食品も家具も“勿体ない”から。スウェーデンの「とにかく捨てない」レストラン

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社会問題の中でも特に身近なものの1つである「食品ロス」。廃棄される食材や規格外の野菜などを使ったレストランが日本でも増えてきている。そんななか、新たにスウェーデンに誕生したのが、「店のインテリアまでリサイクル可能なレストラン」だ。

スウェーデンのストックホルムにオープンした日本食レストラン「Enjoy Bazaar」。ここでは、環境に配慮された創作料理が提供されているのに加えて、カトラリーから家具に至るまで、店内のほぼすべてのものがリサイクル素材でつくられているという。

オーナーは、DanielとNiclas。2人が同じくストックホルムで運営するレストラン「Aloë」は、ミシュラン2つ星を獲得している。スウェーデンでは、以前から持続可能な食材を使った料理が食文化のトレンドであったが、これまでのものとは異なるコンセプトを求めていた2人は、新たに「環境に配慮したインテリアデザイン」という切り口で、お店をオープンした。

image via Enjoy Bazaar

木目調と深い緑色を基調とした、安心感を与えてくれるような店内が印象的なEnjoy Bazaarの内装は、「昆布の森」をイメージしている。「Interesting Times Gang」がデザインした「ケルプコレクション」の緑色の椅子は、3Dプリンターから作られており、50%のリサイクルされた漁網と50%の木材繊維がその素材となっている。使い古されて寿命がきた椅子は、シュレッダーなどで処理ができ、細かくなった粒は、壁面パネルや椅子などに成形が可能だ。

昆布は、地球上で最も絶滅の危機に瀕している海洋生態系の1つである。マリンテイストのコレクションは、そんな昆布を模すことで環境保護と生物多様性の保全に光を当てているという。そのスタイリッシュでユニークなデザインからは、インテリアにおいても「美しさとサステナビリティは両立できる」というメッセージが伝わってくる。

「食」の面でのサステナビリティの関心は日に日に高まっていると感じる。しかし、それだけでは十分ではないだろう。スプーンやフォークから箸、器、テーブルまで、自分たちが日々使うモノも、持続可能ではない方法でつくられていることもある。「Enjoy Bazaar」は、そうした身近なモノの「素材」にまで目を向けられるようになるきっかけになるかもしれない。

店の内装やカトラリー……食そのものだけでなく、レストランを構成する様々な要素を通してみると、新たな角度から環境問題を考えることができる。今後ますます、心地よく、さりげなく、サステナビリティについて考える機会が増えていくことに期待したい。

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【参照サイト】Enjoy Bazzar About our team
【参照サイト】INHABITAT The first recyclable restaurant in Sweden has kelp chairs

Edited by Tomoko Ito

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