パラリンピックのPR動画。選手はこんなに凄かった。

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2020 年と言えば東京オリンピックとパラリンピックだが、パラリンピックへの関心はいかほどだろうか。2016年のリオパラリンピック前に行われた調査では、国民の90% がパラリンピックに興味なしと答えていた。そこでもっとパラリンピックに興味を持ってもらうためのPR動画が作成された。ジムに隠しカメラを設置し、人々のリアルな様子を撮影した動画だ。

動画の冒頭では、小人サイズの男性がベンチプレスを、義足の男性がルームランナーを、視覚障害の女性が柔道をしにそれぞれジムに来る。最初周囲の人たちはその様子をチラチラと伺い、微妙な表情を浮かべる。珍しいモノを見つめる好奇心、「本当にできるの?」と怪訝な気持ち、「危なっかしい」と不安な気持ち、そういった感情が入り混じった複雑な顔だ。だが、ひとたび障害者たちがトレーニングを始めるとその様子は一変する。

ベンチプレスの重量をどんどん上げていく小さな男性、さっさとルームランナーのペースを上げる片足の男性、次々と相手を負かしていく視覚障害の女性。その実力は一般人を遥かに上回っており、あまりの凄さに周囲は唖然とし、驚いて笑い出す人もいる。「嘘!?」と顔に書いてある状態だ。それもそのはず、だってこの3 人はパラリンピック選手なのだから、というタネ明かしで動画は締めくくられる。この動画は何を伝えようとしているのか。

パラリンピックと聞くとつい、選手たちに下駄をはかせているというか、「障害がありながらも」みたいな前置きありきで捉えてしまいがちだ。だが、それは彼らのビジュアルのせいで錯覚している面があり、少なくともそれぞれの選手が特化している競技におけるレベルは一般人を遥かに上回っている。そしてその凄さは間近で見てこそ強く実感できるものだろう。この動画は、その場に居合わせた人の反応を多く写すことで、イメージと現実のギャップがいかに大きいかを可視化している。

いよいよ2020年は東京の番だ。オリンピックにしてもパラリンピックにしても、せっかく近くまでやって来るというチャンスを活かして生の観戦に臨みたいものだ。そのときあなたは、この動画に出てくる傍観者のような表情になっているのかもしれない。

【参照サイト】The Mindchanger Workout
(※画像提供:Shutter Stock

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