーに参加してみたりなど、一歩ずつ踏み出していけば着実にアクションに繋がると思います。

清水さん:僕自身、大学生の頃は「対立」が怖かったですね。一番最初に気候変動に気づいた時に、全部と対立する構図だということに気づいて怖かったし、350.orgの活動を始めた時も銀行の前で物申す行為がものすごく怖かったですね。

酒井さん:当時、自分は日本のみんなが環境問題に気づけば変わるのでは?と思っていました。政治に対立したいのではなく、みんなに気づいてほしいと思っていたのですが、実際に活動してみると本当に変えるためには政策など今あるパワーを変えていかなければならないな、と気づいてきた部分はあります。いろいろなスタンスの人がいて、話し合う中で変えられることもあるな、と。全てが対立するわけではないなとも思いますね。

ローカル化するアクティビズム

登壇者それぞれが環境活動をスタートするきっかけや、その経験で感じた仲間の大切さ、そして初めの一歩を踏み出す際に感じるアクションへの「怖さ」をどのように乗り越えたのか語られた。

根津さん:行動を起こしにくいのは、問題自体が大きいと思いがちだからだと思います。アクティビズムのローカル化について、黒部さんの高校時代の経験を聞かせてほしいです。

黒部さん:私がこの環境問題に向き合うきっかけになったのが、昨年の夏にスウェーデンに行った時にたまたま現地の学生がストライキをしているのを見かけたことでした。私も何かしたい気持ちになって、帰国後やろう!と思ったのですが、当時皆勤だったので学校を休んでまでストライキしたくないなと思って。学校で周りを巻き込んで何かできないかと思い、自分のロッカーにメッセージボードを貼り付けて、脱プラスチックなどのメッセージを発信しました。友達にも、SNSで一緒にやらないか呼びかけたら一緒にやってくれる仲間もできて、自分の学校の中だけど、変化を起こせたなと思いました。こんなに興味がある子がいたことに驚いたし、嬉しかったですね。

清水さん:行動をとる前と後って何か線みたいなものがありますよね。向こう側がわからないけど、実際にその線を超えてみたことで予想外の発見ってありましたか?

西村さん:最初の一歩は怖いし大変だけど、仲間を見つけることから始めるのが良いかもしれないですね。環境問題や社会問題に対して関心ある人っているはずなので、その人たちと行動していくのはハードルを低くできることだと思います。

清水さん:仲間は大事ですよね。FFFでは気候変動問題に対して変化が必要だからアクションをとっていますが、隣にいる人たちとは違う関係性が生まれてくると思います。FFFで活動していく中で、横のつながりはどういったものなのですか?

酒井さん:横のつながりに関して、デジタル気候マーチでオフラインではできなかった全国の仲間が集まることが可能になって、今も全国各地のFFFメンバーと話しています。物理的な距離はあるけど、コミュニケーションする距離は近くなりましたね。

実際の活動の様子

実際の活動の様子

清水さん:皆さんそうやって初めの一歩を踏み出して行動してきた中で、「怖い」という感情をどう乗り越えられると思いますか?こういった問題に対して興味がない友人もいたりして、自分自身は環境関連のコミュニティを他のコミュニティとは別のところで持つようになっていきました。

酒井さん:清水さんのように、全く違うコミュニティを持つことも一つの手だと思います。話していくうちに理解はしてくれるようになるかもしれないですが、初めは変わっていく自分のことを話す中で周りからの反発や、摩擦が少なからずあるかもしれません。まずは自分が変えたいことを共有していくと、仲間がいることに気づくと思います。原体験や課題などを話してみると、結構早く仲間ができると思いますね。

黒部さん:私は友達に話すタイプです。普通の会話のノリで、レジ袋断った?って聞いてみたり。人柄的に真面目に聞こえない感じなので、楽しい雰囲気でペットボトル買うのやめなよ〜って言えますね(笑)普通の会話のノリで話して、仲間を増やしていく形ですね。

清水さん:皆さんも感じる変化かもしれませんが、最初は自分の中でこの人は興味がないだろうな、自分と違うだろうなとレッテルを貼ってしまっていたのですが、だんだんと、もしかしたら興味がないわけではなくてきっかけがなかっただけなのでは?と思うようになりました。自分がフィルターをかけたことで距離を置いてしまった人たちに対して、もっと自分ができたことってあるな、と。自分が初めの一歩を出すことでもっと多くの人にきっかけを与えられるようなポジティブな考え方ができるのではないかと思いますね。

今年も九州を中心に豪雨の被害が深刻化している。イベント視聴者からはそういった九州の豪雨についてどう思うか?という質問も。

酒井さん:今年の夏は最も暑くなると言われているので少なからず何か来るだろうなと思っていましたが、こんなに早く来るとは思ってもいませんでした。

黒部さん:今回の豪雨に対策するだけでは不十分だとも思います。今年対策しても来年も来るだろうし、根本の問題を認識しないと変わらないということに気づいてほしいです。起こる頻度が高くなったり、規模自体も大きくなってきたりしているので、CO2の排出量を減らすなど大きなアクションを取らないとこの台風の問題も大きくなる一方ですよね。

清水さん:そういった状況の中で、FFFとして求めていることは何ですか?

酒井さん:直近で求めているのが、コロナからの回復をもっとグリーンなものにしてほしいということです。経済が打撃を受けて原油価格の暴落したりする中で、リスタートできるからこそ再エネを中心にしたり、車に乗ることを減らしたり、思い切って地方に住んでみたりと、新しいノーマルに変わっていく過程でもっとグリーンに社会を作り替えていくタイミングだと思います。

デジタルアクティビズムのこれから

続いては、「#BlackLivesMatter」といった海外のムーブメントを事例に、SNSなどを通したデジタルアクティビズムの議論へ。清水さんたちが取り組む森林の保全と再生をテーマにしたアプリ「weMORI」についても触れられた。

清水さん:今回のイベントのテーマは「ポストコロナのアクティビズム」。アクティビズムの内容自体はそれ程変わっていませんよね。僕が活動していた頃も石炭火力発電所の増設がたくさんされていた時だったので、根本解決を求めているという点が同じだけど、先ほどのデジタル気候マーチのように、手法の部分が変わってきていると思います。この手法について、参考にしたり考えていたりすることってありますか?

酒井さん:「#BlackLivesMatter」のように、Instagramやtiktokをアクティビズムに使おうとする動きが海外で起きていることですかね。若者が使いやすいSNSといったプラットフォームにアクティビズムが動いてきているように感じますね。

根津さん:weMORI自体もデジタルの活動ですよね。

清水さん:そうですね。自分自身もまずは環境問題などに対してもっと簡単に行動したいとずっと思っていて。350.orgで活動していた時も、少し楽しさを入れたりして参加を促す形をとってきたけど、weMORIに関してはもっと簡単にしたいと思っています。ビジュアル的にも、環境アクションをしたい、すでにやっている層でない人たちにもお洒落に感じて行動してもらえるような雰囲気にしたり。

悔しいけど、やはりまだ環境問題に対してアクションしていない層が多いのが実情です。そういった人たちをどうやって環境活動にドメインできるのか考えて、かつ緊急性が高い環境問題に対して今この瞬間からポジティブなインパクトを生み出したいと思って。直接現地で活動できないので、まずはweMORIのアプリを使って寄付するなど、指先から行動できるプラットフォームにしたい。全部お金で解決できるわけではないですが、まず入り口になれればと思います。行動することで意識が変わるし、次の行動に繋がる。そういう人を増やしたいと思っています。


weMORIのアプリ

酒井さん:気候変動のアクションに対しては、2つのハードルがあると思っています。一つは、具体策がわかりにくいところ。例えば、エネルギーを再エネに変えたり、銀行口座を変えたり、プラスチックフリーにしたり、いろいろ方法があります。そして、果たしてそれは効果があるのか、分かりにくいというのがもう一つのハードル。まずは何をすれば良いのか?という点が分かりづらいからアクションに繋がらないのかなと。weMORIは、指先から寄付をして森林保全できるのはシンプルだし、アクションが可視化されるのでモチベーションも続くと思います。

清水さん:今回weMORIを作るにあたってリサーチする中で、色々な団体に実際に寄付してみましたが、正直寄付するまでの過程(カードの情報や住所の記入など)が面倒臭く感じてしまって。そもそも、いろんな団体がありすぎて情報が整理できないことも。なので、行動の種類も森林の保全と再生というシンプルな形にして、寄付自体もワンタップでできるように簡単にしました。コミュニケーションの部分も変えたいですし、非営利と寄付する人たちの距離感を再定義したい。アプリだとそれがやりやすいかなと。全部が一つの大きな実験ですね。

根津さん:アプリ開発はこれからなので、みんなで実験に参加する感じですよね。コロナをはじめいろんな変化があったからこそ、みんな新しい実験がしやすくなっていますよね。環境活動や隣の人と問題について話し合うことも一つの実験。それを積み重ねてまた次の実験に向かっていくのかもしれませんね。

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ポストコロナのアクティビズムが目指すもの

清水さん:僕が350.orgでムーブメントを盛り上げることをしていたときに常にジレンマだったのは、どれだけのエネルギーを意識変革に裂くのか、よりピンポイントな活動に当てるのか、の塩梅です。たくさんの人が知らない状況の中で、サイレントマジョリティに対して広めないと、という危機感や意欲がある一方で、直近で決まってしまうような政府の政策に対して物申さないと、とも思います。みなさんはこのバランスをどう考えていますか?

西村さん:今の日本の現状をみていると、意識変革の方に力を入れた方が良いと思っています。一部の若者が騒いで終わるのではなく、日本全体の若者が気候危機に対して訴えていかないと。

黒部さん:社会システムを変えるには人々のニーズを変えなければならないので、一人一人の意識の変革をしないと、企業や政府の変革につながらないと思います。

酒井さん:先ほどのローカルアクションの部分ですが、コロナの影響で生活を見直す良いきっかけになったと思います。外食しないし、外でペットボトル買わないし、自炊する中で何を食べているのか見直すきっかけになりましたし、野菜中心の食事にしたら体が軽くなって変化も見られました。コンポストも始めたのですが、驚くほど生ゴミが減りましたね。実体験として、今の時期だからこそやってみて欲しいと思います。

清水さん:それって、最もローカルなアクティビズムだと思います。システムなのか個人の行動なのか、みたいに二極化しがちだけど常に相互作用していますよね。例えばレジ袋の有料化によってレジ袋使う人が減ると思うが、おそらくその背景にはレジ袋いらない、よくない、みたいな声が集まっているのではないでしょうか。個人が変わることでシステムも変わるし、システムが変わることで個人の行動も変わる。個人の行動がどんなにミクロなものでもシステムを変える力があると思います。

黒部さん:ものを持たないとか、サステナブルなものを買うことがかっこいい、お洒落という流れができたら良いなと思いました。

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短冊に願いを込めて

イベント当日の7月7日は七夕。登壇者の皆さんはそれぞれどんな願い事を書いたのだろうか。

根津さん:今日は七夕ですね。では最後にみなさんが短冊に書いた願い事を発表しましょう!

西村さん:僕は「『みんな』幸せ!」って書きました。今ここに住んでいる私たちだけではなく、未来の人たちに込めて!

酒井さん:「1.5℃の未来で家族と一緒に暮らせますように」。僕は子どもが好きなので、(早ければ2030年までに世界の平均気温が産業革命以前より1.5度上昇するとされていても)自分の子どもと安心して暮らせるような未来にしておかないとな、とすごく思っています。

黒部さん:「身近なことから楽しく世界平和」。今回このイベントを試聴されている方の中でもアクションを起こしたいなと思っている方や、すでに起こしている方が多いと思うので、周りの人たちと楽しく広めあったり教えあったり、小さなアクションを積み重ねて世界平和を目指していきたいという願いを込めました。

根津さん:私は「実験」です。思い立ったことをどんどん行動に移せるように頑張っています。

清水さん:僕は「再生社会を作る」。人間が活動することで環境が再生していくような社会を作らないととまずいと思っていて。自分はweMORIという活動を通して、そういう社会を作っていきたいなと思います。

酒井さん:今回「ポストコロナのアクティビズム」というテーマでしたが、マーチをオフラインでできないからこそいろんなアクションを模索していかなければいけないので、視聴者のみなさんも参加しやすいアクションも生み出せると思っています。気候変動問題を解決するためにFFFもいろいろな形をやっていくので、みなさんも一緒に参加してくれたらなと思っています。

編集後記

新型コロナウイルスの影響でオンライン中心の生活になる中、アクティビズムの形も変化している。以前、Fridays For Futureの「デジタル気候マーチ」について取材したが、その際感じたのが物理的な距離を超えた一帯感だった。かねてからSNSの勢いは盛り上がりを見せていたが、コロナの影響で拍車がかかっているように思う。その中で、デジタルネイティブ世代はSNSなどのオンラインプラットフォームを駆使し、アクティビズムを今までと違う角度で捉えている。気候変動問題だけでなく、SNSという世界共通のプラットフォーム上だからこそ、よりフラットな関係でソーシャルな活動が展開されていくはずだ。今後もデジタルネイティブ発のアクティビズムに注目したい。

【参照サイト】Fridays For Future Japan – Instagram

Edited by Megumi Ito

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