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食品廃棄

食品廃棄とは?(What is Food Waste)

廃棄される食品には、可食部以外や腐敗した部分などの本来食べられないものと、売れ残りや期限切れ食品、食べ残しなど、本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう「食品ロス」があります。

この食品ロスには大きく、小売業者や食品サービス事業者(飲食店などの外食産業)など、フードサプライチェーンの中で捨てられてしまうものと、消費者が消費段階で捨てるものに分けられます。

食品廃棄の問題点とは?数字と事実、原因、解決策などの情報をまとめました。

数字で見る食品廃棄(Facts & Figures)

世界で問題となっている食品廃棄の現状に関する数字と事実をまとめています。

    • 世界の食料生産量の3分の1にあたる約13億トンの食料が毎年廃棄されている
    • 2016年度日本国内における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の3割にあたる2,759万トン(2019年度発表)
    • 2020年度の日本国内における食品ロス量は、522万トン(前年度570万トン)で推計開始以来最小(2022年発表)
    • 上記の食品ロス522万トンのうち、275万トンが事業系食品ロス量で、247万トンが家庭から出る食品ロス量
    • 日本人1人当たりに換算すると、”お茶碗約1杯分(約136g)の食べ物”が毎日捨てられている(2017年)
    • 世界の主要国の食品廃棄の発生量は以下のとおり。アメリカ約5,540万トン(2009年)、フランス約2,210万トン、ドイツ約1,100万トン、韓国約490万トン(2010年)。一人当たりの食品廃棄物排出量(kg/人)にすると、それぞれ179kg、352kg、135kg、100kg。

以上、政府広報オンライン農林水産省参照

  • このままのペースでいくと、2030年までに30%も食品廃棄が増えると予測されている(Boston Consulting Group

食品廃棄の原因(Causes)

食品廃棄が発生する原因は様々ですが、主な原因としては下記が挙げられます。

  1. 豊作時の生産調整による廃棄
  2. 害虫/気候/農業機械の使用
  3. 規格外品の選別・除外
  4. 貯蔵の際の害虫や微生物の発生
  5. 加工/表示ミスでの除外
  6. 店舗で売れ残った商品を廃棄
  7. 需要予測とのギャップ
  8. 規格外で廃棄
  9. 食品の買いすぎ
  10. 調理のしすぎ
  11. 食べ残し

食品サプライチェーンのさまざまな過程で、食品ロスが発生しています。まず食品がお店に届く前の段階で、運送、湿気や熱気による腐敗での食品ロスがあります。

小売店に食品が到着し、消費者が購入するときにも多くの無駄が発生しています。値引きをしているからといってついつい買いすぎてしまったり、家に在庫があるのを忘れて同じものを買ってしまったりと、使い切れずに捨ててしまうことがあります。

また、日本にある賞味期限に関する“3分の1ルール”という慣習も食品廃棄を多く出してしまっている原因の一つです。小売店などが設定するメーカーからの納品期限および店頭での販売期限は、製造日から賞味期限までの期間を概ね3等分して設定されるのが商慣習となっています。例えば、賞味期限が6か月の食品であれば、メーカーは製造して2か月以内に小売店へ卸し、小売店は2ヶ月以内に消費者に販売し、それが過ぎると賞味期限が2ヶ月残っていても返品や廃棄処分となります。

食品廃棄はなぜ問題なのか?(Impacts)

食品廃棄が多いとなぜ問題なのでしょうか。主な理由としては下記が挙げられます。

  1. 温室効果ガスを発生させる
  2. 食品ごみの水分は焼却施設の発電効率を低下させる
  3. 商品の費用には廃棄費用も含まれているため小売価格が上がる
  4. 食品ロスの焼却は税金から支払われる
  5. 水資源の無駄(ハンバーガー1個をつくるのに必要な水は3,000リットル)
  6. 食料資源の無駄。飢餓や栄養不足の国があるのに先進国では多くが処分される
  7. 品製造や流通に使用された水や肥料、農薬、作物の種子、燃料もムダとなる
  8. 食料資源の不均衡な分配から生まれる社会問題

食品廃棄が多いことは、経済面、環境面そして社会面から様々な問題を発生させています。

まず、食料が消費されずに捨てられるということは、その食料を育てるのにかかった人件費や土地代、肥料代など莫大なコストも無駄にしていることになります。また食品廃棄を処理するのにも費用が発生します。

次に、食料の生産に必要となった水や土、肉や魚の餌なども、無駄になります。例えば牛の飼料となるトウモロコシや豆を育てるには広大な敷地が必要ですが、そういった資源にも無駄な負担をかけていることになります。

また、食料資源が世界中で平等に分配されていないことも問題です。食べ切れないほど食料が余っている国や人と、飢餓で苦しんでいる人たちとの格差が広がっています。

食品廃棄を減らすためにできること(What We Can Do)

食品廃棄を出さないようにするために、私たちができることは何なのでしょうか?毎日の生活の中からでもできることは数多くあります。

    1. 家の冷蔵庫にある食品を確認してからスーパーに行く
    2. 食べきれなかった場合は、他の料理に作りかえるなど、献立や調理方法の工夫をする
    3. 余った食品を安く買えるアプリを積極的に利用する
    4. 生ごみを堆肥にするコンポストを取り入れる
    5. 外食のときも余った食べ物を持ち帰るための容器を持参する
    6. すぐに使う食材はスーパーの見切れ品コーナーから買う
    7. 買い物をするとき、すぐに使う場合は賞味期限の早い手前からとるようにする
    8. 余りそうな食品は周りの人とシェアする
    9. 長期保存している災害用備蓄食材を定期的にチェックする
    10. 食品廃棄を減らす活動をしている団体にボランティアとして参加する
    11. フードバンク(※)に余っている食品を寄付する
    12. 食品廃棄の問題や「もったいない」の精神を周りの人に伝えるなど……

※まだ食べられるのに、さまざまな理由で処分されてしまう食品を、福祉施設や生活困窮者の支援団体等に届ける活動

食品廃棄の問題を解決するアイデアたち(Ideas for Good)

IDEAS FOR GOODでは、最先端のテクノロジーやユニークなアイデアで食品廃棄の問題解決に取り組む企業やプロジェクトを紹介しています。

食品廃棄に関する記事の一覧

【参照サイト】もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう
【参照サイト】食品ロスの現状等
【参照サイト】世界の農林水産
【関連記事】【まとめ】「もったいない」食料廃棄を減らす、世界のアイデア7選

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