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サードプレイスとは・意味

サードプレイスとは

サードプレイスとは?

サードプレイス(第三の場所)とは、自宅、学校、職場とは別に存在する、居心地のいい居場所のこと。ストレスの多い現代社会において、ストレスから解放され憩うことのできる場所の重要性をアメリカの都市社会学者レイ・オルデンバーグが説き、注目されるようになった。

サードプレイスが注目された背景

1989年、オルデンバーグが著書「ザ・グレート・グッド・プレイス(The Great Good Place)」の中で提唱し注目され始めた、サードプレイス。その背景には、アメリカが自動車依存型の社会であり、人々が家庭(第一の場所)と職場(第二の場所)を往復する生活に追われてしまっていたことが挙げられる。

オルデンバーグは、ヨーロッパではパブやカフェが、飲食目的のみではなく人々が自由に交流する場として重要な役割を果たしていることに着目した。加えて、1980年代当時、ヨーロッパではスローフード運動が展開されており、スローフードやスローライフの価値が見直され始めていたことも背景にある。

日々の生活における様々なプレイス

第一の場所(ファーストプレイス):生活の基本となる自宅を指す。就寝、食事、入浴など、人間としての生命や健康を維持するために必要な場所であり、家族が共に生活をする場所でもある。家族に対する義務や責任も存在する。

第二の場所(セカンドプレイス):職場や学校など、自宅以外に普段自分が長い時間を過ごす場所だ。経済活動や学習など、生活の糧を得るために欠かせない場所である。仕事、学業や同僚への責務が存在する。

第三の場所(サードプレイス):義務や必要性に縛られるのではなく、自らの心に従い、進んで向かう場所。趣味や息抜きなど心安らぐ場所だ。オルデンバーグは、サードプレイスの定義として8つの条件を挙げている。

  • 中立性のある場所
  • すべての人に平等な場所
  • 会話が重視される場所
  • アクセスしやすい場所
  • 常連のいる場所
  • 控えめだが安心感のある場所
  • 陽気な雰囲気のある場所
  • 第二の家となる場所

サードプレイスの効果

サードプレイスがあることで、以下のような効果があると言われている。

  • 自分らしさを体現でき、ストレスや精神的不安が軽減され、生活に潤いを与える
  • 共通の関心を持つ仲間に囲まれ、心を通わせることで、疎外感や孤独感を覚えにくくなる
  • 新しい価値観や人とのつながりを得ることができる
  • 市民活動が活発になり、文化や心の豊かさが生まれる

まとめ

日々の生活で、義務や責務から完全に解放されるのはなかなか難しい。テクノロジーの発達により、場所や時間を問わず仕事や学業に専念できるようになった一方で、リモートワークが進み家庭と仕事場が一体化し、責務から解放される時間や場所を見つけにくくなってしまっているとも言える。

生活のために必要な場所でなく、自分らしくいられるサードプレイスは、人々の健康と市民社会にとって、重要な場所だといえる。




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