2020年、再生可能エネルギーの発電コストが化石燃料を下回る

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世界150か国以上が加盟する国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は今年1月、過去一年間の再生可能エネルギーのコストを分析したうえで、2020年までに全ての再生可能エネルギーコストが化石燃料エネルギーと同等かそれ以下になるとの予測を発表した。

気候変動への対応などを理由に世界では化石燃料に代わる様々な再生可能エネルギーの模索が進んでいるが、その代表格である太陽光発電と風力発電は、化石燃料と比較して発電コストが高い点が普及のネックとなっていた。環境に優しい理想的なエネルギーと、経済的な合理性との間に溝があったのだ。

しかし、今回のIRENAの発表によると、今から2年後にはその溝がほとんどなくなるという。これは、持続可能な社会への転換に向けた大きな一歩になる。

Irena

IRENAの最新のコスト動向をまとめた報告書によると、現時点で陸上風力発電コストは2010年以降1/4に下がり、太陽光発電のコストは73%削減、つまり1kWhあたり36米セントから米10セントにも下がった。さらに、2020年までに太陽光発電のコストはここからさらに半減する見通しだ。

最もエネルギー効率のいい陸上風力発電と太陽光発電は、2年以内に1kWhあたり3米セントで電気を供給できるようになる。現在の化石燃料エネルギーコストより低くなるという驚くべき予測だ。バイオエネルギー、地熱や水力発電プロジェクトなどその他の再生可能エネルギーのコストについても化石燃料とほぼ同額になるという。

IRENAの理事長Adnan Z. Amin氏は、この動向はエネルギー形態の移行を意味すると語る。世界市場における価格競争と、技術革新が近年のコスト削減をもたらしたのだ。Amin氏はこう続ける。「新しいエネルギーへの転換は、環境面だけを考慮して行われるわけではない。今は、どれだけ経済的であるかがとても重要なのだ。」

世界中が注目する、これからのエネルギーとその価格。今回のIRENAの発表が地球に優しいエネルギーの普及に大きな意味を持つことは間違いない。環境に優しいエネルギーを使うほど経済的にも得をする時代は、もうすぐそこまで来ている。

【参照サイト】Onshore Wind Power Now as Affordable as Any Other Source, Solar to Halve by 2020

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