※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Circular Economy Hub」からの転載記事となります。
株式会社ロフトワークとクリエイティブコミュニティFabCafe Globalは1月29日、循環型経済をデザインするプロジェクトやアイデアを世界から募集するアワード「crQlr Awards(サーキュラー・アワード)2023」の受賞プロジェクト28点と特別賞(FabCafe Global Prize)3点を発表した。
同アワードは、「直線型ではなく循環型の評価を行う」、「名声ではなく、行動のためのアワード」、「グローバル視点を獲得できる」という3つの理念を掲げている。循環型経済の実現を目指す⼤規模プロジェクトから、計画中のアイデア、活動、アート作品などを幅広く募集している。
応募プロジェクトは、「クリエイティブであるか?サーキュラーエコノミーへの洞察があるか?(For People)」、「資源循環だけでなく、環境に対してポジティブな影響を与えられているか?(For Planet)」、「循環型経済を目指す社会、企業の課題に対し、解決策を示しているか?(For Profit)」の3点を審査のポイントに、審査員の個々の視点を反映して総合的な評価により選出される。選ばれたプロジェクトには、審査員からの独自の賞と評価コメント、事務局発行の認定ロゴが授与される。また、プロジェクトのPR支援やイベント参加支援など、活動の後押しにつながる受賞特典もある。
第3回目の開催となった2023年は、応募期間9月19日〜11月13日の間に44カ国から140のプロジェクトが集まり、過去最多の参加国数を記録した。
審査には、2度目の参加となるデンマークのイノベーションラボ「SPACE10」の共同創業者Guillaume Charny-Brunet 氏をはじめ、イノベーション、デザイン、AI、アート、モビリティ、建築、コミュニティ、テクノロジー、バイオなど、多様な分野で実績を持つ8名が参加。FabCafe Globalからも2名が加わり、マテリアル、製品とサービス、アート、教育、まちづくり、仕組みという6つの観点から、サーキュラーなアイデアやプロジェクトが選出された。
特別賞「FabCafe Global Prize」は、「従来の産業構造やシステムの枠組みを越え、ステークホルダー間の新しい関係性を構築することで循環を実践するプロジェクト・アイデア」を表彰する。今回は、以下の3つのプロジェクトが選ばれた。
Guilty Flavours(ギルティ フレーバーズ)
Guilty Flavours(ギルティ フレーバーズ)は、プラスチックごみから変換された成分を使って作られた食品サンプル。生命体によって変換された完全に摂食可能な分子を作成する方法を探求しており、人間の消化機能を機械のように活用し、プラスチックを永遠に排除するための画期的な提案を行っている。
Sea vegetable Circulation(シーベジタブル サーキュレーション)
磯焼けにより減少しつつある海藻を採取して研究し、環境負荷の少ない陸上栽培と海面栽培による海藻の再生と、海藻の新しい食べ方の提案に取り組む。過去から受け継がれる海藻食文化を守ると同時に、新たな海藻食文化をつくるためのプロジェクト。
森林循環‧林業創生,REWOOD
台湾で自給自足可能な林業産業チェーンの構築に取り組むプロジェクト。各機関のコミュニケーションの橋渡しとしての役割を担い、木材利用の可能性を再考し「REWOOD森林循環湖口創生」システムを構築。工作ステーションでは次世代に技術を伝承するなど、さまざまな活動に取り組んでいる。
3月に、受賞プロジェクトの展示イベント「crQlr Awards Exhibition」がFabCafe Tokyo(東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7)で開催される。展示のほか、受賞者や審査員を招いてのクロストークなど、受賞プロジェクトを通してサーキュラー・デザインをより身近に感じられるプログラムが予定されている。イベントの詳細は、2月上旬までにFabCafe公式ウェブサイトで発表される。
受賞プロジェクトと国名
- 「An Enlichenment /Lichens as an bioindicators of “Well-being”」(英国)
- 「Ananas Anam」(フィリピン、スペイン、バングラデシュ、コートジボワール、英国)
- 「Bio-invasive Textile Library」(英国)
- 「Briiv Air Filter」(英国)
- 「CirculaRElectronics by VERTMONDE」(スペイン)
- 「Co-producing value-added, biodegradable plastics and additives from agricultural byproducts」(米国)
- 「DiFOLD Origami Bottle」(欧州、米国)
- 「Dodola」(スロヴェニア)
- 「Gravity Wave – Plastic Free Oceans」(ギリシャ、イタリア、エジプト、スペイン、 カンタブリア州・大西洋地域)
- 「Guilty Flavours」(英国)
- 「Hair Recycle」(ベルギー 、 オランダ 、 ルクセンブルク)
- 「Infinity Toy Box」(ブルガリア)
- 「Lalaloop Reusable cup system for a circular city」(韓国)
- 「MateRe – 資源循環DXプラットフォーム」(日本)
- 「MATR – a circular economy mattress solution for hotels」(オーストリア、欧州)
- 「One Stop Solution for Circular Electronics」(エクアドル)
- 「re:Mix, the circular kitchen mixer for your own glass jars」(ドイツ)
- 「Sea vegetable Circulation」(日本)
- 「Seaweed Dialogues」(アイスランド)
- 「TATAMI ReFAB PROJECT」(日本)
- 「Tejiendo la calle」(スペイン)
- 「The Mother Reef」(オランダ)
- 「Transparent Solar Windows」(米国)
- 「サステナブルなEC配送サービス [comvey シェアバッグ®︎]」(日本)
- 「プロジェクト『TSUMUGI』」(日本)
- 「記憶のえんぴつ」(日本)
- 「“捨てないくらし”をかなえる。『くらしのサス活Circular Action』」(日本)
- 「森林循環‧林業創生,REWOOD」(台湾)
アワード実施体制
- 主催:FabCafe Global、株式会社ロフトワーク
- メディアスポンサー:IDEAS FOR GOOD、Circular Economy Hub
審査員一覧(順不同・敬称略)
Guillaume Charny-Brunet、Anni Korkman、Darlene Damm、Lucy Lu、入江洋、Aining Ouyang、廣末幸子、成瀬友梨、木下浩佑、David Tena Vicente
【プレスリリース】循環型経済をデザインするグローバル・アワード「crQlr(サーキュラー) Awards 2023」受賞プロジェクト28点を発表
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※ 記事中の画像の出典:株式会社ロフトワーク