車も自分もメンテナンス。米国の“女性による女性のための”自動車整備工場

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工事現場で働く労働者やトラック運転手、自動車整備工場のスタッフというと、どんな人物を思い浮かべるだろう。「男性」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

しかし近年、そんな職種によるジェンダーの思い込みを変える動きが広がっている。

2013年、アメリカ・ペンシルベニア州に、同国初の女性スタッフによる自動車整備工場「Girls Auto Clinic(以下GAC)」が誕生した。この整備工場では通常の車の整備を行うほか、整備士を目指す女性のための実践的なワークショップを開催したり、さらには車の修理中にネイルやペディキュアサービスまで提供したりするという。

 

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同社を経営するパトリス・バンクスさんは、かつて有名な化学メーカーに勤めていた。そしてその後、周りは若い男性ばかりという夜間の整備士学校に通い、整備士になった。整備士になろうと思ったきっかけは、バンクスさん自身が「女性だからと男性整備士に甘く見られ、適当に整備されて修理費用も高く取られる」経験をしたことだった。そのように利用されないよう、自分自身を守るため整備士を志したのだという。

2013年に立ち上げたGACでは、全員女性の修理チーム「Shecanics(シーカニック)」が通常の自動車サービスを提供する。その間、顧客はネイルサロン「クラッチ・ビューティー・クリニック」でのネイルとペディキュアを楽しめる。車のケアをしてもらう間、セルフケアもできるというわけだ。店内にはWi-Fiも完備されており、書籍も軽食も飲みものも用意されているため、リラックスして過ごすことができる。

自動車整備工場と美容院を組み合わせたバンクスさんのアイデアは瞬く間に評判となった。Int. Business Timesでのインタビューで、バンクスさんはこのように語っている。

男性ばかりの自動車整備工場に行くと必要以上の修理費を取られて、無力感に苛まれました。GACの最大の優先事項は、顧客に安心してもらうことです。そのために必要なのは、シンプルで透明性のあるコミュニケーションです。

バンクスさんは、自動車整備工場に緊張気味でやって来る女性に信頼してもらうために、顧客の目を見ながらきちんと話を聞いて意見を尊重し、修理や整備に見合ったお金を気持ちよく支払えるようにしてもらうことを重視しているそうだ。

近年は自動車修理業界に参入する女性が過去と比べて増えているという(※)。GACのような場所が増えることで、性別にとらわれない、もしくは偏見を持たれない職種として女性がチャレンジできる可能性が広がっていくだろう。

Labor Force Statistics from the Current Population Survey
【参照サイト】This all-female auto shop let’s you get a mani-pedi while your car gets a tune-up
【参照サイト】Girls Auto Clinic
【参照サイト】All-Female Auto Repair Shop Lets Clients Get Manis and Pedis While Waiting For Their Cars
【参照サイト】AUTOREPAIRCATEREDTOWOMEN
【関連記事】米・ミネソタで誕生した、州史上初「全員女性」の議会
Edited by Megumi

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