【メンバー募集】市民一人ひとりの変容を生み出す体験デザインの可能性を探る「Sustainable Experience Design Lab」

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気候変動や、生物多様性の喪失、限られた資源を巡る紛争など、世界における環境・社会的な危機は年々深刻化しています。そして現在、私たちはこの危機を乗り越えられるかどうかの大事な岐路に立っています。
こうした状況に対し、これまでも各所で議論や取り組みが進められてきました。しかし、その内容は産業システム側のものが中心となっており、暮らしや生活者側からの検討はまだまだ十分とはいえない状況にあります。

そこで、IDEAS FOR GOODをはじめとしたWebメディア運営や、IDEAS FOR GOOD Business Design Labを主体としたサステナビリティ支援事業などを通して、上述の現状に課題意識と可能性を感じたハーチ株式会社は、人と自然の関係性を問い直し、これからの時代の人間観やビジネスの在り方、社会実装の方法論をさまざまな領域を横断しながら模索する一般社団法人Ecological Memes(エコロジカル ミーム)と共同で「Sustainable Experience Design Lab」を立ち上げ、探索プログラムメンバーの募集を開始します。

探索プログラムでは、2025年3月〜9月の7ヶ月間、各領域の専門家の講義などを通して各自興味関心テーマを定めたうえで、チームに分かれインタビューリサーチやフィールドワークなどを行い、これからの時代のエクスペリエンスデザインの可能性を探索及びプロトタイプしていきます。プログラムの最後には探索プロセスや成果を公表するエキシビションを開催予定です。

個人やシステムの変容に関心をもつデザイナーやエンジニアの方、サステナビリティやリジェネレーション、グリーントランスフォーメーション(GX)などに関心を持つ事業者、行政職員、研究者から個人の方々、既存のサステナビリティのアプローチに限界を感じている方や、新しい探索方法や視点を模索している方まで、奮ってご応募ください。

Sustainable Experience Design Labとは

SXD LAB TOP

Sustainable Experience Design Lab(以下、SXD Lab)は、持続可能かつ再生型の社会の実現のために、市民一人ひとりの暮らしや行動の変容を生み出す、体験デザインの可能性を探るラボです。

産業システム側の対応だけでなく、暮らしや生活者側での変革が求められる中、UXや体験デザインはどのような役割を果たしていくことができるのか。

「提供者と消費者」「作り手と使い手」といった従来の硬直的な関係を超えて、一人ひとりの暮らしや行動の変容が促されていくような、より包括的で深いレベルでのトランジションはどのように起こせるのか。

本ラボでは、産官学民の多様な立場の探索メンバーと共にサステナビリティやリジェネレーションを取り巻く価値観や行動変容を生み出す体験デザインの可能性を探ります。

SXD Labにおける探索のための3つのガイド

SXD Labでは、探索をすすめるうえの補助線として3つのガイドを設けています。

1. Inspiration Dynamics(インスピレーション・ダイナミクス)

探索の起点となる問いを探っていく際のインスピレーションとして、探索エリアとそれぞれに紐づく問いの群を用意しました。探索の入り口は無数にあります。問いと問いが響き合い、その相互作用の結果としてのテーマが生まれるなど、メンバーのみなさんと共に新たな波紋を見つけていければと考えています。

Inspiration Dymanics

Inspiration q

一部の問いの抜粋

2. Exploration Process(探索プロセス)

個と全体、内と外の行き来を重視した探索を行います。思考や分析など頭の世界だけで完結させず、身体実感を伴う気づきや、その先にある全体性とのつながりの感覚からアウトプットを創出することを目指します。

Exploration Process

3. Design Attitudes(デザイン態度)

SXDを探索する際に持ちたい態度や在り方をまとめました。探索する上での心構えであると同時に、探索のプロセスの中で少しずつ共に身につけていけたらと考えています。

DESIGN ATTITUDES デザイン態度

SXD Lab 探索プログラム

探索をすすめるにあたり、SXD Labでは7ヶ月間(2025年3月〜9月)のプログラムを開催します。プログラムの序盤では、デザインリサーチやデザイン人類学など、各領域の専門家の講義を通して探索の土台となる視点や方法論を学びつつ、多元性・身体性・コモンズ・ナラティブなど様々な切り口のインスピレーションをもとに、それぞれが探索を深めたい興味関心テーマを定めます。

その後、共鳴する問いや世界観を持つ仲間とチームを組み、インタビューリサーチやフィールドワーク、プロトタイピング等を進めながら探索を深め、プログラムの最後には探索プロセスや成果を公表するエキシビションを開催予定です。

探索プログラムの特徴

1. 一人ひとりの興味・好奇心を起点とした探索

客観的な第三者としてのみデザインを担うのではなく、それぞれの内なる思いや興味関心、好奇心に基づく主観的な探索を起点に、当事者インタビューやエスノグラフィーなどの周囲を取り巻くシステムを感受するリサーチを掛け合わせることで、内と外の世界を統合的に探求し、参加者やデザイナー自身の変容可能性と向き合います。

2. 生活者視点での体験デザインの可能性の模索

持続可能かつ再生型の社会への移行には、産業システムだけでなく、生活者からの変革も不可欠です。本プログラムでは、購買促進や利便性向上のための体験デザインに留まらず、購入後長く使い続ける体験や、人間以上とのつながりを取り戻すための体験、各地の文化的精神性なども含めて「サステナビリティを取り巻く価値観や行動の変容」を生み出す体験デザインの可能性を探ります。

3. 土地の記憶とつながり直すことによる失われた身体性の回復

思考やことばの領域だけでなく、フィールドに出てその土地とのつながりを取り戻し、身体実感を深めることを重視します。リジェネレーション、脱人間中心、気候正義、脱植民地化、マルチスピーシーズ・ケア、構造的社会経済格差の是正、多元世界といった様々な思想的潮流と共に、身体性を伴う体験デザインの可能性を模索します。

探索プログラムの流れ

講師の専門的知見や視点から学びを得るラーニングセッションと、学んだことをチームで熟成し表現する探索セッションを行き来しアウトプットへと昇華していきます。

講師一覧

講師及び特別研究員一覧(敬称略・順不同)

  • 上平 崇仁(デザイン研究者/専修大学教授)
  • 峯村 昇吾(造形構想株式会社 代表/武蔵野美術大学特任研究員)
  • 中村 寛(アトリエ・アンソロポロジー合同会社 代表/多摩美術大学教授/文化人類学者)
  • 奥田 宥聡(合同会社Poietica 代表)
  • 曽 緋蘭(株式会社ROOTS 共同代表)
  • 山本 円郁(花人/行者・山伏)
  • 田房 夏波(サービスデザイナー/リサーチャー)
  • 藤代 健介(合同会社Healing Connections代表社員)
  • 加藤 佑(ハーチ株式会社 代表)
  • 小林 泰紘(一般社団法人Ecological Memes 代表理事)

講師及び特別研究員一覧

募集要項

  • 期間:2025年3月初旬〜9月末(7ヶ月間)
  • 形式:一部を除きオンライン
  • 費用:一般 25万円 / 学生 15万円(税込)
  • 応募:プログラム応募フォームより
  • 定員:20名
  • 募集締切:2月8日(土)

※3月22日〜23日のキックオフ(東京・奥多摩)、6月7日のプロトタイピング(東京近郊)、9月20日の最終発表(東京近郊)はオフラインでの開催となります
※上述の費用とは別途、キックオフの宿泊費用(1万円程)及びオフライン実施日の移動費等が追加で発生します
※現時点で参加が難しい日程がある場合にはプログラム応募時にフォームにその旨をご記載ください
※定員を超える応募があった場合、選考プロセスを経てメンバーを確定します

こんな方におすすめ

  • サステナビリティ、リジェネレーション、エコロジー、グリーントランスフォーメーション(GX)などへの関心がある事業者、行政職員、研究者、個人
  • システムや個人の変容に関心をもつデザイナーやエンジニアの方
  • 既存のサステナビリティのアプローチに限界を感じ、新しい探索方法や視点を模索している方
  • 自発的に探索に取り組む意欲のある方

上記に一つでも当てはまる方は、ぜひご応募ください。共に探索しましょう。

SXD Lab 探索プログラム、プレトークセッション開催

SXD Lab 探索プログラムのメンバーを募集するにあたり、ラボやプログラムの事前説明会も兼ねて、講師及び特別研究員としてプログラムに参加頂く方々をゲストにお迎えし、プレトークセッションを全3回開催します。各回個別にもお申し込みいただけます。

プレトークセッション

プレトークセッション内容

#1 自然とつながることからはじまるデザインー畏怖畏敬、信仰と経済、存在変容ー / 1月28日(火)
  • ゲスト:曽 緋蘭(株式会社ROOTS 共同代表)、山本 円郁(花人/行者・山伏)、藤代 健介(合同会社Healing Connections代表社員)
  • セッションキーワード:Nature Centered Design/聖俗の往復/畏怖畏敬とデザイン/変容の装置としての里山/ハートサイエンスとフィールドデザイン
#2 デザインを取り巻く態度変容とシステムー土着性と地域、ケアと身体ー / 2月4日(火)
  • ゲスト:上平 崇仁(デザイン研究者/専修大学教授)、峯村 昇吾(造形構想株式会社 代表/武蔵野美術大学特任研究員)、田房 夏波(サービスデザイナー/リサーチャー)
  • セッションキーワード:スケールアップではない産業の模索/土地の記憶とつながる/アクティビズムとしてのデザイン/生態系デザイン/仕組みとケア
#3 身体性を伴う探求と介入の往還ー多種世界におけるデザインリサーチとプロトタイピングー / 2月6日(木)
  • ゲスト:中村 寛(アトリエ・アンソロポロジー合同会社 代表/多摩美術大学教授/文化人類学者)、奥田宥聡(合同会社Poietica 代表)
  • セッションキーワード:エスノグラフィーとメイキングの往復/デザイン人類学/多種の環世界と身体性/デザインの暴力性への批評/多元世界

当日の流れ(全日程共通)

  • 19:00-19:05:SXD Lab ローンチ背景(ハーチ代表 加藤)
  • 19:05-19:20:SXD Lab 概要の紹介(Ecological Memes代表 小林)
  • 19:20-20:20:プレトークセッション(ゲスト)
  • 20:20-20:30:SXD Lab 探索プログラムについて
  • 20:30-20:50:質疑応答
  • 21:00:終了

開催概要

  • 日付:1月28日(火)、2月4日(火)、2月6日(木)
  • 時間:19:00-21:00
  • 形式:オンライン
  • 参加費:無料
  • 参加申込み:Peatixページにて

【参照サイト】Sustainable Experience Design Lab

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