ドバイの新築建物の4分の1が3Dプリントへ。雇用の場での人手不足解消目指す

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日本ではいま、少子化などにより雇用の場での人手不足が起きているが、世界でも人手不足や高齢化などで窮地に陥っている建設会社がいくつもある。アラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイの建設業界もその一つだ。ただ、建設に従事する人の多くは移民系であり、雇用者からの人権侵害行為や搾取が横行していると人権系NGOらが指摘している。

そこで、最新の技術である3Dプリントを用いてこれらの問題を解決しようと、“Dubai 3D Printing Strategy(ドバイ3Dプリント戦略)”が政府主導で立ち上がった。同戦略は、2030年までに3Dプリントを用いてこの国の人手不足や建設業における人権侵害といった問題を解決し、ドバイを世界の3Dプリントのハブに成長させるというものだ。

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この戦略を打ち出したドバイ未来財団は、2025年には新たに建設される建物の25%が3Dプリントの技術を使ったものになると説明。3Dプリンターの活用により70% 建設業の人手不足を補い、90%のコスト削減、80%の時間を短縮するという壮大なビジョンを描く。

現在のUAEの建物で3Dプリントが利用された割合は2%だが、この割合は徐々に増えていくという。住宅、ビル、公園、基地などが3Dプリントによって建設される予定だ。さらに従来型の建設よりも持続可能で、二酸化炭素排出も大きく削減されると財団は主張している。ただ、本当に3Dプリントが二酸化炭素削減に大きく貢献するかはまだまだ議論の余地があるという説もある。

3Dプリントを活用する動きは、社会のさまざまな場面で始まっている。たとえば、3Dプリンターでの建設を専門とするNew Story社は、たった1日で家が建設できる技術を持っている。費用は、4,000米ドル(約45万円)というのだから驚きだ。

中国の建設会社Winsunは、3Dプリント技術を使って1日に10棟の住宅を完成させるとして以前話題となった。ドバイ未来財団のオフィスビルを建設したのもこの会社だ。この技術がどこまで実用化されるかを疑問視する声も多いが、徐々に実際の生活に浸透していることがわかるだろう。人手不足に悩む日本も十分に活用できる技術だ。

3Dプリントは、これまで多くの人手を必要としていた製造や建設を肩代わりしてくれる技術だ。うまく使えば、労働力不足解決への道筋となる可能性を秘めている。建設業界をサステナブルにする第一歩として、ドバイ未来財団の動きを注視していきたい。

【参考サイト】DUBAI 3D PRINTING STRATEGY