サーキュラーエコノミーが進むバヌアツ共和国。国連開発計画がレポートを発表

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南太平洋上に位置し、人口29万人を抱える国、バヌアツ共和国。常に気候変動の最前線にある。

現在、政府は自然資本を保全し、国民一人当たりの温室効果ガス排出量を低く抑える政策措置を採用しているが、それでも気候変動の直接的影響からは免れない。国民一人当たりの資源消費量は、年間6.1トン(高所得国は平均年間26.3トン※1)、また同二酸化炭素排出量は年間2.1トン(日本の一人当たり排出量は約9トン(環境省))で、すでに炭素排出量と資源消費量を低く抑えている。加えて、バヌアツは世界で最も幸せな国であると示唆するレポートもある。

80の島からなるバヌアツは、これまでの伝統的な経済開発路線からの脱却を選択した。それまで、炭素集約的原材料を大量に使って、インフラを構築、消費財を集め、物質的な富を提供してきた。現在は、国内の資源を優先し、資源消費を増加することなく、国民の幸福度を高め、環境への影響を回避することを目指している。

リニアエコノミー(直線型経済)は漁業、森林、土壌など自然資本の脅威となっていることに対し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)は国にもたらすインパクトを低減させる。バヌアツのサーキュラリティ(循環性)は59%だが、残りの41%にアプローチする機会を本レポートで分析している。例えば、以下のような機会を挙げる。

  • 森林放牧システムへの移行
  • コンポストの普及
  • リサイクル可能な原材料を回収・分別・輸出する
  • 住宅や観光業界において、木材中心の建築に移行
  • 持続可能な発展と整合する税制を採用

同分析は、輸入品由来の廃棄物を減らすのに役立つと同時に、すべての原材料使用の資源効率性を高める方法を検討する。環境負荷の高い輸入製品・原材料が減少すれば、他国の排出量削減にもつながるだろう。

※1 国連統計局 Ensure sustainable consumption and production patterns
【参照サイト】Circular Economy Opportunities: Vanuatu

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Circular Economy Hub」からの転載記事となります。

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