アラブ首長国連邦の第2の都市、ドバイ。中東屈指の金融都市であり、高層ビルやリゾート施設の建設などでも世界の注目を集めている。こうした華やかな面の一方で、ドバイは長い間、交通渋滞という大きな問題を抱えてきた。
この問題を解決しようと、近年ドバイの国土交通省は公共交通手段の整備に努めており、2030年までに交通手段の25%を無人運転に切り替えるという目標を設定している。その一環として、アメリカのNext Future Transportation社と共同で、先日ついに国内初の自動運転電気バス「pods」の試運転に成功した。
今回の試運転にあたり、両者はNX1という自動運転ユニットを開発。バスの専用レーン上を実際に走行したようだ。
自動運転バスpodsの1車両は長さ2.87m、幅2.24mの10人乗り。電池をエネルギー源として3時間連続で稼働でき、充電には6時間を要するため、短中距離移動を目的に設計されている。平均時速は少しゆっくりな20㎞だ。
podsの特筆すべき点は、走行中に専用レーン上で車両同士を15秒から20秒で連結でき、切り離しも5秒でできることだ。連結と切り離しは、podsに設置されたカメラと電気機械技術を使って行われる。乗客は目的地に合わせて、異なる車両を移動できるのだ。
Next Future Transportationのウェブサイトおよびビデオでは、スマートフォンでpodsを呼び寄せる仕組みも紹介している。
ドバイ国土交通省の代表HE Mattar Al Tayer氏はこう語る。「podsの今回の試運転成功は、都市の混雑を解決し、交通システムの躍進をもたらすことにつながるだろう。ドバイ国土交通省は、すべてのサービスにおいて顧客の安全確保を一番に考えており、この自動運転バスは、完全管理および衝突回避のために3つの保護システムを備えている。3Dカメラを備えたメインシステム、普通カメラによるスタンバイシステム、さらにオペレーターによるマニュアル操作というシステムだ。」
さらに「自動運転バスpodsは、ドバイを世界一のスマートシティに変身させる。自動運転の推進は、快適で迅速な交通移動を通して、公共交通と街の人々の幸せをつなぐのだ。」と同氏は続けた。
ドバイは昨年無人操縦ヘリコプタータクシーの試運転にも成功しており、IDEAS FOR GOODでも取り上げた。公共交通と人々の幸せをつなぐ自動運転の推進と、今回の自動運転電気バスpodの試運転成功。ドバイの交通システムのこれからが楽しみだ。
【参照サイト】Launching of tests of the world’s first ‘Autonomous Pods’
(※画像:ドバイ国土交通省より引用)