【まとめ】「もったいない」食料廃棄を減らす、世界のアイデア7選

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世界中で、日本の人口の6倍以上にあたる8億人もの人々が餓えに苦しんでいる一方、生産された食料の約3分の1が毎年捨てられている。日本でも、食料廃棄は深刻な問題だ。実際、日本の家庭から出る食料廃棄は年間800万トンを超え、一人あたりの食料廃棄率は世界一である。

そんな中、食料廃棄問題に取り組む心強いアイデアが世界各地で登場している。ここでは、IDEAS FOR GOODがこの一年間で取り上げた7つのアイデアをまとめてご紹介しよう。

アプリでwin-winな関係をつくる

安く買いたい消費者と売れ残りの処分に困っている食料品店をつなげるアプリが、アメリカ、フィンランド、英国、カナダなど世界中で誕生している。

01.消費期限の近い食料を見つけやすくするフィンランド発アプリ

小売店と消費者のおいしい関係。フィンランド発のフードレスキューアプリ「Froodly」

アプリ「Froodly」のユーザーは、スーパーで消費期限の近い食料品と値引額の写真をアプリにアップすることで割引を受けたり、近くの店舗の商品が割引された際にリアルタイムで通知を受けることができる。

02.グーグルやスターバックスと連携した米国発アプリ

アプリの力で食料廃棄と飢餓を撲滅。Googleも出資する「MealConnect」

アメリカでは、廃棄予定の余剰食料を抱える事業者と数千のフードバンクや食事提供プログラムとを結びつける新しいマッチングプラットフォーム「MealConnect」が生まれた。

03.廃棄予定の食品を毎月定額でテイクアウトできる日本発アプリ

廃棄予定の食品を毎月定額でテイクアウトできるアプリ「Reduce GO」

「Reduce GO」を使えば、月額1,980円という定額で毎日2回までレストランや小売店から出る余剰食料を注文できる。毎日の食費を浮かせつつ、様々な料理も楽しめる。

テクノロジーの力で食料廃棄を減らす

忙しい現代人が管理しきれず無駄が発生している部分を、AIやIoT技術の力で解決しようとする試みが今後増えていくだろう。

04.消費期限に応じて価格がリアルタイムに変わる値札

食料廃棄をなくす。消費期限に応じて価格をリアルタイムに変えるAIテクノロジー

AIを活用し、消費期限によってスーパーの食料品価格がリアルタイムで更新される世界初のトラッキングシステムが発明された。これによって、小売業界の抱える「食料廃棄」と「在庫管理の非効率性」という2つの課題が解決される。

05.冷蔵庫の中身を教えてくれるスマートワイヤレスカメラ

家庭の食料廃棄に終止符を。冷蔵庫の中身を教えてくれるスマートワイヤレスカメラ

「FridgeCam」は、どんな冷蔵庫にも設置できる世界初のワイヤレス小型カメラだ。ユーザーはアプリを通じて外出先のどこからでも冷蔵庫の中身を確認できる。

廃棄食料をまったく別のものへチェンジ

食料廃棄自体を減らす取り組みはもちろん大切だが、それでも出てしまう廃棄物を意外な方法で再利用する画期的なアイデアがある。

06.車のエンジンは廃棄食料から出るバイオメタンガス

輸送業界の注目株。廃棄食料で走るトラック

イギリスのスーパーマーケットがバイオメタンガスで走るトラックを導入した。バイオメタンガスは、ディーゼル燃料と比較して二酸化炭素排出量が70%少なく、コストも35%削減でき、充電時間も短い、注目のエネルギー源だ。

07.自分も地球もキレイにする、廃棄物から作られたコスメ

自分も地球もキレイにする、廃棄物から作られたコスメ

廃棄されたフルーツから作られたリップリクームが登場した。人を美しくするだけではなく、オーガニック、ベーガンですべて自然に還る素材を使用しており、動物実験も行わないので、自然にも優しい。

まとめ

ご覧いただいたとおり、今、世界中で食料廃棄への取り組みが盛んになっている。最新技術を活用したり、発想の転換をすることで、食料廃棄を少しづつ減らすことができる。

一方、冒頭でも述べたとおり、日本の食料廃棄は依然多い。食べ物が身の回りに溢れかえっている環境で、そのありがたみを忘れてしまっているのかもしれない。しかし、2004年に環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイ氏が、世界に広めようとしたことばが、日本語の「もったいない」である。こんな素晴らしい日本語を生み出した私たち日本人が、世界に恥じない行動をする必要があるのではないだろうか。そのためには、人間が誰しも持っている「もったいない」という素直な気持ちを、今いちど思い出す必要があるだろう。

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