脱・使い捨て。繰り返し使えるオーガニックコットンのティッシュ、デンマークで誕生

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みなさんは、自分が一日に何枚ティッシュを使っているか考えたことがあるだろうか。

私たちは毎日何気なくティッシュを使っているが、これまでに使ってきた枚数は非常に多いものだろう。筆者の場合、1日10枚ほど使っていることを考えると、使用枚数は1年で3,650枚にものぼる。

ティッシュの生産には、アメリカだけでも、1年間に約22,000本もの木と約10万トンの水が製造過程で使われている。また、ティッシュをつくるためには、原料のパルプの材料となる木材を育てるために、既存の森林を大量に伐採する必要がある。すると、その土地の生態系の破壊や周辺の土壌の乾燥などにつながり、環境への影響が指摘されている。

今回は、そんな使い捨てティッシュを削減するアイデアをご紹介する。

デンマークのスタートアップ「LastObject」が開発した、何度でも洗って使えるティッシュ「LastTissue」だ。シリコンケースの中に100%オーガニックコットンでできた6枚のティッシュが入っており、使った後に洗って再利用することができる。ハンカチに似た素材で作られているため、柔らかくて肌触りが良く、鼻を痛めることもなさそうだ。ティッシュを使ったら、ケース内の「使用済みスペース」にティッシュを入れることもできる。

ティッシュ

Image via Last Object

LastObjectによると、このティッシュは520回洗うことができるため、1ケースで約3,100枚の使い捨てティッシュを削減できる計算だ。また、シリコンでできたティッシュケースも再利用できるため、使い捨てティッシュの包装も削減できる。

LastObjectの創業者、イザベル・アガード氏は、使い捨て製品に疑問を感じ、新たな解決方法を自らデザインすることを決心したという。2018年にLastObjectを起業し、2019年に最初の製品である、再利用できる綿棒「LastSwab」を製作。「再利用できる選択肢をつくり、使い捨て製品を無くす」ことをミッションとし、再利用できるコットンパフや洗濯ネットなど、その製品の幅を年々広げている。

ティッシュ

Image via Last Object

ティッシュは、使い捨てができるからこそ便利だと感じる人も多いかもしれない。しかし、19世紀末にドイツで初めてのティッシュが開発された当時は、人々の間に“使い捨て”という習慣はなく、商品として最初はヒットしなかったという。私たちが現代で当たり前だと感じているティッシュの使い捨ての習慣は、120年ほど前には存在していなかったのだ。

果たしてそれは本当に使い捨てをする必要があるのか。再利用できるもので代替できないのか。LastObjectは、製品を通して私たちにそんな疑問を投げかけているのではないだろうか。

【参照サイト】LastObject 

Edited by Motomi Souma

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