“乾杯”で社会貢献。多世代が集まる銀座のサードプレイス「SNACK LIFE IS ROSE」

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銀座8丁目某所、年季の入ったビル。ガタガタと音を立てながら上昇するレトロなエレベーターに乗って、目的の階へと上がる。こげ茶色の古びたドアを開けると、そこはまさにイメージ通りの「スナック」だった。

SNACK LIFE IS ROSE

Image via SNACK LIFE IS ROSE

明るすぎない柔らかな照明に包まれ、落ち着いた雰囲気の店内。バーカウンターの棚いっぱいに並べられた酒瓶たちは、赤いライトを浴びてキラキラと輝いている。カウンター席の奥には、L字型のソファと小さなテーブル。白と茶色を基調としたインテリアのなかで、壁にかかった鮮やかな色の絵画が目を引く。

いかにも昭和のスナック、といった雰囲気を醸し出すこちらのお店は「SNACK LIFE IS ROSE」だ。「一人ひとりがバラ色の人生を歩める社会をつくる」をコンセプトに掲げる一般社団法人LIFE IS ROSEがオープンした多世代コミュニケーションスナックで、リアルサードプレイスと社会貢献がテーマになっている。ここでは利益の一部を提携先のソーシャルグッドな取り組みを行う団体に還元しており、自分たちの「乾杯」が誰かの応援になるのが特徴だ。

今回IDEAS FOR GOOD編集部は、実際に「SNACK LIFE IS ROSE」を訪ね、代表理事の田中さん、店長の稲川さんのお二人にお話を伺ってきた。

話者プロフィール:田中秀行(たなか・ひでゆき)

一般社団法人LIFE IS ROSE 代表理事。AFRIKA ROSE代表取締役&フラワーデザイナー。約10年間金融業界に従事。在職中に、渡仏。フランス政府公認フラワーアレンジメントスクールにて基礎を学ぶ。2016年に発足したコミュニティ(ローズアンバサダー)を2020年に一般社団法人LIFE IS ROSEとして法人化。現在、LIFE IS ROSEを通じて自立分散型組織、パラレルワークの研究中。

話者プロフィール: 稲川雅也(いながわ・まさや)

一般社団法人LIFE IS ROSE 理事。株式会社Stagebank 取締役。早稲田大学在学中にアフリカ大陸を縦断し、その文化に惚れ込む。中退後、(株)東京アフリカコレクション(現Stagebank)を設立し、国際ファッションショー『Tokyo Africa Collection』を計8回開催し、各国大使館や外務省協力の元成功を収める。2020年、一般社団法人LIFE IS ROSEを理事として立ち上げに参画、企業コンサルティングやコミュニティ運営、銀座の社会貢献型コミュニティスナック『SNACK LIFE IS ROSE GINZA』の立ち上げ、店長を務める。

役割を脇に下ろして、自分自身に戻れる場所を

Q.まずスナックについての簡単な説明をお願いします。

稲川さん:「SNACK LIFE IS ROSE」は、リアルサードプレイスと社会貢献をテーマにした、多世代とつながれるスナックです。当店では『KANPAI to the FUTURE』というシステムを取り入れており、利益の一部を提携先のソーシャルグッドな取り組みを行う団体へ還元しています。

店長の稲川さん

店長の稲川さん | Photo by Masato Sezawa

僕たちにとって、大事なキーワードが「大切な人と少しのアルコール」です。人は皆、「自分は社長である」「父親である」といったように何かしらの役割を背負って生きています。日々会社と自宅の往復だけをしていると、常にその役割を意識することになりますよね。でも、そこに少しのアルコールがあるとそうした役割や肩書を脇に下ろせる。自分自身に戻れる。そんな風に、素の自分になれる場所を創れたらいいなと思って、スナックをオープンしました。

田中さん:僕たちが運営する一般社団法人LIFE IS ROSEは、バラを起点とした交流の場を作っており、もともと「一人ひとりがバラ色の人生を歩める社会をつくりたい」という想いがあります。これまでその想いをもとにプロダクト開発、コミュニティ運営、企業のソーシャルグッドアクションサポートなどの事業を手がけてきましたが、3期目となる今回は「リアルの場」でそれを体現しようとスナック事業を始めることにしました。

代表理事の田中さん

代表理事の田中さん | Photo by Masato Sezawa

Q.なぜカフェでもバーでもなく「スナック」なのでしょうか?

田中さん:カフェだとカジュアルすぎるし、バーだと思わず構えちゃったり、かっこつけちゃったりする。でも、スナックって気軽に知らない人同士が声を掛け合う風土や、「気取らなくていい」雰囲気があるんですよね。オープンマインドでいられて年齢の違う人でも気軽に話しかけられる──だからこそ、スナックが良いんじゃないかと思ったんです。

稲川さん:スナックは、お酒もですが「コミュニケーション」が一番の商品という感じがしています。実は、20代前半のころ、僕自身もよくスナックに通っていて、そこでのやりとりにとても救われていたんですよね。まさに、実体験としてスナックは「社会の居場所」「社交場」になっているなと感じており、だからこそ、今回スナックという場を選びました。

SNACK LIFE IS ROSE

Image via SNACK LIFE IS ROSE

Q.多世代が交流できるサードプレイスをテーマにしたのはなぜでしょうか?

稲川さん:僕は大学を中退したり、就職せずに自分で事業を立ち上げたりしてきたので、自身がサードプレイス的な場所に助けられながら生きてきているんですよね。そうした場所の重要性を、身をもって痛感しているからこそ、リアルなサードプレイスを作りたいという想いが強くありました。

田中さん:家とか職場とは全く違う場所があると気持ちが楽ですよね。僕自身もつらいとき、そうした場所に支えられたなと感じています。くだらない話ができる場所、頭で考えずに会話できる場所があるって、精神的にも健康なんじゃないかなと。

雑談をしているなかで生まれてくるヒントってたくさんありますし、そういう意味でもサードプレイスがあると生きやすくなるんじゃないかと感じています。

稲川さん:また、コロナ禍においては人々の交流が減り、ほとんど人に会わずに一日が終わってしまうこともあります。そんななかで、ますます世代間の断絶が生まれるようになりました。ですが、本来的に他の世代と交流をすることはとても意義のあることだと思うんです。

例えば、就職や結婚、子どものことを考えている20代後半の我々世代にとっては、年上の人たちの経験を聞くのはとても大事なこと。また、人生100年時代と言われる今、年配の世代は退職した後に長い時間が残ります。そんなとき、自分より年下の世代との交流により満足感を得たり、社会への貢献を感じられたりすることは、生きがいの一つになると思うんです。だからこそ、家でも職場でもなく多世代が本音で交流できる場所が作りたいなと思いました。

ママが多様なら、お客さんも多様になる

Q.SNACK LIFE IS ROSEは、パートナー運営方式で運営されていると聞きました。パートナー運営方式とはどのような仕組みですか?狙いは何でしょうか?

稲川さん:パートナー運営方式というのは、簡単に言うと、多種多様なバックグラウンドを持つ「ママ」が日替わりで店に立つシステムのことです。

従来のスナックは、一人のママがいて、そのママに特定のお客さんが付くというイメージがあると思います。お客さんの層も、40~50代の男性サラリーマンに固定されているような感じですね。

ですが、僕らが作りたいのは多世代のコミュニケーションです。どうしたら、幅広い世代で性別も関係なくお客さんを入れられるか?そう考えたときに、「ママが多様である必要があるのではないか」と思いつきました。日替わりや週替わりで違うママが立つ。そうすると、その日のママによって集まってくる客層が変わります。例えば、学生がママをやるときは学生のお客さんが多くなるし、年配のママなら年配のお客さんが多くなる。それぞれのママに付いた様々な世代のお客さんがリピート客になることによって、必然的に店での多世代交流が生まれます。こうした循環を作りたいなと思ったんです。

SNACK LIFE IS ROSEの従業員

ママだけでなく、従業員のバックグラウンドも多様。写真はスタッフの岡松太史さん。もともと二級建築士として建築の現場監督として働いていた彼は、初めて行ったタンザニアでアフリカに魅了され、会社を辞職。その後、居酒屋や花屋などで働き、稲川さんの声掛けでスナックのスタッフに。一昨年マッチングアプリで出逢ったザンビア人と結婚し、今年の5月にはザンビアに移住する予定だそう。岡松さん「お店の入っているビルは入りづらい雰囲気かもしれないですが、入ってくればアットホームな感じだ、と色々な人に言っていただきます。入る時は緊張するかもしれませんが、ちょっとでも気になったら来てください。いろんな人と喋りましょう。」 | Photo by Masato Sezawa

Q.具体的にはどんなママさんがいらっしゃるのでしょうか?

稲川さん:本当に多様ですね。従来のスナックを彷彿とさせるようなお着物を着てお店に立ってくれる50~60代のママもいれば、大企業を辞めて次の夢のために奮闘する20代後半のママもいます。次の日に誕生日を迎える19歳の大学生がママをやったこともありますね。その時は、日付が変わってからみんなで乾杯を始める、というお祝いイベントをしました。また、提携企業の団体の代表にママになってもらい、その日の売り上げの一部をそのままお渡しすることもあります。

田中さん:実際、ママが多様になったことで、多世代の交流が実現しています。時には、20代の学生さんと上場企業の役員の人が一緒になることも。そうした年の離れた世代が、名刺交換から始まらないコミュニケーションをしているのは面白いと思いますね。

多様性をアップデートする場所に

Q.多種多様な人々を受け入れているSNACK LIFE IS ROSEが考える多様性とは?

稲川さん:僕が思う多様性はどんなバックグラウンドを持っている人でも居心地のいい空間をつくれること。全員が全員理解し合わなくてもいいけど、互いに否定しあわない──そんな空間をつくりたいですね。

国のために働くサラリーマンがいれば、自分の人生だけを突っ走ってる人もいるし、僕みたいに一回ドロップアウトして立ち直って仲間たちとやってる人もいて。そういう人たちがそれぞれ活躍できる場所にできたら、と思っています。

田中さん:僕は「働き方の多様化」が大事だと思っているんです。やっぱり一つの組織に居続けていると「これだけが正しいのかもしれない」と思い続けちゃう。でも、こういうところに来て、いろんな働き方をしている人に出逢うと「人生の正解は一つじゃない」「一人ひとり違ういろんな働き方・生き方があって、それが全部正しい」ということがわかります。このスナックを、人生の選択肢を知り、「多様性のアップデート」をする場にしていけたらいいなと思いますね。

多様性ってよく聞く言葉だし、それっぽい言葉で説明されていることがたくさんあるけれど、実際のところよくわからないという人も多いと思います。でもだからこそ、一つの答えを出すことよりもみんなで「多様性ってなんだっけ?」と話をする時間に意味があるなと感じます。

稲川さん:多様性の議論をすることは、他の人を知ることに他ならないですからね。

SNACK LIFE IS ROSE

Photo by Masato Sezawa

「乾杯」が誰かの支援になる仕組み

Q.冒頭でもお話が出た『KANPAI to the FUTURE』とはどのような仕組みですか?

稲川さん:利益の一部を提携先のソーシャルグッドな取り組みを行う団体へ還元する仕組みのことです。今提携しているのは、5団体。今後増えていく可能性もあります。

提携団体の選定基準は、「地域」「日本」「世界」への還元です。地域に還元したいというところでは、お店があるのが中央区なので、銀座を拠点としているNPO法人銀座ミツバチプロジェクトを選びました。こちらは、銀座のビルの屋上でミツバチを飼う活動をしている団体です。

そして、「日本への還元」というところでは、妊産婦のための地域の居場所づくりなどを行う認定NPO法人かものはしプロジェクト、性教育トイレットペーパーやボードゲームを通じた性知識の普及をはかる一般社団法人Sowledge。

「世界への還元」というところでは、シエラレオネにおける10代のシングルマザーの継続的な復学支援を目指すNPO法人Alazi Dream Project、そして、ウガンダ共和国の上下水道や電気が設置されていない地域で、貯水タンクや浄水フィルター、トイレを建設するNPO法人コンフロントワールドを選出しました。

『KANPAI to the FUTURE』の説明

各テーブルに置かれている、『KANPAI to the FUTURE』の説明。 | Photo by Masato Sezawa

田中さん:僕たちは、「誰かのチャレンジを応援できるようなコミュニティでありたい」と思っています。そういった想いから、この仕組みを導入しました。

こうした社会貢献活動をしている団体のことって、興味を持った人しか見に行かないんですよね。だけど、このスナックで飲んでいると、自然にそうした団体の名前が目に入ります。少しでも知ってもらうことで、提携団体の関係人口を増やしていけたらと思っているんです。

稲川さん:僕は、ペイフォワードの仕組みをもっと自然に作っていきたいと思っているんです。日本では、あまり寄付の文化が浸透していないように思います。災害が起きたときに募金したりはしますが、基本的な生活の中に寄付の仕組みってあまりないですよね。「募金してください」とお願いするのではなくて、一見、資本主義のなかに寄付の仕組みがビルトインされているっていうのが僕は素敵だなと思うんですよね。

提携先・NPO法人Alazi Dream Projectからの感謝状

壁に貼られているのは『KANPAI to the FUTURE』の提携先・NPO法人Alazi Dream Projectからの感謝状。12月分の収益の一部を寄付したところ、シエラレオネの10代のシングルマザー一名が1年間学校に通えるようになったと報告があったそうだ。稲川さん「みんなが楽しくここで飲んだ時間が、遠い国の誰かの勉強する時間に変わる。それってすごく素敵なことですし、自然に誰かのためになれる仕組みが組み込まれているのは、とても良いことだなと思います。」 | Photo by Masato Sezawa

幸福の要素は、無駄なもののなかにある

Q.リモートで何でもできる時代に人とリアルでつながる意義とは?

稲川さん:幸福の要素って、生きるうえで必須のもののなかにはないと思っていて。最低限の衣食住のなかにではなく、一見無駄と思われがちな人との交流のなかに幸福の種が隠されていると思っているんです。今、リモートワークで働いていて1日中誰とも話さないこともあると思います。でも、それだとなんだか空虚な感じがするという人は少なくないと思うんです。それはきっと、相談したいときに声をかけられる人がいないとか、何気ない会話ができないとか、そういう問題があるから。

誰かとつながること、リアルでコミュニケーションをすることは、生きる上では必須でないかもしれないけれども、幸福になるうえでの必要な要素なんじゃないかなと思うんです。だから今の時代こそ、強制ではないけれど一つのオプションとしてこういう場所を提供できたらいいなと考えています。

田中さん:コロナショックが起き、私たちのコミュニケーションスタイルは大きく変化しました。会議は効率化され、気の進まない飲み会がなくなるなど、リモートの利点を感じられることもありましたよね。ただ、コロナ禍前後でリアル・リモート両方を経験したからこそ私たちは「リアルにしかない価値」にも気づいたのではないかと思うんです。

リアルで会っていろんな話をすることで、新しい化学反応が生まれることもあります。だから、僕たちは「素の自分に戻れるようなリアルな場所」を作りたいんですよね。

アフリカのお酒

素の自分に戻る手助けをしてくれる一杯。写真はアフリカのお酒で、果実の状態からアルコールを含んでいるマルーラ(別名・象が酔う果実)のリキュール。店長自ら南アフリカに行って買って来たものだそう。 | Photo by Masato Sezawa

お客さんも含めて、みんなで誰かを応援するコミュニティに

Q.これからSNACK LIFE IS ROSEで実現したいことは?

稲川さん:僕らは、「飲み屋を作った」というより、皆の集まれる「コミュニティスペース」や「セーフティゾーン」を作ったという感覚なんです。ですから、スナックコミュニティ内で手を挙げて新しいことを始めようとする人を、お客さんも含めてみんなで応援するようなことができたらいいなと思います。

田中さん:僕も同じですね。誰かがやりたいことを、お客さんみんなで応援する──このコミュニティからいろんな人が世界に出て行って、色んな想いがどんどん世界に広がっていくといいなと思います。

また、以前社団法人で「人生を本音で語るビール」をコンセプトに掲げたバラのビールを作りましたが、今年はビールの第3弾やフランスでバラのクラフト酒、日本酒をつくりたいと思っているんです。実現するかはわからないですが、もしそれが叶えば、ここで飲めるお酒が一つ増えますし、楽しみですね。

LIFE IS ROSEエール

LIFE IS ROSEエール。こちらは、人気アニメ『理系が恋に落ちたので証明してみた。』とのコラボレーション缶。 | Photo by Masato Sezawa

稲川さん:また、今後はお昼の時間の店の活用もしていきたいなと思っているんです。コンセプトは「自分を高める昼、自分に戻れる夜」。自分に戻れる夜、というのはこれまでもお話ししてきた通り、役割を脇に置いて素の自分になれるということ。それに対し「自分を高める昼」は、フラワーアレンジメント、語学、お茶、ワインなど大人の習い事を通して自分をアップデートする時間を作れたらいいなと思っています。

Q.あなたにとってバラ色の人生とは?

稲川さん:面白い生き方をしている人たちと一緒に幸せになること。この人といるときの自分が好き、と思える人たちと幸せを共有したいなと思います。世界平和みたいに大きなことは言えないですが、視野が届く範囲の仲間たちと一緒にみんなが生きやすい空間を作りたいなと思いますね。

田中さん:LIFE IS ROSEを通じて、人と人がつながる場づくりをすることです。人生のなかで人と出逢える確率は単純に75億分の1ではなく、時間や場所などの条件を鑑みると1垓分の1になるのだそう。だからこそ僕は人との出逢いを大事にしたいと思っていて。良い出会いもあれば良くない出会いもあるかもしれないけど、その奇跡的な出会いを作れるっていうのは人生豊かだなって思うんですよね。

Q.最後に、IDEAS FOR GOODの読者に向けてメッセージをお願いします。

田中さん:僕自身のバラ色の人生を見つける旅に出ている設定のもと、僕は、みんなのバラ色の人生を聞いて集めているんです。なので、読者の皆さんにも「あなたにとってのバラ色の人生は何か」を考えてみてほしいなと思います。

稲川さん:ぜひそれを考えたうえで、お店に来てほしいですよね!

田中さん:そうですね。皆さんの考えを聞いてみたいし、それを話しながら一緒に飲みたいです。

稲川さん:この店に興味があれば、一度いらしていただければ嬉しいです。ぜひ、お待ちしています!

SNACK LIFE IS ROSE

Photo by Masato Sezawa

編集後記

「かんぱーい!」

カチン──グラスが交わる音から始まる仕事は初めてだった。それぞれお酒(筆者は下戸のため、ノンアルコールのローズレモネードだが)を片手に、終始リラックスした雰囲気で取材が進んでいく。時折、カランカランと氷が転がる音が小気味よく響いた。

こちらから一方的に質問するだけではなく、田中さん・稲川さんから筆者たちへ疑問が投げかけられることもあり、取材というよりは、お酒の席で「語り合っている」ような感覚だった。その時私は記者でありながら、記者ではなく、一人の人間としてその場にいたように思う。役割を脇に下ろして対話するのは、なんと楽しく、なんと心地のよいことだろう。

気が付くとあっという間に取材終了の時刻を迎えていた。時計が置かれていない店内では、外よりもゆったりとした時間が流れているようだ。

銀座8丁目某所、年季の入ったビル。こげ茶色の古びたドアの向こうで、美味しいお酒が、そしてまだ見ぬ誰かとの「1垓分の1の出逢い」が、あなたを待っている。少しでも気になった方は、ぜひ足を運んでみてほしい。

▶お店の住所は非公開なので、気になった方は下の公式LINEから問い合わせてみてはいかがだろうか?
公式LINE

【参照サイト】LIFE IS ROSE
【参照サイト】『KANPAI to the FUTURE』乾杯がより良い未来を創る“ソーシャルグッドな多世代型スナック”SNACK LIFE IS ROSE が銀座8丁目にオープン | PR TIMES
【参照サイト】こんな時代に、お店始めます。”NEWスナック”で社会のサードプレイスへ。 | note
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