パーキンソン病特有の「すくみ足」を解消するハイテクシューズ

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プロボクサーのモハメド・アリと、映画俳優のマイケル・J・フォックス。この二人は友人だったそうだ。「君と俺が一緒に戦えば、絶対にこの病気に勝てるよ」アリはフォックスにそう言ったらしい。ここで言う「病気」とは、パーキンソン病である。

アリが1996年のアトランタ五輪の開会式で最終聖火ランナーを務めたとき、彼の手は目に見えて震えていた。パーキンソン病の症状だ。

パーキンソン病の患者は、歩くときもいわゆる「つんのめり」の状態になってしまう。重心移動に歩幅がついていけず、前方に転倒する。すくみ足、小刻み歩行とも表現されるこの症状だが、リハビリには「ゼブラゾーン」を使う。一定の幅に刻んだ白線の通りに歩を進めるというものだ。

このリハビリを日常生活の中で行えるようにできないだろうか?そう考えたオランダ・トゥウェンテ大学の研究チームらが開発しているのは、パーキンソン病患者向けのレーザーを内蔵した特別なシューズだ。

このシューズを履くと、歩行が止まった段階、すなわち使用者がすくみ足に陥ったタイミングで、レーザーが作動する。45cm先の地面を照らすのだが、使用者はそのレーザー照射に従って足を動かす。すると上記のゼブラゾーンのリハビリと同じ効果が得られるというわけだ。

今のところこのシューズはまだ開発段階で、実用化にまでは至っていない。使用者の動きをより詳細に読み取る機能を備えなければならないという。しかし、この製品が実用化された暁には、現代医学にも大きなインパクトを与える可能性もある。

「不可能とは、可能性だ」とはモハメド・アリが残した有名な言葉だが、このシューズがパーキンソン病患者の「不可能」を「可能」に変えてくれる日が一日でも早く来ることを期待したい。

【参照サイト】LASER SHOES PREVENT ‘FREEZING’ IN PARKINSON PATIENTS CLEAR REDUCTION IN SYMPTOMS