スマホで食品の「目に見えない消費期限」がわかる。食品廃棄を減らすセンサーを英大学が開発

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あなたが食べ物を捨てるときの基準は何だろうか。イギリスでは、消費者の3分の1が消費期限をむかえたという理由だけで食品を捨てているが、捨てられる食品のうち60%はまだ安全に食べられるという。

今回、この食品廃棄問題を解決すべく、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームが、スマートフォンをかざすと食品の本当の消費期限が分かるセンサーを開発した。食品の包装につかえる「紙ベースの電気ガスセンサー(PEGS)」として知られるこのセンサーが、肉や魚製品に含まれるアンモニアやトリメチルアミンのような腐敗ガスを検出することで、目に見えない安全性を確認できる。

食品センサー

(c)Imperial College London

このセンサーは、カーボン電極をセルロース紙に印刷して作られた。既存の大量印刷の方法を適用することでこの技術をスケールアップし、簡単にセンサーを大量生産できると研究者らは考える。また、素材が生分解性で無毒のため、食品の包装に安全に使用できる。チームは、当センサーが腐敗を検出することで、食品廃棄はもちろん、プラスチック梱包の削減に役立つ可能性があると述べている。

食品センサー

(c)Imperial College London

食品の腐敗を検出するセンサーは、実はすでに存在するのだが、一般使用には高価すぎたり、使用が難しかったりという問題がある。たとえば湿度90%以上のときは、食品の状態の検出ができない場合が多い。今回開発されたセンサーは1枚2セント(約2円)と安価で製造でき、読み取りも簡単だ。室温で使用でき、湿度が100%近くでも効果的に機能するという。

研究チームは、このセンサーを3年以内にスーパーで使用することを目指しており、最終的に「消費期限」の基準にできるかもしれないと語っている。また、食品やその生産過程である農業における化学物質の検知、空気の質や呼気中の腎疾患マーカーの検出などへの使用の可能性も感じているそうだ。

いつもなら「ラベルに書いてある期限が来たから」と捨ててしまう食品の、本当の消費期限を知ることができるセンサー。スマートフォンをかざすだけで食の安全性をチェックし、その廃棄が減らせる時が待ち遠しい。

【参照サイト】Food freshness sensors could replace ‘use-by’ dates to cut food waste
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(※画像:Imperial College Londonより引用)