今年も史上最高気温を記録、集中豪雨により洪水が発生、山火事の発生により野生動物が生存の危機に── 環境問題を伝えるニュースを見ていると「もう地球はだめになってしまうんじゃないか」という不安にかられて、気が気でなくなってしまう。そんな人もいるかもしれない。
環境問題や気候変動に対して、過度な不安を抱く状態は「エコ不安(Eco anxiety)」や「気候不安(Climate anxiety)」と呼ばれている。16から25歳の若者を対象に行われた調査によると、気候変動について、半数を超える若者が悲しみや不安、怒りや無気力感などを感じており、45%以上が、そうした気持ちが日々の暮らしに影響を与えていると回答するなど、世界的にも注目される問題になりつつある(※1)。
この課題を解決しようとするのが、ブラウザ拡張機能「UnF*** the Future」。深刻な環境問題に関する記事を閲覧すると、画面右側にポップアップが表示され、個人ですぐにできる気候アクションや、NGOなど非営利組織が提供する有益な情報が表示される。
不安になる情報の代わりにポジティブな情報に触れるうちに、環境問題は決して解決できない問題ではなく、個人でできることもたくさんあるのではないか、という実感を持ってもらう。それにより、無気力感や不安から脱してもらおうという試みだ。
たとえば、筆者が実際に気候変動に関するページを表示してみると、解決方法を紹介する本や環境の美しさを表現する詩の動画が紹介されたり、環境問題に後ろ向きな企業などに対してすぐにメッセージをツイートするといったアクションが提示されたりした。
Google Chromeの紹介ページには「最高!面白い、アクションはとても簡単で実際のインパクトもある、気候変動について、気落ちする記事を読むといつもポップが出てくる。すごくおすすめ!」といったユーザーからの声も書き込まれている。
確かに、脱プラなど暮らしの中ですぐに実践できるアクションから、政府や企業に対してできるアクションまで幅広く提案されるだけでなく、ユーモアにあふれた表現もあり、くすっと笑える表現も楽しめる。常用すれば自然と、不安を忘れて前向きに行動していた、という状態になるのではないかと感じた。
環境問題の悪化が続く現代。こうしたポジティブになれる情報に意識的に触れていくことが精神的な健康のためにも必要不可欠な時代になりつつあるのかもしれない。
【参照サイト】UFTF(英語のみ・Google Chrome対応)
【参照サイト】若者の「エコ不安」とは。地球の未来への不安を和らげるために、私たちができること